第四章 いやお前かよ

4-1

 はて、最後に女の子と電車に乗ったのはいつだったか。それはおそらく小学校の頃だった。それもまだ年齢が一桁のとき。何の用だったかは忘れた。

 さっきのブラコン妹といたときに、長いこと電車に乗ってゆらゆら運ばれた。予期せぬ事態である。何せ千葉まで行かされたのだから。千葉ってのは近いようで遠い。神奈川県からはわずかではあるが東京都を通った上で向かう土地だから、地図上の直線距離では大したことなくても道のりは遠い。そんだけ時間があればそんなことは俺の頭に浮かんでくる。それも、思い出そうとはしていないのに、思い出そうとしている。よくわからないし矛盾しているようにも見えるが、一言で表すならこんな感じだ。どうしたものかね。

 意図していないもどかしさが全身を襲う。意識が戻ってきたということだ。

 しゅたっ。

 両足が地面の感触をとらえる。転移に成功したようだ。さて、ではいつもどおり寝た振りをば。

 ……いやちょっと待て、静かだなここ。どこだここ。

 静かということは、駅に召喚された今までとは異なり、目を瞑っておく必要がないということでは?

 いや待て、落ち着くんだ。状況が違うからといって行動をすぐに変えてはいけない。そうやって焦ってもいいことはない。俺は黙って嗅覚を研ぎ澄ます。視覚が封じられたら鼻と耳に頼んで真相の解明を図るのが最善なのだ。五感の中でも視覚はそのトップとして君臨し続け、認識のほとんどを担っているが、第二、第三勢力はこの二つだと思っている。

 すんすん。目指すは犬の嗅覚。

 感じられたのは紙とインクの混じった匂い。独特の気持ち悪さと気持ちよさを兼ね備えた賛否両論ある匂いだ。個人的にはこの匂いは好きだ。なんか落ち着く。

 続いては聴覚。静けさの中に、レジ打ちをする音と紙をめくる音がする。この匂い、そして音がするのは全国でここしかない。本屋だ。

 つまり、俺はどこかしらの本屋にいるらしい。なるほど。

 じゃ、そろそろ起きますか……

 ゆーっくり、そーっと目を開けた俺の目に飛び込んできたのは、やたらかわいい少女五人組のイラストだった。

「あれ、新刊出てるじゃん」

 おおー、サンタさんナイス! ちょうど読みたかった漫画の新刊の目の前に召喚してくれたのか! いやあありがたいありがたい。そうだそうだ、いつも買おうと思って忘れてたんだった。これ買わないとなー。

 しかしここで俺は我に返る。今から俺は三人目とのデートに向かうはず。そこにこんな萌え成分全開の漫画を持っていっていいのだろうか。シンキングシンキング。欲望と外面を考えろ。

「よし、やめよう」

 やっぱりすべての人類がオタク肯定派とは限らないのが現実だ。しかも彼女候補三人のうち二人を棒に振ってしまった今、ここで希望を捨て去るのは危険だ。

 今度買えばいいさ、こいつは逃げない。自分に言い聞かせるようにそう三回心の中で言うと、俺は一歩を踏み出し――

「何をやめるんですか?」

 横から声をかけられた。びっくりしたあ。聞かれてたのか今の呟き。

 そうだ、俺が書店にいるのは何も来たくて来たわけではない。俺はまだ見ぬ女の子に呼ばれてきたんだ。つまりこの空間にはその子がいるわけで、今俺がこうしてかわいい四コマ漫画の前でうろうろしてたのも全て見られていたのかもしれない。そうなるとまずい。

「いやあ、別に……」

 とりあえず振り向かないでお茶を濁す。これが今から四時間を過ごす彼女候補になりませんように。

 しかし、この駆け引きには続きがあった。

「それ、面白いですよね」

 ん? 流れ変わったな。

「喫茶店でバイトする高校生の日常を描いたゆるくてふわふわした漫画ですよね。新刊出てたとは知りませんでした……」

「そうですよね!」

 俺は振り向いた。どうやら俺は駆け引きに勝ったのだ。女の子との駆け引き、そしてくじ運との駆け引きにも。

 サンタさんは趣味とかで付き合うのはなんか違うって言ってたけど、最初のとっかかりにはやっぱり共通点のひとつでもないと難しいよ。うん。今までの二人とは毛色が違う入りかただ。悪くない。

 ――と思ってたけれど。

 振り向いた俺は、流れをもうひとつ変えた。いやいやまさか。こんなことある? 俺のくじ運狂ってるだろ。

 目があった彼女もビックリしてるようだ。そりゃそうだよな。俺もビックリしたもん。たぶんおんなじような顔してるよ。その目を若干見開いた感じでね、口も半開きなね。俺はちょっと語ろうとしてたよ。その口のままかもしれないね。

