第6話 超集中
小学校では集中力がない、もしくは
心配した両親に病院に連れて行かれ、お医者さんからの色々な質問に答え、簡単な作業を何度も行うと軽度の発達障害と診断された。
そのときの両親の
なので、集中力があればと何度も思った。
今までの僕だったらテントの建て方をすぐに覚えることも出来ないし、乾いた木を根気よく探すことも難しかったはず、でも……
――― それは不思議な感覚だった。
鞭で叩かれるのが怖いので、テントを建てるのを早く覚えなくてはと
逆に周りは
建て終わって我に返ると
よく見ると何度も鞭で叩かれていたようで、無数の
奴隷管理人が鞭を持って
テントの建て方はこの一回で完全に覚えた。
何だったら余らせる
穴掘りだって、乾いた木を集めるのだって、集中することで手早く完璧に作業を進めることができる。
自分の体重よりも重い荷物を持つのも、いつの間にかできるようになった。
以前は奴隷管理人から魔法を掛けてもらわないと持つことも出来ず、荷物を下ろした瞬間に死ぬんじゃないかと思うほど強い
今では魔法なしで背負うことができるし、
異世界に来てろくなことがないけど、これが僕の手に入れたチート能力なのかもしれない。
確かに望んでた能力だけど……
お願い神様、元に戻して~~~
◇◆◇◆◇◆
はい、こちら神様のスクルドです。
ただいま、こちらも大変な目にあっているので、ご希望には
ていうか誰か助けて~~~
バシッ! バシッ!
手足を
「痛い、痛いって、オーディン様これ何ですか??」
「うむ、平安中期の
「何でそんなマニアックな拷問なんですか!!」
「ふむ、スクルドは源氏物語が好きなようなので、時代背景を合わせてみた」
うっ! もしかして源氏物語をヒントに
「源氏物語をヒントに婿ゲット作戦とな、馬鹿なことを考える」
しまった! オーディン様は心が読めるのだった。
ここは心を無にして……
「ウルドよ、手加減は無用のようじゃ」
「は~い、オーディン様」
ゴッ! ゴッ!
「痛! 痛い! こらウルド、そこ角! 叩く音おかしいから!」
「まぁ、スクルド、姉を呼び捨てなんて悲しいわ。ウルドお姉さまでしょ、お姉さま! 悪いことをしたら反省しないとね♪」
ウルドは私の一番上の姉で過去を
神力は強いのですが何事も適当で
「な~にがお姉さまよ! いい加減にしないと馬のことオーディン様に言うわよ!」
「こら! それは帽子の件と相殺でなかったことにしたでしょ」
「――― ふむ、非常に興味のある話をしておるな」
「「うっ!」」
オーディン様は最高神です。
偉くてすごい力を持っています。
何が言いたいかというと、怒らせると
「オーディン様。そ、それよりも、スクルドが異世界に送った子に何をしたのか確かめないと―――」
うっ! それを聞かれるのも困る~~~ 彼が望んでいた集中力を
「――― スクルド……」
オーディン様がすごく
あっ、そういえば心の声…… あ~ん、バカバカバカ
「
じゅ、重罪ですか!? か、神の試練を人間に与えるのは良いって聞いてたのに。
「試練の与え方に祝福の仕方、問題だらけじゃ」
「人知を超える力って、スクルドが祝福して与えたの? 毒や傷を受けても大丈夫な体に、
ウルドが感心したように言うけど、身に覚えが全然ない。
「え? 私にそんな力あるわけないじゃない。集中力だって未来には治る予定だったから、それを前借りしただけだし」
「あの回復力と力はどう考えても人間の出せるものじゃないわよ」
そう言われれば不自然だけど……
「神に
オーディン様がブツブツ言いながら、思考に
知識欲の強い方なのでこうなると長いのです。
これはチャンス! ウルドも同じ考えなのか二人で目を見合わせ
あ、こら、私の縄を解いてくれないと逃げられない。
一人だけ逃げたって私が
私達は運命共同体なのよ。
―――オーディン様の
「――― さて、では馬と帽子の話を聞こうじゃないか」
ウルドがオーディン様の愛馬の
私のは急いで
なのでお怒りはウルドの方に、愛馬スレイプニールの
「鬣はすぐに生えてきます。帽子は魔界の
ウルド!!!
結局、ウルドと二人で怒られました。
着替えが必要だったかどうかは神の
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