第7話
結局、ミィは二人には捕まらなかった。だが。
「ねぇ。これってかなり妙な画になってない?」
「そうかも…」
二人はその後、連れ立って歩いていた。その前を一匹の猫が歩いている。傍から見れば、猫が二人を連れて歩いているような、そんな風に見えた。ミィは、と、言えば、気のせいか、どこかふんぞり返って歩いているようにも見える。
「供の者を連れた女王様、って感じ。」
ぷぷっとルナが噴出すと、何かを感じたのかミィが振り向いた。思わず口に手を当てて立ち止まる二人。ミィはつい、と視線を逸らしてまた前を歩き出した。二人はほっとして付いていった。まさに女王様のご機嫌を取る家来、といった風情の心境ではあるが、原因は他にある。
捕まえられないものを、依頼の対象として受けているのだ。それが達成されるかどうかは、正にミィのご機嫌しだいなのである。それに、
「どこかに案内してる、ような、気がするのよね。」
「うん。」
ミィはしっかりとした足取りで、しかし時々振り向きながら歩いている。ついてきているのを確認するように。
やがて、ミィは白い門の前で立ち止まった。二人はつられて立ち止まり、ゆっくりと顔をあげた。門の中には、同じように白を基調とした建物があるのが見える。その屋根の上には白い、十字架。
「教会…?」
二人は同時にそう、口にした。
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