第11話 最強の男
テントを出てから、
あの樹液は虫とかが寄って来てなかったから、
理科の授業で
そのおかげか、今のところ
二人も欲しかったかな? 隠し持っている分がまだあるから、また今度分けてあげようと思う。
山の中の行軍が終わったと思ったら、ボロボロの大きな
中には騎士や兵士がたくさんいてビックリ。
どうも本隊と合流したみたい。
ということは砦の
向こうもすごい人だけど……
砦に着いてからも
トイレの穴堀りはなくなったけれど、砦の
そうそう、僕の
ちゃんとしたコックがいるんだけど、何故か黄緑団子だけは僕が作ることになった。
相変わらず
こっそり入れようとしたら、関羽に
痛い…… きっと美味しくなるのに……
やっ! はっ!
砦に着いてから
戦う相手が見えていると何とも言えない
砦全体にもうすぐ戦争が始まるという緊張感が広がっている影響もあると思う。
死にたくないので必死に練習していると徐々に集中力の高まりを感じる。
今まで感じたことのなかったゾーンに入ると言えばいいのか、すごく神経が
周りが目に入らなくなり何度も槍の先が狙ったところを通過する。
突き方は明け方に砦の修理をしているときに、すごく強そうな人の練習を見て覚えた。
太い釣り上がった眉に巨大狼みないな
関羽と張飛も強いけど、この人はそれよりも強いんじゃないかな?
素人の僕でも分かるくらい圧倒的な
怖そうな人だけど、すごく良い手本だと思ったのでこっそり毎朝の
集中力があると見学もすごく
技を
腕の角度、足の踏み出すタイミング、体の
だから再現も簡単だった。
いつも砦の壁に隠れて修理をしながらこっそり見ているんだけど、ときどきこちらに対して突きを放ち風圧が顔を通り過ぎる。
うっ! きっと見てるのがばれてるな……
目が合った。
喰いつかれそうな
ぼ、僕は美味しくないよ~ そろそろと壁に隠れた。
美味しくないって言ったのに~
夜に砦の広場で腕自慢が
模擬試合というよりは、あのすごく強そうな男の
他の人は全然相手になっていない。
最強の男、僕は心の中では
うん、僕には関係のないイベントのはずなのに、あのすごく強そうな男から
みんな
僕だって驚いてるよ……
腕自慢は全て蹴散らして酒をグイッと飲んだと思ったら、練習用の杖を僕に向けて突き付けた。
杖を受け取るともの凄い殺気が飛んでくる。
巨大狼を経験してなかったら、これで気絶してたんじゃないかな。
まぁ、怖くって体は動かないんだけどね。
蛇に
ボコボコなんていう
打たれたところはきっと骨にひびが入ってる。
練習してたから、ちょっとは試合になるかと思った自分が恥ずかしい……
―――
一回だけ僕の杖が呂布に当たったんだけど、赤い障壁に阻まれたんだよね。
これもきっと魔法なんだろうと思う。
他の人はモヤみたいだけど、呂布は
これが強さの
足元だけ色が薄い……
血を吐いて倒れながら僕は呂布の足元を杖で突いた。
「くっ!」
ちょっと痛そうにしている。
周りで見ていた兵士達がどよめいている。
「fun! romoru ga emino kiro mo no minn aro」
思いっきり
素人相手に
◇◆◇◆◇◆
俺はギレッド、今はそこそこ大きい王国で大隊長をしている。
初めて貴族とやらになったが
これなら
昔から腕力や魔力で負けたことがない。
好きな物は
俺に
片っ端からぶっ倒していくと貴族にするから王国に協力して欲しいと泣きついてきやがった。
領内で王の言うことを聞かないドワーフやエルフを皆殺しにして、周辺の弱小国の領土を奪う簡単な仕事。
それで大きい屋敷に美味い酒、言うことを何でも聞く召使共が手に入るのだから貴族も悪くはないが……
むしゃくしゃして起こしに来た下僕の騎士共を叩きのめす。
これから隣国の
強さは魔力と腕力でほぼ決まる、技術も必要だが腕力の次の話だ。
強い魔力で体を
ここにいるやつらだったら
最近、俺の
始めは気にもしなかったが、あまりに俺そっくりに槍を突くようになったから興味が湧いた。
よく見ると小さい子供だな? なんでこんなガキが戦場にいるんだ?
料理人として連れて来られたのか? 確かにガキが作る黄緑団子は
こんなに美味いのは王都でも食べたことがない。
ん? あのガキと一緒にいるのは俺が
やつらは久しぶりに楽しめる相手だったなぁ。
殺し
奴隷紋があるから大丈夫かもしれないが、
今のうちに殺しておくか―――
近付こうと思ったら甘ったるい
昔、毒殺されそうになったときに
人食い樹の樹液じゃねえか! あのガキ、料理の
ドワーフ達が慌てて止めたようだが……
いくら俺でも知らずに食ったら死んじまう、というか砦の兵士が全滅じゃねえか。
おいおい、奴隷紋は主人を害する行為はできないはずじゃないのかよ…… もしかして悪気なしか……
美味い飯は食いたいが、毒かどうかも判断が付かないガキだけだと危険だな。
しばらくドワーフは
王国からの進軍の号令がかからない
どいつもこいつも弱すぎて話にならない。
まぁ、こんなんでも
あ~ つまらん。
ん? あのガキがいるな。
そろそろ鍛錬を見られるのも
練習用の杖を構えさせたらなかなか
―――弱いけど、こいつは面白い。
腕力はそこそこ、魔力は使わないのか使えないのか
この程度ならすぐに倒せると思ったが、俺の
この短期間でここまで真似できるもんか? 異常な才能だ。
あと、この
お! 魔力鎧の上とは言え、この俺に一撃入れやがった。
少し本気を出して、杖を払い上げ、返しで
まあ、よくやった方だ―――
そこに油断があった。
「くっ!」
足元の魔力鎧が薄くなったところに杖で突かれた。
「フン! やるじゃねぇか。戦場での
気に食わないが、せいぜい俺の役に立ちやがれ。
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