24:ケツノアナ

 「げほっ、ごほっ……んっ、んぐっ……❤ う、うぅ……❤ はぁ、はぁっ……❤」

 

 いつもよりハートマーク多めな声――というか咳が、ユウの部屋に響き渡っている。

 

 「はぁーっ、ンっ……❤ げほげほっ、ひぐっ……んんぅ……っ❤ ……チーン!」

 

 あ、鼻かんだ。

 

 今日、やたらにユウが起きるの遅かったので、おかしいとは思ってたんだけど。

 

 どうやら病気になってしまったらしい。しかも、風邪じゃなくインフルエンザ。

 

 午後になってもパジャマのまま、ユウは布団に横たわっている。顔が、トマトみたいに赤かった。

 

 「ユウ、治ってないみたいだな。だいじょぶか?」

 「あ、お兄ちゃ……ん! ごほほっ……んンっ❤ ごめん……ま、まだだめ、かも……っ❤」

 

 咳混じりに喋っていて、とても辛そうだ。

 

 「病院行ったんだよな?」

 「うん、お母さんと行ったよ……❤」 

 「ふぅん。で、インフルエンザだって? 体つらいだろ?」

 「うん、そうなんだ……❤」

 

 ユウは、元気なさそうにうなずいた。

 

 「なるほど……こないだ、朝会でインフルエンザがどうとか言ってたのは、伏線だったわけか……」

 「そ、そんなんじゃないよぉ……❤ ごほ、ごほっ……❤」

 

 五月にインフルが流行するって、ちょっとムリあり過ぎな気がするけど……。まぁ、細かいことは気にしないでおこう。

 

 「それより、お兄ちゃん……っ❤ お兄ちゃんにうつしたら大変だし、ボクの部屋から出たほうが……ぁ、はぁはぁっ……❤ いいんじゃないかな……❤」

 「何言ってんだ。お前をほっとけるわけないだろ」

 「で、でも……❤」

 「いいから、ユウは自分のことだけ考えてろって」

 

 息絶え絶えで横たわるユウ。そんな彼の手を、優しく握った。

 

 「お、お兄ちゃん……もう、ボクの言うこと、聞いてくれないんだから……っ❤」

 

 苦しそうながらも、にこっと笑うユウ。

 

 汗で髪の毛を乱し、顔を真っ赤にして弱っている。そんな姿が、普段より可愛く見えた。ちょっと不謹慎かな?

 

 「んんっ……ごほんっ」

 

 と、咳払いで誤魔化す。

 

 「あぁっ、お兄ちゃんにもうつっちゃった!? ご、ごめんなさいっ……❤」

 「違う違う!」

 

 焦りまくるユウの頭を撫でた。

  

 「……あ、そろそろ薬飲まなきゃ。お兄ちゃん……ん、ごほっ、ごほっ……悪いけど、とってもらっていいかな?」

 「いいよ。なんなら飲ませてやるから、ユウはそのまま寝てれば」

 「ありがとう……❤」

 

 と、ユウは布団の中に縮こまった。目だけを、かけ布団からちょこんと出している。

 

 「……っ」

 

 可愛さに気絶しそうになるのを耐えつつ、薬のパックを漁る。

 

 「あれ? ユウ。この薬ってさ」

 「どうしたの、お兄ちゃん?」

 

 ロケット型をしたその薬を、手にとった。

 

 「……飲み薬じゃなくて、座薬じゃん」

 

 と、ユウの顔が、一挙に真っ青になる。

 

 「えっ……!? そ、そうだったの!?」

 

 座薬。つまり、口からじゃなくて、肛門に挿入するタイプの薬だ。

 

 ということは。

 

 ユウは、これからお尻を晒して、狭い肛門の中にこの異物を挿入しなくてはいけない――ということになる……。

 

 「うわ~、座薬とか超ヤダよな……。気持ち悪くね?」

 「う、うん……はぁ、はぁっ……そ、そうだね」

 「あ、そうだ。自分だとやりづらいだろ? お兄ちゃんがれてやろうか?」

 「……え、ええええっ!?」

 

 ユウは、緩慢な動作で首を振った。インフルのせいで、まともに体を動かせないようだ。

 

 「い、いいよぉっ、そこまでしてくれなくて……はぁ、はぁーっ……❤ そのくらい、自分で……ごほっ……できるからぁ♡」

 「ふーん……その体でか? 遠慮するなって。別に恥ずかしくないからさ」

 

 ユウの布団を剥がし、脚を「M」字上に開かせる。

 

 ふふふっ……これは役得だぜっ。

 

 俺の鼻の穴が、ぶわっと大きくなり、鼻息が荒くなっていた。

 

 「うわーんっ!? ちょ、ちょっと、こんな格好っ……❤」

 「こら、暴れるな!」

 

 ユウはもぞもぞ動いて抵抗した。けど、体力のない状態だからか、大して力は強くない。

  

 ぐぐぐぐっ……と、膝を開かせた。

 

 「いやぁぁぁぁぁぁぁっ……❤」

 

 うわぁ……。何この鬼畜な光景。でも勘違いして欲しくない。これはあくまで、弟のためなんだから!

