第29話‐2

北条さんの家で蓬田さんに会って、大変な目にあってしまった・・・・


未だ居るけど!


「お姉様~!此から何処かに遊びにいきましょ~!」


「えー!」


ニーニャからまた俺に抱き付いて来て、蓬田さんが誘って来た!


其の代わり、蓬田さんから解放去れたニーニャが其の場にヘタリ混んで、ぐったりして口から謎の何かが出ようとしていた!


「ニーニャよありがとう、キミの犠牲はムダにはしないだろう・・・。」


其の時、ニーニャの口から出ようとしていた謎の何かが口に戻り!


「まだ死んでないだに!」


と復活した!


「それでは行きますわよお姉様!」


「え!?」


「ちょっと待ちなさ~い!」


と北条さんを振り切り

俺は蓬田さんに腕を捕まれ、北条さんの家から連れ出された。小柄な蓬田さんの体の何処に、此だけの力があるのかと思う位だ。

蓬田さんのくせ毛のツインテールの髪が、腕をかすめる。無邪気に喜ぶ蓬田さんの顔を見ていたら、すっかり毒っけが失せて、全てから解放された気分に成った。

そして俺は抵抗を止め、蓬田さんと井の頭公園に来た。


「お姉様とデートだわ!」


「うん。」


「ねえ、お姉様?」


「え?」


「此からも深雪と一緒に居て下さいね。」


俺は其の返答に少し戸惑った。

何時かはこの時代から去らなきゃ行けないからだ。ふと、1年後の紗理奈と北条さんに別れた時を思い出し、それとこの公園の風景を見て切なくなり


「うん・・・」


と消えそうな声で応えた。


「どうなさったの?急に?元気がありませんよ。」


「大丈夫、心配ないよ・・・・行こうか。」


「はい!」


俺達は北条さんの家へ戻った。


が!?


玄関には仁王立ちする紗理奈と北条さんが、待ち構えていた!


「空渡!?リーナさーん。蓬田さんと何処に行ってたのかしら~。」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


「変装もしないで心配したよ~。」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


なんか怖いぞ!


「お姉様とデートしてたの。」


と蓬田さんが自慢気に言うと


「何ですってぇ~。」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


と北条さん!怖い!


「すいませんでした!」


と北条と紗理奈に平謝りをして

難とか許してもらった。


ふう~


「それではまた来ますわね!お姉様!」


「うん。」


と蓬田さんは去って行った。


「随分と親密成ったね。空渡君!」


と紗理奈が睨んだ。


「気のせい気のせい。」


とかわした。


蓬田さんが帰った後


「取り合えず蓬田さんの件は安心ね。」


と北条さん


「だけど未だアルスナーダのモンスターが、何処から何処に現れるか解らないね。」


と紗理奈


「1年前だと未だ井の頭公園の池の中に、円陣が現れてないはず。

だから今考えれるのは、学校の中庭にある円陣だ。」


と俺は皆に言った。


「学校で四六時中、監視する訳には行かないわ。学校にこっそりカ

メラを仕掛けましょう。」


と北条さんが提案した。


「其には及ばないぞ、亜里査よ!学校の監視カメラで私が監視しよう。」


とガイバーンが申し出た。


「任せるわね、ガイバーンさん。」


と北条さん


「うむ!」


「あたちも手伝うだに~!」


「ダメよ、ニーニャちゃんは北条さんの所で、メイドの仕事を任されてるんでしょ。」


と紗理奈が諭した。ニーニャを危険な目に遭わせない、配慮も込めてなんだろうね。


「解っただに!メイドの仕事をガンバるだに!」


「所で其処にあるスケッチは何?」


と紗理奈が北条さんの机の上の絵を指差して言った。


「あ~、此は空渡君に着てもらう、スーバーヒーローのコスチュームのデザインスケッチよ。」


と北条さんが嬉しそうに言った。


「うわ!ゴスロリみたいな恥ずかしい服だなぁ!」


「良いじゃな~い。」


とガラナが気に入ったみたいだ。


「此で戦って貰うわね。それをガイバーンさんにマテリアルチェンジして、変身させてと頼んであるのよ。」


更に北条さんが言った。


「任せておけ亜里査よ!」


とガイバーン。余分な事を!


「所で中山さん?帰らなくて大丈夫なの?」


と北条さんが紗理奈に言った。


「北条さんが空渡君に変な事しないか監視しないと。」


「いやね、私はただ此から空渡君にこのコスチュームを着てもらうだけなのよ。」


「えー!それ着なきゃダメなの?」


「裸で私を・・・・。」


「解りました!着させて頂きます!」


ぐぬぬぬぬぬ!

またこのパターンかい!


「それじゃ現れて下さい。ガイバーンさん。」


「うむ!」


目の前に女の子ガイバーンがマテリアルチェンジして現れた!


「え!何で!俺以外じゃ現れないはずなのに!」


「愛の力よ。」


と北条さんが嘘臭い真顔で言った。


「何か間違った愛の力じゃ!?

と言うか、北条さんの場合は邪念の力では!」


と俺は北条さんに言うと


「気のせいよ。」


と冷静に答えた。


北条さんの顔を見ると、気のせいじゃない気がして成らないんだけど!


あれ?半笑い!?

「それじゃ空渡君、マテリアルチェンジバルキリースターと、叫ぶのよ。」


と北条さんに指示された。


「マ、マテリアル、チェンジ、バルキリースター・・・・」


と俺が言うと学生服が光と共に粒子化して、北条さんのイラストのコスチュームに再構築した。


「この服白じゃ目立つんじゃ!」


と俺は北条さんに言うと


「仕方ないわねぇ。それじゃガイバーンさん。」


「うむ!」


ガイバーンは服を黒にマテリアルチェンジした。

ふと、時計を見ると午前1時を過ぎていた。

其の時、スマートホンでSNSを

閲覧していた紗理奈が


「大変!吉祥寺のお寺で怪物を見たって書込みがあったよ!」


と慌てて言った!


「空渡君!早く行かないと!」


「ガイバーン!飛行形態だ!」


「ダメよ!空渡君は外に!ガイバーンさんは外で打合せ通りにバイクに!」


「了解!亜里査!」


「え!?何でバイク?」


「いいから早く!」


俺は北条さんに急かされ、バイクのガイバーンに股がり、取り合えず、近くの井の頭通りに出た。


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