第9話 大隅1

「うわぁ!? 海の上を歩いてる!?」


ライは海にできた道を歩いて、薩摩を目指している。


「どうだ? 海ちゃんはすごいだろ~♪」


海竜の使いの少女が海の道を作った。


「すごいよ! 海ちゃん!」


ライは少女に感心する。


「海の上は安全だし、島の妖怪もほとんど悪さはしないし、楽しく行こう~♪」


少女は笑顔で海の道を進んで行く。


「本当だ、島にも妖怪が見える。」


ライには妖怪が見える。


「イッシャ、宇婆、ケンムン、片耳豚、ヤマンボといい奴ばかりだ~♪」


海ちゃんは妖怪に詳しかった。


「あ! マジムンだ!」


ライは悪霊の大軍を見つけた。


「やっちゃえ~♪ やっちゃえ~♪」


海ちゃんは強気だ。


「でもあんな数を相手にするなんて・・・。」


ライが弱気になると、


「馬鹿野郎!!!」


少女はライを怒鳴りつけた。


「ここは海の上で、海竜様の竜玉を持っている、おまえは無敵だ!」


海竜のご加護があるようだ。


「そうなんですね・・・よし。」


ライはマジムンの方を向き、


「・・・。」


間合いを計り、ガチャ。剣を鞘から抜いて振り上げ、


「海竜雷覇!!!」


剣を振り下ろした。ザブーン!!! 海水が海竜のような姿になり襲い掛かり、ゴロゴロ!!! 暗雲が立ち込め、雷が幾度も大地に降り注いだ。


「やった。」


ライはマジムンの大軍を成敗した。


「な、言った通りだろう~♪」


少女はウキウキと油断していた。


「海では、海竜様が1番強い~♪」


ライと少女が喜んでいると、ボ。島の民家が突然に燃え上がった。


「コケコッコー!」


いきなり火のニワトリが襲い掛かってきた。


「魔鳥ヒザマ!?」


浮かれていた少女は驚いた。


「魔鳥? ニワトリですけど。」


ライには、ただのニワトリに見えた。


「コケコッコー!」


ヒザマは火の玉を吐いて、2人を攻撃してくる。


「邪神ヒザマだ!」

「邪神? ニワトリですけど。」

「海ちゃんは水だから、火に弱いんだ! 早くヒザマを倒せ!」


しかし、遅かった。火の玉が海の道に当たり、海の道が消えていく。


「うわぁ!」

「キャア!」


ザプーン!!! 2人は海に落とされる。


「ゲホゲホ!」


ライと少女は、突然のことで溺れかかるが、


「溺れる! 死ぬ! 」


少女は大げさに苦しむが、


「あ! 私、海の精だった。あはははは~♪」


少女は海の上で落ち着いた。


「おい! ライ! おまえにも海竜様のご加護があるだろう!」


バチャバチャと暴れていたが、ピカーン。ライの周りを光が包み、少女同様、海の上に立つことができた。


「海の上に立ってる!?」


ライは不思議がっていると、


「いちいち驚かなくていいから、ヒザマをさっさと倒せ!」


少女は海の道をけされ、海にも落とされて、イライラしていた。


「コケコッコー!」


魔鳥、邪神、ヒザマ、ニワトリが襲い掛かって来る。


「承知。」


ライは海面の足場を確認すると、


「・・・。」


間合いを計り、ガチャ。鞘から剣を抜き振り上げ、


「海竜雷覇!」


剣を振り下ろした。ザパーン! 海水が竜の姿になりニワトリの羽をもぎ取っていき、ゴロゴロ! 暗雲から雷がニワトリを目掛けて落雷した。


「コケ!」


ヒザマは断末魔の叫びを発した。


「やった~♪ ヒザマを倒したよ~♪」


少女が喜んでいると、


「焼き鳥、食べますか?」

「食べる、食べる~♪」


少女はお肉を受け取ろうとするが、


「あ! その前に、エイ!」


再び、海の道が現れた。


「焼き鳥、おいしいな~♪」

「はい。」


2人は焼き鳥を食べながら、楽しく薩摩を目指した。


つづく。

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