 

 「まったく、何が恥ずかしいんだか……ただの座薬だろ? ほら、いくぞ!」

 「んひゃぁっ!?」

 

 ずるっ!

 

 と、一気にズボンとパンツを下ろしてしまう。

 

 瞬間、俺は鼻血を吹きそうになった。

 

 完璧なまるみを帯びた太ももとお尻……そして、真っ白い肌。

 

 「おっきな和菓子です」と言われたら信じてしまいそうなほど、綺麗なユウの肢体がそこにあった。

 

 「……べ、別に、弟の下半身丸出し見て、俺は恥ずかしくなんて思ってないからな!」

 「お兄ちゃん、何言ってるのぉっ……?❤」

 「ほら、それより座薬だ。ケツの穴開け、ケツの穴!」

 「ふぇぇぇぇぇっ……❤」

 

 お尻の間には、きゅっとすぼまったユウの肛門があった。

 

 そのキュートなお尻の穴は、さながら雪原に咲く一輪の菊のよう。……菊は、そんな所に咲かないだろうけど。

 

 「こ、これは……!?」

 「お、お兄ちゃん……そんなにじろじろ見ないでよぉっ……❤」

  

 ユウは泣きそうだった。

 

 俺も泣きそうだ。感動で……。

 

 ユウの肛門にゆっくり触れ、指の腹でマッサージしていく。

 

 「ふぁっ、ヤぁぁぁっ……❤ お、お兄ちゃん何するのっ……はぁっ、はぁーっ……やめて、やめてよぉっ……❤」

 「な、慣らしてるんだよ……。いきなり突っ込んだら、お尻裂けちゃうだろ?」

 「そ、そうらけどぉ……ふァっ❤」

 

 真っ赤になって、お尻を隠そうとするユウ。

  

 けど俺は、無理やり脚をがばっと開かせ、お尻が良く見えるようにする。そして、小指の先くらいの座薬を、ちっちゃな肛門にあてがった。

 

 「よ、よし……よしっ……! お、お尻の力抜けよ」

 「う……くぁ、ンっ……❤ ダメ、ダメダメダメだよぉ……っ❤」

 

 色っぽい悲鳴のせいで、頭に血が上っていく。血管が切れるんじゃないかと心配だ。

 

 それでも座薬は、押し込まれるごとに、徐々に呑み込まれていく……

 

 「よし、入る! 入るぞユウ!」

 「やァっ、気持ち悪いぃっ……❤ ヘンな感じだよぉっ……❤」

 

 ユウは、びっしり汗をかいていた。寝返りを打って、座薬から逃げようとしている。

 

 「我慢しろって、ほら!」

 

 指でぐっと押し込むと――

 

 ずぷっ!

 

 ついに、ぜんぶ、すっぽり、根元まで入ってしまった。

 

 「ンふぁっ……あああぁぁぁぁァ~~~っ……❤」

 

 と、ユウは真っ赤な顔で、へろへろした叫び声を発した。よっぽど、座薬が気持ち悪かったみたいだ。

 

 「ふぅ、よく頑張ったなユウ。気持ち悪かっただろ? えらいえらい」

 「……え、えへへへっ♡」

 

 湿った髪の毛をクシャクシャっと撫でると、ユウはすごく嬉しそうな顔をした。

 

 無理やり肛門をおっぴろげさせてしまったけど……ま、これで嫌われずに済みそうだな!

 

 あー……でも、敏感なお尻を触られて、ユウがホントに可愛かった。もう一回やってみたいなぁ……。

 

 ま、それはムリだよな、あははははっ。

 

 その時、奇跡が起きた。

 

 ――ぷりゅ、ちゅぽんっ!

 

 と、音を立てて、ユウの肛門から座薬が飛び出してきたのである。

 

 どうやら、くしゃみをした拍子に、いきんでしまったらしい。

 

 「あ、あ……ごめんお兄ちゃん。座薬、で、出ちゃった……❤」

 「まったく、何やってるんだユウ! はぁ~っ、しょうがないなぁ……こりゃ、もう一回戦だな!」  

 

 しぶしぶ、と言った口調で、でもほんとは内心ウッキウキで、俺は座薬と尻を掴んだ。

 

 「え、ええええっ!? もう一回!? ヤダ、やだよぉっ……あ、ァ!? ん、んぁぁぁァっ……ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ❤」

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