第20話 第二龍騎士
「あのー、ミーナ」
昼食後ソファーで座って本を読んでいる私の横になぜかタケルイが私の横に座っている。タケルイはいつもは執務行をしているのに。
「ん?」
「あのミーナは、どんなタイプの男性が好きなんだ?」
「……?」
「イヤ、大人の男性なのかなあと思って。そ、そうなったら、私はどうすることも出来ない。私はこのままの姿で年を取らないから」
タケルイがどうしてそんなことを言うか分からないけれど、龍騎士って龍騎士になった時点で年を取ることがなくなる。タケルイは、この十八歳のままの姿。少年と青年の間の姿。
「じゃあ、私もこの姿のままなんだ」
「ああ、確かミーナは、十六歳だったよね」
美奈は十八歳だったけど、ミーユは十六歳。
「うん」
「不思議なものだな。年を取らないなんて、不思議だ。子ども達が我々より年を取る」
「っえ!? 子ども? 私達の子ども?」
そうよ。それって重大なこと!
「……ミーナ。ミーナ私を見てくれ。龍姫と龍騎士には、残念ながら子どもが授からない」
「っうっ、嘘!?」
私の顔はかなり引き攣っている。
「嘘じゃない。私達には子どもが出来ない」
「っうううぅぅぅぅ……」
私の目から、次々と涙が零れた。
「ミーナ子どもの代わりに私が側にいる。ミーナには、他にも三人も龍騎士がいるんだ。龍も三匹。子どもが出来ない苦しみも分かる。私もミーナとの子どもが欲しい。でも仕方ないことなんだ。私がミーナを子どもの分愛するよ」
私はタケルイの胸で泣いた。どの位泣いたか分からない。彼に抱かれていると落ち着いた。
「愛している。こ、こんなに胸が裂ける気持ちを私は、知らない」
「タケルイ……」
私は涙を拭きながらタケルイを見つめた。
ーータケルイも悲しいんだ。
私がどんなに意気地になることは、お互いのためにならないと思う。どうしても、私とタケルイは「龍姫と龍騎士」だから。
「タケルイ、私、私、まだきちんと心の整理が出来てないけど……あ、あの、私もきっと龍姫のせいかもしれないけど、タケルイと一緒にいるとドキドキするの。一緒に話をしていて、楽しいの」
タケルイがビックリした顔をして、ふにゃーと笑った。本当に「ふにゃー」と笑ったの。
私はきょっとんとして、彼の顔を見つめる。
「……う、うっ、うう~ん、あっ、ああ~」
急にタケルイの唇が、私の唇に重なった。
「あっ、うっ、う~ん」
息が出来ない。ウソ~! タケルイの舌が、く、口に入ってく、く、くる~。あ、私の舌と彼の舌が絡み合い。だ、ダメ頭が、ぼーとするし、息が出来ない。
「はっ、ああぁぁ、うっ」
タケルイの息が、私に入ってくる。
「っちょ、ちょっと、まっ、待って!」
タケルイの手が、私の胸を触り始めた時に私は、ハッ!として力いっぱいタケルイを押す。
「はあ、はあ、はあ」
私は思いっきり空気を飲む。
「ちょっと、いきなり何をす、するの!?」
「ん? キス。愛を確かめるキス」
「そんな、急にキスなんてするもんなの?」
もしかしたら、この世界は性とか欧米のように開放的だったりするの。それだったら、ど、どうしよう。私って三人の人とそ、そんな体の関係を。私、そんなに体力ないと思う。
「まあ、ミーナはまだ十六歳で成人したばかりで、こう言うことに慣れてないかもしれないけど。少しずつ慣れていってくれよ。やはりこうしてミーナとキスが出来るなんて最高だな。なんか力が沸いてくるような感じがする。これが龍姫と龍騎士の関係なのか?
それだったら本当の夫婦になったら、どれだけの力が出るんだろう。ミーナ試してみるか」
彼から距離を置きたいのに抱き締められているから、逃げられない。
ーーど、どうしよう。
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