 何せその相手が――

「ま……こと……?」

「み……づき……?」

 ――四年ぶりに再会する幼馴染みだったんでね。


 黒髪を肩の位置くらいまで伸ばした彼女は、当時から変わらないつぶらな瞳をまばたきせずにこちらに向ける。もこもこしたマフラーを首回りにまとい、黒いコートの内側からは白いワンピースが顔を覗かせている。少し大人っぽい。その下は灰色と白のチェック柄のスカートを黒タイツの上に穿いている。数年みない間に大分変わっていた。

「ど、どこからツッコみ始めればいいんだろう……」

 幼馴染みはあたふたしている。彼女は名を黒間美月といい、付き合いは幼稚園からだ。マンションも一緒――というか部屋が斜め上――のために家族ぐるみの付き合いとなっている。が、ここ最近はじっくりと会う機会はほとんどなく、疎遠になりつつあったのだが、まさかこんなところで。

「えっと……とりあえず私もそれ買うからさ、誠も買っちゃおうよ」

「お、おう」

 二人で一冊ずつ本を取ってレジに向かって歩く。おかしいな、この子はオタクとかそういう感じじゃ全然なかったんだけど。


「じゃあ…………久しぶり、誠」

「あ、おう……久しぶり」

 書店とは桜木町駅の改札の目の前にあるものだった。店の中は静かなのに、店を出れば普通にうるさい。これが本屋の魔力か。知らんけど。

 横に並んで立ってはみたものの、いかんせん状況を呑み込むのに時間がかかってしょうがない。とりあえず状況確認でもして落ち着くか……

「えーっと、どうしてここにいるの?」

「サンタさんのやつ」

「なんで俺に話しかけたの?」

「通知が来たから」

 QED。

「つ、つまり美月もいつかどっかでサンタさんに彼氏をお願いしたわけね」

「そう…………だね」

 世の中にはすごい偶然もあるもんだわ。

「誠は?」

「俺? 俺も同じ状況だからなー。何日か前に彼女欲しいって言ったらこうなってた」

「私と一緒じゃん」

 ふふふっ。笑えるくらいにはなってきたか。

「ちなみに、今まではどんな女の子と会ってきたの?」

「探偵と中学生」

「意味わかんない」

 激しく同意。

「真実はひとつだった?」

「さあな」

 事実が真実なら話は早い。でもそうとは限らないのが人生。浮気をしていなかったという事実がもたらしたのはどんな真実だったんだろう。あの旦那さんの奥さんへの愛は本物だったということか、はたまたあれは演じられた偽の心情なのかは誰もわからない。

 でも、問題はそこじゃなくて、そうやって面白い返しをしてくれるこの幼馴染みの方なんだ。この子は昔っからユーモアというか、味のある返しをするのがうまい。それは例えばこうやって一捻り入っていたり、はたまた含みを持たせて意味深に言ったりするので、会話をするのがいちいち楽しい。小学校の頃からそういうところの能力にたけていたが、高校生となった今でもそれは健在のようだ。

「探偵かあ……なんで探偵ってわかったの?」

「なんか見た目から探偵だった」

「探偵ってあの探偵?」

「どの探偵があんだよ」

「ほらあの……名前わかんないけどベージュだか茶色だかのあのコートを着たようなさ」

「ああうん、その探偵」

「え!? そんなザ・探偵みたいな人今のご時世にいんの!?」

「いるんだなそれが。俺もビビったわ最初」

「そりゃビビるねー。中学生の子は?」

「競馬場行った」

「意味わかんない」

 激しく同意。

「なんかお兄ちゃんが騎手やっててそれに付き合わされた感じ」

「何それ」

 知ってたら苦労しねえっつの。

「で…………どうだった? 彼女できそう?」

「まさか」

 俺は半笑いで答える。

「片方はただの採用試験だし、片方はただのブラコンだし、なんか違った。なんかっつーか全然違った」

「そうなんだ……」

「だからまあ、お前にかかってるようなもんだな」

「何それ」

 照れ笑い。

「で? どこ行くの?」

「あ、そうそう、実は私、夜ターンだけ桜木町選んだの。だからちょっと不安なんだけどさ」

「そうなの?」

「そう。今までは二回とも横浜だったの」

 なるほどね、夜にみなとみらいを攻めるとはなんて純粋な子なんだ。そうそう、俺が彼女持ったことないなりに妄想で考えるデートコースはこんなものだった。特にクリスマスのシーズンのこの近辺はイルミネーションだったりとか、リア充に向けての様々な粋な計らいがなされまくっているので、放っておいてもいい感じにはなるはずなのだ。はず、ね。検証ゼロ回だしわからないけども。

