睡眠不足で自爆した

話によれば僕は彼らの前で何か危害を加えられたわけでもなく、しかしいきなり道路にぐにゃりと倒れ込んだので、自分たちが暴力をふるったと勘違いされるのを恐れて逃げてしまったらしい。

何故それがわかったかと言うと、残ったアンジー似の女性が

「俺がやったんじゃない!」

と叫びながら逃げていくのを見ていたからだった。


僕はそういうわけで、アンジーの家にいた。

信じられないが、アンジーの家にいた。

部屋はいい匂いに包まれていた…そう書いたら評判が良くなりそうだろう。


だが、百歩引いてもそこは譲れない。

アンジーの部屋は臭かった。そして臭いということはやはり、部屋は汚れていた。

臭いのが何の匂いのかもはやわからなかった。むしろ無機物的な臭いがするのだが、床がペタペタしていた。


だから最初、怖いお兄さんたちに監禁されたのかと思った。


アンジーは僕が目を覚ますとにっこりと天使のように微笑んだ。

そして数分ほどすると、その臭いがツンと鼻をかすめたのだった。

微笑みが1/4ほど霞んだ。

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