第8話

「あ!」

彼女はベッドに横たわったまま、僕を見て驚きを隠せずにいる。

「え?何?突然大声なんて出して……」

「いや、思い出したんだよ!」

「え?何が?」

「だから、あいつだよ!」

「あいつ?」

「そう!そう言った……食べちゃいたいって言っていたあいつだよ!」

一人で勝手に興奮する僕に彼女は置いて行かれたままで、今はもう興味すらなさそうに僕をただ見つめていた。

 そう、あいつは確かに僕にそう言ったんだ。「食べちゃいたいくらい」って。

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