最悪な状況
乗り物で酔ってしまい。愛華が飲み物を買って来てくれる間少し休んでいた。やはり絶叫系は辛い。
「あ……吐きそう」
「大丈夫ですか?…」
俯いていると綺麗な声が聞こえた。顔を上げると心配そうにこっちを向く女の人がいた。
「だ、大丈夫です…少し乗り物に酔っただけなので…」
「そうですか……あ、よかったら薬持ってるのでこれどうぞ?」
そう言って渡されたのをありがたく貰った。
「お連れさんとかいないんですか?」
この人、すごい心配してくれてる。愛華とは違うな…。
「今、飲み物買ってきてくれていて。」
そう言うと彼女は周りを見ていた。それらしき人がいるか確認しているのだろう。
「よかったら、お連れさんくるまで付き添いましょうか…?顔色かなり悪いですし。」
「大丈夫です……うっ…」
吐きそうになる。
「大丈夫じゃなさそうなのでいますよ。」
そう言って彼女は俺の隣に座った。
「すいません…ご親切に…」
そう言うと彼女は全然気にしないでくださいと笑った。この人1人で遊園地来てるのか?
「あの…失礼ですがお1人ですか?」
「はい…実は彼氏と来る予定だったんですけど来れなくなったらしくて、券勿体ないったので来たんです。でも、案外一人もいいですよ?」
一人で遊園地って寂しいな…。
急に吐き気が襲ってき俯くと彼女が背中を摩ってくれた。
「すいません…」
後ろからなにかが落ちる音がした。振り返るとそこには唖然とした顔をした。愛華が立っていた。
「あ、愛華、ありがとうな、ん?…どうした?あ、この人のことか?」
愛華は俯いていた。気持ち悪さを我慢し愛華に近く肩に手をやろうとした瞬間愛華に手をはらわれた。愛華は帰ると言い走って行ってしまった。
「なんだか、すいませんでした。お連れさん、なにか勘違いされたみたいで…私、これで失礼します。」
そう言い彼女は去っていった。俺は一人になりトボトボと歩き始めた。なぜか愛華に手を払われたのがショックのあまり気をつけていってね?気持ち悪さがどこかえいった。
気がついたら愛華……先生の家の前に来ていた。インターホンを押す。返事なし誰も出てこない。
「使いたくなかったな…ここで使うべきなのか…」
ポッケからだしたのは安達家母に秘密に貰った合鍵だ。たまに愛華が小説書くのが嫌で自分以外誰もいなかったら開けない可能性があるからと言うことで貰ったのだが…。
「……はぁ…」
誤解をしてるらしいから解かないとこの先バイトに支障が出る。仕方なく合鍵で開けて入ると愛華が今日履いていた靴があった。
いるのか…。
リビングにはいなことを確認し愛華の部屋へと行く。開けると愛華…先生は机に向かっていた。
「どうやって入って来たんですか。鍵はかかってたはずですけど」
先生からの冷たい言葉…
「合鍵を預かっていたんで、それで」
冷たい空気が流れる。
「んで、何の用。」
ベットに移動をする先生。床に俺は座る。
「なんか、誤解していたみたいなので、解きに来ました。あの人は顔色が悪い俺を介抱してくれたんです。俺、絶叫系ダメで…」
「無理して付き合ってたの。」
「違います!先生が遊園地初めてだって言ってたので、できるだけ好きなとこたくさん回りたいなって思って…目、キラキラしてたので…尚更…」
先生は恥ずかしいそうにそっぽを向いた。
「……ありがとう…ごめんなさい…」
素直じゃないな…でも、これが愛先生か。あれ、先生の服いつものになってる。
「先生、服脱いじゃったんですか?」
「うん、なんで?」
「似合ってたので、とっても」
「なっ!…なわけあるか!」
あるのにな……また、愛先生とデートできるといいな、今度は遅刻せず楽しく。
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