悲しい顔の理由
一万部で喜んではいけない。もっとがんばってたくさんの人に読んでもらいたい。ご飯を食べてからはお風呂に1番に入り部屋で小説の続きを書いていた。だけどどうしても恋愛部分が書けなくて困っていた。前までは妄想でかけていた。妄想対象が少ないのか!?クソ…それとも萌か!?いや…でも…はぁ…ダメだ…作家なんかならなければよかったのかな…でも、なりたかった。やっとなれた。逃げたくないやれる所までやっていきたい。
隣に置いてあった携帯から無料連絡アプリの通知音がなっていた。見てみると光永先輩からだった。
『大丈夫ですよ、先生の小説は面白いですし泣けます。読者が言うんですから確かです。もし、今日みたいにいきずまってペンが止まっているのならいつでも行きます。連絡してください。俺は先生のネタ作りを一緒にやりやたいんです。』
なんというタイミングの良さ…
「ネタ作り……」
頼っていい人がちゃんといる、なら、困ったら頼らないと頼らずにやって失敗して潰れたら終わりだ。今の状況で上手くいくわけがない。なら、他の策を練ればいい。
返信しようと文字を打っているとまた、光永先輩から届いた。
『一万部おめでとうございます。これからもがんばってください。』
そう言えば…なんか、悲しい顔してたな…。
気になる…よし!
光永先輩に電話を掛けた。
「…はい、もしもし、先生からなんて珍しいですねこんな時間にどうしたんですか?」
いつもと変わらない声でもどこかやっぱり悲しそうな感じががあった。
「本当はあんまり嬉しくなさそうだね。」
少し間があった。なにか思う事があるのだろうか…
「先生の本が一万部行ったのは嬉しいです。でも、近くにやっと見つけた愛先生が別次元の人になったんじゃないかって思ってしまって…」
「………バーカ、なわけあるか!別次元!?逆に行きたいくらいだよw」
「…俺も一様作家の端くれなんです。年が二つも違うのにすごい才能があってそれが評価されている。俺はそれが羨ましいんです。」
作家の端くれ……微笑ましい…。分かる気がする。
「なら、なんで評価されないのか一緒に考えよ?もしかして小説の構成が変とかあるかもだしさ!」
「はい!」
電話をきり自分の言ったことを後悔していた。ネタ作りのこと話してないことに気がついたのだ…まぁ…なんとかなるか…
今の光永先輩を私は知ってる。コンテストに落ちて泣いてた私だ…。懐かしい…今もあんまり変わらないか。でも、近くにいるのに遠い存在か…変な言葉…
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