第4話 序章4

「えっ?僕を既存の隊に編隊してくれるんですか?!」

僕は驚いて声を上げた。白銀の隊員は普通、四人ほどのチームを組んで毀攻戦鬼を倒す。そして、普通入ったばっかりの隊員は、ソロで活躍し、それが目に止まれば、既存の隊にスカウトしてもらえる。それか、新人同士で隊を組むかのどちらかである。だから、最初から隊には入れるのは相当レアケースなのである。そして、そのまま案内されるがままに歩いた。そして、一つの部屋に入った。そこにいたのは、二人の男性と、一人の女性だった。三人とも僕と年は近そうである。そして、女性の人と一人の男性は机に向かってデスクワークらしき物をしているが、後一人の人は、ソファーでゆっくりくつろいでいる。そして、辻井さんはその人達に声をかけた。

「お~い、お前ら~」

すると、全員がこちらを向いた。同時に、全員が僕の存在に気づいた。

「どうしたんですか?その子?」

最初に声を掛けてきてくれたのはのは、女の人だった。僕は困惑したが、すぐに辻井さんが紹介してくれた。

「この子は、今日この隊に配属される、上野秋君だ。みんな、仲良くね~」

すると、ソファーでくつろいでいた人が身を乗り出した。

「おお~そいつが、この前言ってた、新入隊員か~」

辻井さんは、笑顔でうなずいた。そして、こう言った。

「上野秋君だ。みんな、仲良くね~」

と、それだけ言うと、そのまま出て行ってしまった・・・人見知りな僕には、この人達と話すのは相当ハードルが高い。

「あの・・・えっと・・・」

僕が、しどろもどろになっていると、ソファーでくつろいでいた人が、手を差し伸べた。

「俺の名前は、影崎雅輝!よろしくな!」

屈託のない笑顔で言った。そして、僕は、差し伸べられた手を、強く握った。

「よっ、よろしくおねがいします!」

すると、そのまま、周りに居る人も自己紹介を始めた。

「俺の名前は、富太結。そして、こちらが、榊怜那様だ。」

何で、怜那さんの時だけ凄いへりくだり方なのか気になったが、それを遮るようにして、怜那さんが言った。

「出撃命令よ!」

すると、今までソファーと同化しているようだった影崎さんが立ち上がった!

「うっしゃ!行くか!」

そう言って、電送機のポータルに飛び乗った。僕もそれに釣られ、初出撃をした。

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