好きと言えるまで

私は未だに先輩に言葉で好きと言えていない。言いたくない訳ではない恥ずかしいくて言えないだけ。先輩はゆっくりでいいよと言ってくれるが好きな気持ちを今すぐにでも口にしたい。

なにか言えるチャンスはないのかな…。

「愛華?なにか悩み事か?」

「だ、大丈夫です!! 」

か、顔凄い近い。

「愛華、原稿用紙…」

原稿用紙を見ると万年筆のインクが染みてダメになってしまっていた。インクが染みてしまった原稿丸めゴミ箱に入れようと先輩の方を向く。

「愛華…愛してる…」

「ッツ!!????…ば、バカなんですか!!」

愛してるって言ってくれた先輩に向かってインクが染みてしまった丸まった原稿を投げてしまった。

「あ、先輩…」

「ったく、本当に愛華は可愛いなー」

先輩は気にしてないようにインクが染みてしまった丸まった原稿を拾いゴミ箱に入れてくれた。

「先輩…私…先輩の……こと……す、す…」

言いかけた時先輩が頭を撫でてきた。

「言えるようになるまで…大丈夫、待つから、それまでは俺がたくさん、言ってやる。」

あぁ…そっか…私が好きだって言わないだけで先輩は苦しいんだ…。

言えるようにしたい。

言えるようにして先輩に喜んでほしい先輩に力いっぱいぎゅーとしてほしいと思った。

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