遠い存在

今日は先生が学校に行っていた。最近、あまり学校に通えていないらしいから少し心配だ。学校が終わってからすぐに帰ってしまっていた。まぁ、先に帰られてたから先回りして部屋で待機という名の先生の新作が少し書かれた原稿を読んでいた。やっぱり泣ける。最高、でも、これでダメとか…。差を感じる…。年が二つも違う女の子強くてカッコイイ…なのに…俺は…


先生が帰ってきた。着替えるということでリビングに行くことにした。愛先生の担当編集者の近藤さんが親御さんと話していた。


「あ、光永くん、先生の小説が一万部突破だよ!!」

あぁ…また…差ができた…。


愛先生は近くにいるのに存在が凄く遠く感じる。

一万部行ったことを知らされた愛先生は喜んでいるのに俺は悲しい顔をしているだろう。

先生に追いつきたい。追い越したい。追い越せなくてもいい同等の立場になりたい…。

夜は、先生の家で食事をした。もちろん、親父と、母さんには連絡をいれた。先生の家は先生が作家になってから安定してきたらしい。そのお陰でキツキツに仕事をしていた先生のお母さんも楽になり子供との時間が増えたと言う。

最初はただの学校の後輩が好きな作者さんで……作家になってて、俺はそのお手伝いで…

元々遠い存在だったのにいつの間にかもっと遠くに…いる存在に変わっていってしまう…そんな夢を見た…。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る