くだらない毎日の変化

俺にとって小説が全てだ。後はどうでもいいことだ。例えば家、主に家族。俺に興味はあるが基本的に重要なことしか聞いてこない。

朝食は必ず家族全員で食べる。その時に親父が今日の予定は?と聴いてくる。俺はその言葉になにもないと言う、なにかあったら連絡します。と毎日同じ言葉を並べる。母は毎日違うことを言う。今日はお隣の人と食事に行きますとか。1人で買い物とか。母さんは優しいだけど嫌いだ。親父の実の兄と不倫しているからだ。親父は会社の女。よくある話だ。

「ごちそうさま、行ってきます。」

朝食が喉の奥で止まっているから牛乳で流し込む。ここの朝食は本当に嫌いだ。吐き気しかしない。

いつもの様に自転車に乗り駅まで向かう。途中で昼食を買い駐輪場に自転車を止める。普通ならそのまま駅、だが、俺にはやることがある。駐輪場の裏に行くと何匹かの猫が出てくる。昼食を買ったレジ袋から猫缶を出す。 猫は大好きだ。癒される。

食べ終わった猫から喉を鳴らし擦り寄ってくる。その猫達を撫でていくのが日課だ。

猫達に別れを告げ駅に向かい改札を通り電車に乗る。いつもの様にイヤホンで音楽を聴いている。

今日はやたらに混んでるな。香水くせぇ…吐きそう。俺は音楽に集中することにした。



なんだ?もう少しで降りる駅というとこで隣にたっていた。女から殺気を感じた。

彼女が向いていた先にいたのは…


「ッツ!?」

俺だった。


なんだこいつ人を睨みやがって。めんどくさいのはお断りだ。するとその女は俺の方を向いてきた。

なんだよ……。


「あの、痴漢やめてあげてください。」

は?痴漢?


俺が?


「おい、誰が痴漢なんか…」

イヤホンをとり言葉を発した瞬間気がついた。“俺の体”を誰かがまさぐっていると……


「警告はしました。失礼致します。」

一瞬のうちに俺の体をまさぐっていた手がなくなり男が彼女に取り押さえられていた。

しかも、彼女が着ている物が見た瞬間気が付かなかった。まさか、自分と同じ高校の制服だなんて。


俺と痴漢男と彼女は近くの駅で降り警察へ行った。事情を聞いた途端寒気と吐き気が起こった。俺が乗った駅から付いてきていたらしい。彼女にお礼を言おうと話しかけると。

彼女は失礼します。と言って学校へ行く電車に乗っていた。俺も連絡先を書きなにかあったらここに電話ください!と警察官の人に叫び走って電車に乗り込んだ。

彼女は驚いていた。


「えっと、なんですか?」

不思議そうな顔をしている彼女に制服を指指すと。また、驚いた顔をしていた。

「同じ学校の人だなんて…しかも、先輩だなんて…大丈夫でしたか?」

彼女は長い髪を耳にかけながら聞いてきた。そう言えば、さっき男を取り押さえる時も思ったが、身長ちっせぇ……

「あの……?」

「ああ!大丈夫だよ、ありがとうな?助けてくれて、でも、凄いな、大人の男相手にあそこまで。」

「そうですか?あ、多分それは、趣味のせいかと。」

彼女は武道が好きらしく小さい時からやっているらしい。女でここまでは凄いな。

「あの、先輩は本、好きですか?」

「好きだぞ?なんでだ?」

「私も好きだんです!」

「そうか、話し合うかもな、そうだ、授業終わったら図書室来いよ。語ろうぜ」

「はい!」

俺らしくない、まぁ、助けてもらったしな、そのせいだろ


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