第22話
「お前ももしかして、俺と一緒なのか?」
「は?」
「いやだから、お前もここから飛び降りようとしているのか?」
「ええ?は?」
「お前友達いないんだろ?だから、飛び降りようと思っているんじゃないのか?」
何と言ってもよかったのだけれど、僕はなぜかあいつと同じに考えられたくないと思った。だからだろうか、強い反発を示すように「違うよ」と言って、あいつの手を僕の肩から外した。
「なんだ、そうなのか」
その反応は嬉しそうでもなければ、がっかりしたようでもない、最初から関心なんてなかったかのような答え方だった。僕は何も言わずに足の上で開かれている漫画を閉じた。
「じゃあ、僕は戻るから」
「どこに?」
「教室だよ」
「何のために?」
「もう昼休みは終わりだ。授業が始まるんだよ」
「別に、お前が戻ってくることなんて誰も求めてないんだろ?どうせなら、ずっとここにいればいいだろ?」
「なんで?」
「俺ともう少し話すことができるじゃないか」
「僕は、君と話していたいとは思ってないよ。大体、君と話していると、なんかこう、身の毛がよだつんだ。……大体君は幽霊なんだろ?そんな君がどうして僕と話すことができるんだ」
「そんなのは俺にだって分からない。ただ、珍しく昼間にこの屋上に来てみたら、お前がいたんだ。ただそれだけのことで、もしそれ以外で不思議に思う部分があったとしても、それは俺には分からないな」
「とにかく」
僕はあいつの目を見て言った。
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