第15話 薩摩1

「待て!」


ライと海ちゃんは、大隅と薩摩の境を歩いていると


「大隅の者よ!」


馬に乗って兵士を引き連れている、一人の武将に声をかけられた。


「はい?」


ライと海ちゃんは、兵士の多さにおののいた。


「ん? その紋章は琉球の者か?」


義久はライの道着の紋章を見て、琉球王国の者だと判断した。


「私は薩摩大名の島津貴久の長男、島津義久であるぞ!。」


薩摩の偉いさんだった。


「天才軍師とは、私のことだ~♪」


自称、天才である。


「なんか圧のある人だな。」


ライの出会う人は、みんな個性的。


「これから父上の命令で大隅に行く、大隅の様子を話せ!」


天才は命令形だった。


「・・・。」


ライは自分より弱い人間の言うことを聞くのが嫌だった。


「貴様! なぜ話さない? 手打ちにしてくれるぞ!」


天才はお怒りだったが、


「は~い~♪ 海ちゃんが話します~♪」


少女は雰囲気が危なくなったのを察して登場した。


「おお! きれいな女子じゃ~♪」


天才は少女のことが気にいった。


「義久様、大隅の肝付は滅びました。」

「なに!? 肝付が滅びたと!?」


天才は大隅の大名が滅んだと聞いて驚いた。


「なぜ肝付が滅んだのだ!? 日向の伊藤が攻めてきたのか?」


日向には伊藤という大名がいる。


「大名の肝付は突然、人間の倍の大きさの化け物になったんです。」

「なんと!? 化け物に!?」


天才は肝付が化け物になったと聞いて驚いた。


「義久様、怖かったです!」

「おお、怖かったのう。」


少女は目をウルウルさせながら、天才に取り入る魔性の女であった。


「化け物になった肝付はどうなった?」

「ライが倒しました~♪」


少女は笑顔でライを指さす。


「え!?」


ライは、威圧的な天才に関わりたくないと思っていた。


「こんな子供が? 家久と同じ位の歳ではないか?」


島津の4男、家久も少年であった。


「うむ・・・義弘にはかなうまい。」

「義弘?」


武勇に秀でた、島津の次男である。


「ライ・・・西洋かぶれな名前じゃな。」

「ライは雷と書いて、でんとも言います。私は、海ちゃんだよ~♪」

「海ちゃん、かわいい~♪」


天才はライのことはどうでもよく、少女が気にいった。


「海ちゃんよかったら、薩摩のお城に遊びに来てね~♪」

「いいんですか~♪」

「はい。これ紹介状。先に行って待っててね~♪」

「気をつけて、いってらっしゃい~♪」


少女は薩摩の城に入る紹介状を手に入れた。


「これより大名が不在になった大隅を占拠しに行く! 者ども、前進!!!」

「おお!!!」


自称天才は迅速な行動を行い去って行った。


「さぁ! 首里姫を助けに城にいくぞ~♪」


少女は目的は忘れていなかった。


「悪魔だ・・・。」


ライは少女のことが怖くなった。ムカムカ。少女はライに悪魔と言われてイラついたて、


「誰が悪魔だ! こんなにかわいい悪魔がいるもんか!」


キック。


「ギャア!」


少女の飛び膝蹴りが、ライに命中した。


「ひ、姫、助けに行きますよ・・・。」


ライの旅はまだまだ続くのであった。


つづく。

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