「じゃ、行こっか」


 なるほどあれがランドマークタワーか。デカい建物かと思ったら背が高いってだけじゃないか。思ってたのと違うじゃん。やっぱり妄想ってクソだわ。

「結構歩くんだよねー」

 美月は携帯を見ながら歩く。道くらい調べとけばいいのに。さっきの二人は道迷わなかったぞ。仕事だったり行き慣れてるみたいだったり迷う理由がなかったからな。

「どこに行くの?」

「お楽しみー」

 すっと振り返って見せる笑顔は一瞬で作ったと思えないほど明るかった。暗がりのなかでもその楽しそうな表情が見てとれる。なんだよ、結局面白がってんじゃん。

 薄暗い様子だった数十分前とは打って変わって、辺りは完全に夜になった。クリスマスイブイブというのもあって、ここにはほとんどカップルがいない。ちらほらいるにはいるがクリスマスほどの勢いはない。

 遊園地にあるでっかい観覧車が五時半を指している。のこりは三時間半。

「それにしても久しぶりだね」

「だな」

「家近いのにね」

「近いって斜め上じゃねえか」

「それもそうだね……」

「……」

「……」

 会話が続かない。あまりにも久々すぎて何を話していいのかわからない。話したいことが多過ぎて何から話そうか迷っちゃうとかそういう人は、この人と話したいって思えることをたくさん持ってる人とか、その人がいっぱい話したいって思えるくらいの存在なんだろう。しかしこう四年もたってしまうとこの人がどんな趣味になったのかもわからない。となると共通点も見当たらないから話のきっかけも掴めない。

「は、晴れたねー……」

「そうだなー……」

「……」

「……」

「……少しは話を続けようって思ってよ」

 今のをどう繋げろと。

 赤信号に引っ掛かって足を止める。

「……こうやって二人で外行くの、何年ぶりだろうね」

「そうだなあ……小学校以来か?」

「まず中学の時は会ってないもん。会ってないよね」

「会ってないな」

 俺の帰りとこいつの帰りは見事に被らない。俺より一時間遅く帰るはずだ。たしか。学校の位置と電車の時間的にそんな気がする。日曜とかも全く会わない。会おうとしなかったのだ。

「何してんの? 今」

「何って?」

「ほら、学校とかさ」

 赤信号がなかなか変わらない。俺はさっきからずっと考えててやっとこさ思い付いた質問を投げかける。頼むから語ってくれ。長く。聞いてやるから。

「私は……」

 美月は数瞬考える。

「バドミントン」

「強い?」

「ベンチ外」

「学校は強いの?」

「一回戦とれるかとれないかくらい……」

「なるほど……」

「……」

「……」

 信号が青に変わった。運河を越える橋に差し掛かる。話続かねー。

「誠は? 男子校なんでしょ?」

「そうだよ。男子校だから一年の九割以上女子高生と話さない。話せないの方が正しいかな」

「意味がわからない」

 そんなにか?

「私だって男の子と話するよ? 『消しゴム拾ってくれてありがと』とか」

「それ話したに含まれなくね。それくらいだったら俺も『あ、落としましたよ』くらいは言うし」

「なっ」

 すごく驚いた表情を見せる美月。いやいや、嘘だろおい。

「男子校にいるとさ、その……告白とかされんの?」

「男しかいないからな……」

「だから、されるのかって」

 ん?

「いや、だから男しかいないから、学校ではそういうことはないって」

「いやいやあるでしょ、腐女子が喜びそうなやつがさ!!」

 めちゃめちゃ元気あるやんこいつなんなん。

 え、まさか四年間会ってないうちにこの人はそういう人になってしまったの? 男子校は男同士の薔薇の園だと思ってるの?

「いや…………されないよ、うん…………俺は」

「そうなんだ…………友達にそういうのが好きな子がいてね、いつか訊いてあげるよって言ってたの…………俺は? 俺はってことはそういう人もいるの!?」

「ああ、まあ……」

「すごーい!」

 何がすごいんですかね。

「じゃ、そういうのもあるんだね!」

「稀にな。ごく一部。ほんとに」

「そうなんだ……ありがとね」

 礼を言われる理由が見当たらないけどね。

「男子校かあ……私は普通に共学の県立高校だし、女子校は受験したことなかったけど、面白いのかなー」

「とりあえず、誰とでも仲良くなれるよ。同じような境遇のやつばっかりだからね」

「同じような境遇って?」

「彼女がいないってこと」

「あー、なるほど……」

 横で歩きながら美月はつぶやく。

「他の学校との関わりってないの?」

「逆にそっちはあんの?」

「ないよ」

「うちも。部活の対外試合で相手校の人と仲良くなるとかはまずないからね。その他に個人的にやってることとかもないし」

「そんなもんかー。じゃあほんとに男の子としか会わないんだねー」

「そうだな……」

 なんか予想以上に井の中の蛙状態じゃん俺。さみしー。

「でもさ、男子校だと女の子がいないから、男の人と接するの超うまくなるんじゃない?」

「まあ男性のタイプで見たことないタイプはもういないからな。て言うかこれ以上変な奴がいてたまるか」

「やっぱそうなんだ。じゃあ、誠は男の人と接するプロなんだね」

「ものは言いようだな」

「いいの。かっこいいじゃん、そういうの。プロフェッショナルってさ」

 どこかで聞いたようなセリフだけど、男子校で彼女のいない身からすれば、そんなところでポジティブになれるほどメンタルは備わっていないのが現状なのだ。男といくら仲良くなれても、それは好きな女の子と過ごす時間とは楽しさも甘酸っぱさも全然違うんだ。多分。経験したことないからわかんね。

