第15話
「なあ、青い空はどうなんだよ?」
「あ?」
「だから、いつも夜なんだろ?それで星を見るんだろ?」
「ああ、そうだよ」
「昼の空はどうなんだよ?」
「別に……」
「別に?」
「別に、何の感情も湧いてこない。ただただ退屈なだけ。お前は息をすることが楽しいとか悲しいとか感じたりするか?俺にとっては……息をすることくらい退屈だよ、青空なんて」
「そんな事、別に考えたこともないけど」
「考えるということは必要じゃないよ。時に必要かもしれないけど、ほとんどの時に必要がなくなる。と言うか意識して思考を停止してしまった方がいい。人間って生き物は、どうも無駄なことばかりを考えてしまう節があるから」
「なんだそれ?身を持って経験済みみたいな言い方だな」
あいつはふっと笑って、視線を僕に戻した。あいつの顔が随分と整えられた、嫌みなくらいに奇麗な顔立ちだということに今更ながら気付いた。
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