Make Sushi Great Again
ここは寂れた回転寿司屋。寿司を乗せるレーンは動くこともなくさび付き、さび付いたラストベルトと呼ばれている。この店は近隣の大手チェーンに客を取られ廃業の危機にあった。しかし寿司側としても、廃棄処分はされたくない。そこでアイデアを出し合うことになった。
みんなの人気者、マグロはこう言った。
「我々のメニューの多様性こそが、まさに寿司屋の力である。もっといろんなメニューを作って集客すべきだ」
しかし、もう一人の人気者、いくらはこう言い放った。
「ハンバーグ、納豆、河童、このような海鮮類とは言えない寿司が跋扈することにより寿司のレベルが下がっている!彼らがマイナーネタの食べられる機会を奪っているのだ!私がリーダーになったら回転レーンからハンバーグ、納豆、河童を追放する!そしてマイナーネタに再び活躍の機会を!Make Sushi Great Again!」
マグロやイカ、サーモンなどの人気ネタたちは、いくらをバカにした。
「いくらはいくら、マイナーネタたちに積まれたんだ?」
しかし、ふたを開けてみると、いや回転すしにふたはないのだが、いくらがリーダーに当選した。メニュー票の隅でしょげていたマイナーネタたちの票を集めた形だ。
「公約を実行する!」
こうしてハンバーグ、納豆、河童は追放された。たとえ緑の皿グリーンディッシュに乗っていても、だ。ひどい話である。
マグロ、イカ、サーモンたちは抗議活動として回るレーンの上でデモをした。
「あっマグロだ!」
マグロたちは子供に食べられてしまった。ハンバーグ、納豆、河童がなければ、次に誰が食べられるかなど、わかり切ったことだっただろうになあ。
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