第49話 困った、ウリエル4
俺は、天使に戻るために、浄化魔法が使えるガブ子を探す。しかし、中々、見つからない。そんな間に、結構、強い堕天使の私は、堕天使として、魔物の軍団を従えてしまった。
「堕天使サリエル軍団、自己紹介、開始。」
私の名前は、天使の時は、ウリエルだが、堕天使の時は、サリエルと偽名を使い、自身の神格化とイメージアップを計った。
「1番、ゾンビのゾンちゃんです!」
ちょっと、片眼が飛び出してます。
「2番、お化けのオバちゃんです!」
実に、おばさん、ぽかった。
「3番、スケルトンのスケちゃんです!」
骨だけなのでスケスケ。
「4番、ミイラ女のミイちゃんです!」
アイドルになれそうな名前である。
「5番、コウモリ女のコウちゃんと、妹のリトルちゃんです!」
コウモリ族の姉妹、奇跡の再登場である。
「コウちゃん!? リトルちゃん!?」
「あ!? ウリ子ちゃん。」
「天使のお姉ちゃんだ! わ~い!」
3人は、束の間の再会を喜んだ。
「今は、堕天しちゃって、堕天使サリエルになってるんだ。」
「天使も大変なんですね。」
「そうなんだ。早く天使に戻らなくっちゃ。」
コウちゃんは、私の事情を分かってくれる。
「それでは改めて、堕天使サリエル軍団に命じます。天使ガブ子を見つけてね。」
「おお!」
こうして、堕天使主催の「天使を探せ」ゲームが始まった。
「お目目、お目目。」
ゾンビのゾンちゃんが、目玉を顔に戻しながら、ガブ子を探している。
「あのゾンビはなんだ!?」
「変なの見つけたわね。」
ミカ子とガブ子は、目玉を良く落とす、ゾンビのゾンちゃんに出会った。
「1、2、目玉、2,2、目玉」
目玉が飛び出しては、顔に目玉を戻す。ゾンちゃんなりのアピールである。
「私が倒してやろう! くらえ! 天使の一撃!」
ミカ子の剣による一撃がゾンちゃんにダメージを与える。
「ギャア!? 覚えてろよ! 目玉!」
ゾンちゃんを倒した。
「ハハハハハ! 正義は勝つのだ!」
「あのゾンビ・・・誰かに似ているような・・・。」
ミカ子とガブ子は、再び、ウリ子を探し始める。
「今日は卵が99円! 絶対に買うんだ!」
お化けのオバちゃんは、スーパの特売のついでに、ガブ子を探している。
「あのお化けはなんだ!?」
「ああ、頭が痛い。」
ミカ子とガブ子は、変なお化けを見つけた。
「明日は、牛乳が99円! 100円均一よりも安いんだ!」
オバちゃんは、特売のためなら、山を越え、谷を越える。
「ハハハハハ! 今日は、よくモンスターに出会う! くらえ! 天使の一撃!」
ミカ子の剣の一撃がオバちゃんにダメージを与える。
「ギャア!? 覚えてなさいよ!」
オバちゃんを倒した。
「ハハハハハ! 私は無敵だ!」
「早く、ウリ子を探し出さないと、こんなのが、どんどん出てくるわ。」
ミカ子とガブ子は、再び堕天使になった、ウリ子を探し始める。
「スケスケ! スケべなスケちゃんだい!」
スケルトンのスケちゃんは、骨だけなのにスケベに、ガブ子を探している。
「あの骸骨はなんだ!?」
「私は、もう理解したわよ。」
ミカ子とガブ子は、変なスケルトンを見つけた。
「スケスケ! スケスケ! スケベなスケちゃんだい!」
スケちゃんのプライドを捨てた、必死のアピールである。
「ハハハハハ! 私の活躍が見たいんだな! くらえ! 天使の一撃!」
ミカ子の剣の一撃がスケちゃんにダメージを与える。
「ギャア!? 覚えてろよ!」
スケちゃんを倒した。
「ハハハハハ! 私こそ、大天使だ!」
「ミカ子、あんたには分からないでしょうね。こいつらが誰に似てるか・・・。」
ミカ子とガブ子は、再び堕天使になった、ウリ子を探し始める。
「ミミ、ミイラ。私はカワイイ、ミイラ女!」
包帯を巻いているミイラのミイちゃんは、カワイイ女の子。ガブ子を探してる。
「なんだ!? あのミイラは!?」
「ミカ子、倒しちゃダメよ。ウリ子の居場所を聞き出すんだから。」
ガブ子は、ミカ子にミイちゃんを倒しちゃダメよ、と釘を刺した。
「ミイちゃん、かわいいのに、どうして、ちょい出なの!?」
ミイちゃんは、出番をアピールしている。
「ハハハハハ! 私の裁きは、神の裁きだ! くらえ! 天使の一撃!」
「だから、ダメだって!?」
ミカ子の剣の一撃は、ミイちゃんにダメージを与えた。
「キャア!? 覚えておいてね!」
ミイちゃんを倒した。
「ハハハハハ! ミカ子は強いのだ!」
「もう! 倒したらダメって言ったのに!」
ガブ子は、ミカ子のせいで、ウリ子の情報を失った。
「コウモリ女のコウちゃんです。」
「妹のリトルです。」
オオカミ編で、はじまりの洞窟で出会ったオオカミの姉妹だ。
「あの変なオオカミはなんだ!?」
「あの子たちは、以前にあったオオカミ姉妹。」
ミカ子とガブ子は、オオカミの知り合いに出会った。
「あ! ガブ子ちゃんとミカ子ちゃんだ!」
「わ~い! 天使さま!」
コウちゃんとリトルちゃんは、天使たちに笑顔で手を振っている。
「ハハハハハ! 相手が誰でも私は手は抜かない! くらえ! 天使の一撃!」
「やめなさい! いでよ! 光の重力!」
コウちゃんたちを攻撃しようとするミカ子を、ガブ子が光の魔法陣を描き、光の重力でミカ子を拘束していき、ミカ子の自由を奪い取り押さえる。
「ガブ子、ヒドイ!?」
「知り合いまで、攻撃しようとするな!」
ガブ子は、ミカ子ウザいという顔をしている。ミカ子は、光の重力で押さえつけられているので、動くことができない。
「ガブ子さん、お久しぶりです。」
「コウちゃん、リトルちゃんも久しぶり。」
「ところで、ウリ子がお邪魔してないかな?」
「いますよ。この奥に。でも少し変なんです。」
「変?」
「天使の輪が黒くなっていて、背中の羽がカラスみたいに黒いんです。」
ガブ子は、それを聞いて、ウリ子が本当に堕天使になっていると確信した。
「悪魔に変わる前に、浄化しなくっちゃ!」
ガブ子は、気持ちを引き締める。
「コウちゃん、ウリコのところに案内して。」
「はい! こっちです!」
「私を置いていくな! 私はミカ子だぞ!」
「リトルちゃんを置いていくから、しっかり遊んでもらいなさい!」
ガブ子は、ミカ子が来るとややこしいので、置き去りにした。
「ミカ子ちゃん、遊ぼう。」
「ハハハハハ! 仕方がないな! 私が遊んであげよう!」
「わ~い! やった!」
リトルちゃんは、ミカ子が遊んでくれるのがうれしかった。ミカ子も必要とされるのがうれしかった。
「待ってなさい! ウリ子!」
ガブ子は、ウリ子の元に向かった。
つづく。
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