11:弟のなだらかな丘

 「くぅ~っ……」

 

 ユウは、ベッドですっかり寝息を立てていた。 

 「……ほんっと、アルコール分弱いんだな、ユウは」


 その日もやっぱり、チョコレートボンボンを一個食べただけで、ユウはすぐに寝こけてしまったんだ。

 

 「さて、今日もユウで遊ぶか!」

 「すぅ……すぅ……ん……」

 

 ユウは、アルコール分のせいか、まだ真っ赤だ。寝息も、なぜかセクシー。なんだか、淫夢でも見ているみたいに見える……。

 

 「はぁ、はぁ……ユウ……!」

 「んんっ、ん……❤」

 

 首すじをさすさすすると、ユウは身もだえした。眠ってはいるけど、くすぐったそうに目を細めている。

 

 あー……。

 

 もうダメだ。

 

 「んむっ、くぷ……! ぺろ、ぺろぺろっ……!」

 

 俺は、ユウの首筋やほっぺに、軽くキスしていく。


 柔らかくうす赤い皮膚が目の前に迫り、胸が熱くなる。

  

 「はんっ、ん、ン……っ❤」

 

 と、可愛らしい寝息。

 

 が。 

 

 「んー、なんかこう。もうちょっと、刺激が足りないかなぁ……?」

 

 ほっぺや首筋へのキス自体は、前からしている。

 

 それだけでも満たされるけど、もう少し、何かが欲しい気がした。

 

 「あ、そうだ!」

 

 思いついて、俺はユウの制服に手をかける。

 

 ぷち、ぷち……とボタンを外していく。

 

 ワイシャツを脱がせると、今度は下のシャツまでペロッとめくってしまう。

 

 そこには、透き通ったような白い肌のエルドラドがあった。

 

 「うぉ、お……白っ……!」

 

 きゅっと締まったスリムなお腹は、雪原かと見まごうくらいにいちめん白い。

 

 「ふおぉぉぉっ、ユウっ……!」

 「ン、あぅっ……❤」

 

 すべすべなお腹に、頬をこすりつけてみる。

 

 やべぇ、これはハマるわ……!

 

 調子に乗って、俺はもっとシャツをめくる。

 

 すると、

 

 「こ、これはっ……伝説の……!?」

 

 ユウのなだらかな胸が、目の前にコンニチワしていた。

 

 その先端には、ぷっくりした突起物が――

 

 「うわ、ぁ……っ……! な、なんだこれ……!?」

 

 あまりにも綺麗なので、ため息が出た。

 

 弟の胸を――だなんて、ためらいもないわけではないけど。

 

 思い切って、その胸を揉んだ。

 

 「うわぁ、やわらか……」

 

 女みたいに膨らんでたりはしないが、そもそも弟の肌は全体が柔らかい。とうぜん、胸も例外ではなかった。

 

 「す、すべすべする……」

 

 触っているのは俺なのに。逆に、こっちの手が舐められているような感触だった。柔らかくて、胸がざわざわする。

 

 むに、むにっ……と、胸をすくうように包むと、

 

 「んぅ、ふぅぅ~……っ❤」

 

 ユウは、艶っぽい息を吐いて、ベッドの上で身もだえした。

 

 「うわ、声すご……。くすぐったいんかな?」

 

 ユウの反応が面白く、俺は調子に乗る。

 

 手でこねくり回したり、優しくさすると、

 

 「んん、んふっ……❤」

 

 と安らかな寝顔になる。


 ちょっと強く、胸全体をしぼると、

 

 「はぅっ……ンっ、ぅぅ~っ……❤」

 

 少し苦しそうに、ぎゅっと目をつぶった。いずれにしても、聞いてるだけで人を発情させそうなえっちぃボイスは変わらない。


 なんて罪な弟なんだ……。

 

 いや罪に問われそうなのは、どちらかと言わずとも、俺だけど。

 

 「く! ここまできて、止められるか……!」

 

 ユウの胸の突起物を、きゅっと摘んだ。

 

 すると、


 「んんんっ! あぅぅぅ~~~っ……❤」

 

 ユウが大きな声を出して、胴体をビクンッとえびぞりにそらしてしまった。

 

 「やべっ……」

 

 お、起こしてしまった?

 

 でも、ユウはまだ寝ぼけて、完全には起きてないようだ。

 

 その隙を突き、俺はしのび足で、ユウの部屋から脱出することに性交……じゃなくて、成功した。

 

 扉の向こうから、くぐもった声がする。

 

 『あれ……ボクまた寝ちゃってたんだ。しかも、お腹出してるし……バカだなぁ、ボク』

 

 すまない。それは、両方ともお兄ちゃんのせいなんだ……。

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