「……ま、でもこれからは私が、ね……」

「ん?」

「なんでもないよー」

 へへっ。彼女は白い吐息を見せると、携帯の画面に目を落とす。

「もうすぐのはずなんだけど……」

 前を見る。下を見る。横を見る。下を見る。

「あっれー……?」

「なあ、どこに行こうとしてんだ?」

「大丈夫、大丈夫だって! 汽車道を通って……」

「は? 汽車道なんて通ってねえよ。あれって海の上だろ? 全然記憶にないぞ。橋は渡った気がするけど、汽車道は通ってない」

「えー、嘘だー」

 美月が見るからに焦っている。二秒に一回同じサイトを見て確かめるが、結果は変わらない。

「と、とりあえず歩いてみよっか」

「おっ、そうだな」

 確かに歩き出さないと始まらない。俺と美月はわからないなりに足を動かす。


 まっすぐ道なりに歩いた。でっかいタワーの右横を歩き続けて、元町五丁目なう。

「お前さあ、もしかして『汽車道』と『馬車道』間違えてない?」

「!?」

 びゅっ、という音でも出てきそうなくらい速いスピードで振り返った美月は、ぶんぶんと首を前後ろ前後ろと振り回す。両手で顔を押さえてしゃがみこむ。

「しくったー……」

「なんだよ……」

「だ、だって! 初めて男の人と二人でこんないいとこ来たんだもん! 私だって焦っちゃうんだよ!」

「いや……調べなかったのか?」

「調べたけど!」

 ぶん! という効果音でも付きそうな感じで勢いよく首を上に向けた美月。悔しそうな表情を見せる。ちょっと泣いてる?

「あっ」

 ここで、俺はとあるものを見つける。彼女の顔の左側に映える、ピンクのピン止め。身に覚えのあるその髪飾りに、俺は目をとられる。

「……なんか、いろいろびっくりしちゃったし、予定とかもう吹っ飛んじゃったよ」

「そ、そうか……」

 美月はどうも本調子じゃないのか、力の抜けたように立ち上がる。コートの裾をパンパンとはたいて、また俺と向き直る。

「じゃ、行こっか」

 そうやって健気に生きていく。俺はどうにもそういう、まっすぐというか、彼女のそういうところに弱くて。

 幼馴染みの、四年ぶりの見知った顔を見つめる。一歩、二歩。距離を縮める。

「えっ……?」

 何がなんだかわかってない様子の美月の両肩を掴む。脈動を感じる。少し熱のこもった息づかいも感じる。

「ちょっと、何やっ…………」


「これ」


 俺は美月の髪に手をかける。

「へっ……?」

「これ、まだつけててくれてるんだ」

 人差し指と親指で前髪の一部を解くように撫でる。その真ん中に現れたのはひとつのピン止め。

「ちょっ、なんのこと…………?」

「だーかーらー、このピン止め」

「ピン止め……?」

 そう言うと、俺の指のところに美月も手を当てる。

「ああ、これ…………」

 美月は手を離す。

「つけてるよ。ずっと。あの時から」

「そうなんだ……」

「嫌だった?」

「全然。むしろありがたい」

「そっか……」

 美月がそう呟くと、俺は美月から離れる。両手を肩から離したところで、美月が動いた。

 ほのかな温かさを右手に感じる。寒い外気の中、それはほんのりと柔らかかった。

「……離れたくない」

 美月はそう言うと、肩を俺の方にぎゅっと寄せてきた。手のひらと手のひらを合わせた繋ぎかたが、お互いの五本の指を交互に絡ませる繋ぎかたに変わった。肘のあたりで両者の腕がクロスする。

「まだ覚えててくれてるんならさ、あの時みたいにまた…………仲良くなれるかな?」

 肩の横すぐ隣から声がする。俺はそうやって動く口元をちらっと見てから、都会の光に負けじと光る星々が転々としている夜空を見上げてから、冷たい空気を吸い込んだ。

「なれるよ」

 俺は一歩を踏み出す。さっきまで通ってきた道を引き返すだけだけど、どこかでまた目的地に行ける交差点に戻るために。

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