プレゼント
「ん……ふわぁ……」
「お、起きましたか、先生?」
あれ…光永先輩がいる、ってことはもう昼過ぎなのか。
「叔母さん、さっき仕事に出てましたよ?
仕事?今日は休みの日じゃなかったかな。
確か夜に明日の昼から出かけるって言ってたな。
「今日は休みですよ…母さん…」
「そうなんですね。あ、先生、小説読ませていただきました。もうすぐ近藤さんが来ますよ。」
近藤さん?…てことは16時過ぎ?早いな…
てか、勝手に読んだのね…
確かに机の上に置いてあったはずの原稿用紙がテーブルの上に移動していた。でも、机の上に置いてあった完結している原稿はケダモノ鎖じゃなく学園ものの恋愛物語だ。
「先生、昨日の電話すみませんでした。」
「なんで?」
「ネタに行き詰まっていたんですよね?気が付かなくてすいません。」
「…気にしなくていいよ?一つ気づけたからさ」
ケダモノ鎖以外の作品を別に書いちゃいけない訳では無いという事に気がついた。気晴らしに書こうと考えていたらケダモノ鎖で書けなかったはずの恋愛がなぜかかけたのだ。別に妄想が足りなかったわけじゃなかったらしい。一つの作品をずーっと書いていればたまには他のものが書きたくなるものだ。それをしなかったから書けなかったんだ。
「息抜きに他の書くのがいるみたい…さーって!後近藤さんがくるまで30分かな、まぁ、足りないかもだけど書き上げてみせるよ。」
「はい!お茶いれますね!」
「うん、ありがとう」
椅子に座り机の引き出しからケダモノ鎖の途中書きの原稿を取り出す。夜とは違いアイデアが出てくる。書ける。やれる。
ペンを持ち書いていく。久しぶりにかなり早く文字が書ける。後四枚…三枚…
「終わったー!」
「先生、お茶どうぞ、」
伸びをすると光永先輩がお茶を渡してくれる。
「ありがとう先輩。そうだ、そこにある原稿あげますけど、いりますか?」
「!!いります!貰えるんですか!!」
すごく嬉しそうだな。よかったよかった。
「先生からのプレゼントだ!!」
無事に原稿は渡すことができその後は母さんが今日は出かけていたから太陽と直人と光永先輩と一緒に食べた。
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