第2話 夢見
祖母が
小さな私の 小さな背中に、
それを見て 母が怒っている。
しかし 母がどんなに言い募ろうと、
祖母は 聞く耳を持たない。
母は怒る。
怒るけれど。
決して 助けてはくれない。
おばあちゃん もうやめて。
お願いだから 私を押しつぶさないで。
重くて 重くて
苦しくて堪らなかった。
そんな夢を見て 目が覚めた。
隣に眠る主人の顔を見て
「嗚呼、良かった。」と 安堵する。
時々顔を覗かせる 子供の頃のトラウマ。
祖母が亡くなって もう何年も経った。
病気も回復してきた。
辛かった日々は 既に過去のもの!
それなのに、
幼い日の私は まだ此処に辿り着けていない。
もう 大丈夫。
もう 大丈夫だから。
隣を見てごらん。
そこにいるのは 大好きな夫。
足元を見てごらん。
そこにいるのは 愛らしい愛猫。
大丈夫。
大丈夫。
あなたはちゃんと 幸せになれたから。
だから もうゆっくりおやすみ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます