第8話 第4天使
「おまえ、しばくぞ!」
女性の声が聞こえる。
「ギャア!? はぁ・・・はぁ・・・夢か!?」
俺は、その声で目を覚ました。夢の中の女神さまは、とても怒っていた。女神さまが激怒していたのは、初めてだった。しかし、記憶喪失なので、自分が何者なのか、分からない。
「今日は忘れ物はないでしょうね?」
「俺が忘れられたんだけど・・・。」
「私の方が魅力的ですからね。」
「正義ちゃん、主人公を変わろうか?」
「ええ!? 私が主役・・・主役・・・。」
正義の使いさまこと、小悪魔のデビちゃんは、自分が主役になるかもと思うと、天に召される気分で昇天しそうだった。
「神様って、いるんですね! ああ! 生きててよかった!」
俺は、正義の使いの小悪魔のデビちゃんと一緒に、学校に向かっている。
「夢の中の女神さまが、「おまえ、しばくぞ!」って言ってて、怖かったんだ。」
「な、な、な、なんですと!?」
正義の使いは、すごく慌てた。表情は恐怖に引きつっていた。
「お、怒ってる!? 「あの方」が怒っています!?」
表情は恐怖に引きつっていた。
「正義ちゃん、「あの方」について、そろそろ話してくれてもいいんじゃない?」「私なんかが、生きていては行けなかったのです。生きててごめんなさい。」
デビちゃんは、天国と地獄を味わっていた。
「「あの方」のことが知りたいんだ!?」
「あなたが女天使とばかり遊んでいるから、「あの方」が怒って・・・。」
その時だった。正義の使いの体に、ビリビリ電撃が走る。
「ギャア!!!!!!!!!!!!!!!!!」
正義の使いは、真っ黒焦げになってしまった。「あの方」のことをしゃべるのはタブーなのである。
「ゲフ~。」
「ここまでが、お約束です。」
「私、神になりたい・・・。」
正義の使いは、本当は、小悪魔のデビちゃんなので、俺を欺いている、天罰が下っている。
「おはよう、ラファ子ちゃん。」
「おはよう、サタンくん。」
俺は学校にやってきて、席に着きカバンを机に掛けた。そして、隣の席のラファ子ちゃんに挨拶をした。おまけのウリ子とガブ子。それに、もう1人、新しい女の子がいた。いったい誰だろう?
「おはよう、ウリ子、ガブ子。」
「こら、私たちは、2人で1人か?」
「おはよう。記憶喪失は、どうでもいいわ。私が興味があるのは、あなた!」
「ドキ!?」
ガブ子は、正義の使いを指さす。
「今日こそは、正義ちゃんが悪魔だと証明して見せる!」
「ビク!?」
デビちゃん、ピンチ!?
「つもりだったんだけど、やめるわ。」
「フウ・・・。」
デビちゃんは、息を吐いて安堵する。
「堕天使に堕ちたヤツを、浄化して天使に戻したら、ウザさも戻ったのよ。」
「ラファ子、関わりたくない。」
「私より、ウザいぞ。」
3天使は、疲れた顔をしている。
「それは、私のことか?」
そこには名前の知らない天使が1人いた。
「君は?」
「私は、ミカ子。ただの天使さ。」
剣と裁きの天使ミカエルのミカ子。
「俺はサタン。よろしく。」
「私はミカ子。よろしく。」
俺は、ミカ子と挨拶を交わしたが、まだ違和感は感じない。普通だと、油断した。
「サタン!? 悪魔だな!? 天使ミカ子の裁きの一撃を受けてみろ!」
「え!?」
ミカ子は、剣を抜いて、俺に斬りかかって来る。
「やめろ! ミカ子!」
「おまえも堕天使になったって、有名だぞ!」
「仮の名前よ! サタンくんは記憶喪失なのよ!」
3天使が、ミカ子に飛びついて止める。
「記憶喪失?」
ミカ子の動きが止まる。
「なんだ! サタンていうから、悪魔と思っちゃったじゃないか! ハハハ!」
俺も天使ミカエルのウザさが分かってきた。
「サタンは、まぎらわしいから、サンタくんに改名しよう。それが、いい!」
「サンタ!?」
「サンタくん、よろしく。」
俺の名前は、サンタに変更された。そして、見つけてしまった。
「出たな! 悪魔め!」
「ドキ!?」
「くらえ! 悪魔! 天使ミカ子の剣裁きを受けてみろ!」
ミカ子は、小悪魔のデビちゃんを見つけてしまった。正体がバレたと、デビちゃんはドギマギする。
「やめろ! ミカ子!」
「そのお方は、正義の使いさまであるぞ!」
「正義ちゃんよ!」
3天使で、ミカ子を、なんとか取り押さえる。
「正義の使いさま!?」
ミカ子の動きが止まる。ミカ子は、デビちゃんをジーっと見る。
「おお! 正義の使いさまだ! なんと神々しい使徒様だ!」
「そうです! 私は正義の使いであるぞ!(ウソ。)」
「申し訳ありませんでした! 数々のご無礼をお許しください!」
ミカ子は、態度を180℃変えて、土下座をして頭を下げまくる。
(コイツ・・・おもしろい。キラン!)
小悪魔の心が騒めいた。ミカ子で遊べと小悪魔に悪魔がささやいた。
「顔をあげよ。」
「はい、正義の使いさま。」
「正義の使いに対して、数々の無礼。神々が怒っているぞ!(ウソ。)」
デビちゃんのバックで雷が鳴り光っている。
「お許しください! 正義の使いさま!」
「許してほしかったら、肩を揉んで下さい。」
「はい! 分かりました!」
小悪魔は天使に肩を揉ますことに成功した。
「何をやっているんだ!? おまえたちも手や足を揉まないか!」
ミカ子は、持ち前のテンションで、3天使も巻き込んでいく。
「え!? 私たち!?」
「面倒臭い・・・。」
「悪魔だぞ・・・。」
3天使は、ミカ子のウザさは身に染みている。
「おまえたち! 何を言っているんだ! 正義の使いさまに失礼だぞ!」
ミカ子は、デビちゃんを正義の使いさまと信じきっている。
「正義ちゃん、失礼しますね。」
「足の裏を刺激してやる!」
「天使が悪魔のマッサージをするなんて・・・。」
3天使は、デビちゃんの全身をマッサージし始めた。
(私は小悪魔なのに、4人も天使が、天使がデビちゃんの体をマッサージしてくれている!? これが正義のチカラなんですね!? あ、悪魔を辞めて、正義になりたい!)
この悪魔、やっぱり悪魔失格である。
「どうですか? 正義の使いさま。これぐらいで愚かなミカ子をお許し下さい。」
「そうだな。神も喜んでいらっしゃるぞ。(ウソ。)」
「それでは、お許しいただけるんですね!?」
「神がお許しになったぞ。今の気持ちを忘れずにな。(ウソ。)」
「ありがとうございます! これからは、謙虚に生きていきます!」
ミカ子は、正義のチカラに、忠実だった。
(ああ~気持ち良かった! 天使のマッサージは最高だな!)
正義の使いこと、小悪魔のデビちゃんは大満足であった。悪魔なのに天使に馴染んでしまった。ほぼ自分が悪魔という自覚が無くなってきた。
「さぁ、サンタくん、君の記憶を取り戻しに行こう!」
「え!?」
まだまだ、ミカ子の暴走は止まらない。
「記憶を取り戻す旅に出る! これこそ、まさに、ファンタジーだ!」
正義が大好きなミカ子は、ファンタジーバカであった。
「わ~い! みんなでピクニック!」
「ミカ子・・・ウザい。」
「堕天使のまま、放置して堕落させておけばよかった・・・。」
こうして、正義の使いさまの小悪魔のデビちゃんと、元○○の記憶喪失のサンタくんと、天使のミカ子、ガブ子、ウリ子、ラファ子は、外の世界に遊びに行くのだった。
つづく。
あらすじ。
「おまえは何を忘れた?」。女性の声で夢から覚めた俺は、名前も、どうやって生きてきたのかも、全ての記憶を失っていた。そんな俺の前に、正義の使いが現れた。小悪魔のデビちゃんに騙されているとも知らずに・・・。「あの方」とは、いったい誰なのだろう!?
「自分の名前も思い出せないのか?」。サタン、俺の名前が決まった。正義の使いさまが、神々と交信をしてつけてくれたらしい。この正義の使いさまは、「あの方」のことを話そうとするとイカズチが降り、書こうとすると炎で燃える、そして人を騙すと傷が回復する。人を騙すことは、まさに! 悪魔のささやきだった!?
「私のことは覚えていないのか?」。学校に、転校生として転入した俺。記憶が無いので、分からないことだらけである。忘れ物が多い俺に、隣の席のカワイイ女の子がペンや消しゴムを貸してくれた。忘れ物も悪くはない!? しかし、この状況に正義の使いさまは、「あの方」がお怒りになると、気が気ではないのだった!?
「私を忘れたら、許さない!」。俺は、学校生活を楽しんでいた。俺の席の隣のカワイイ女の子、天使ラファエルのラファ子ちゃんがいるからだ。俺は、忘れ物を記憶喪失のせいにして、ラファ子ちゃんに近づくという。まさに! 悪魔も驚く、外道ぶりを発揮していた俺の前に、正義の使いさまが立ちはだかる!?
「あなたは、○○なのよ!」。まだ俺の記憶は戻らない。「あの方」についても謎。まさに、ミステリーである。ラファ子の友達のウリ子が現れて、正義の使いさまの正体を悪魔と見破った!? 正義の使いさまと天使ウリエルとの命をかけた戦いが繰り広げられる!?
「あなたがしたことは、思い出さないで。」。俺は、なにをしたというのだろう? 正義の使いさまは、呼びにくさから、正義ちゃんに改名。あくまでも、天使のラファ子とウリコに遊ばれる!? ガブ子とミカ子も名前だけ登場し、俺は、天使に囲まれた!? これを「あの方」が知ったら、怖すぎる!?
「早く、私に会いに来て。」。この物語は、元○○の俺と「あの方」の壮大なストーリーだったはず!? それなのに、小悪魔のデビちゃんを正義の使いさま化して遊ぶ方がおもしろいなんて!? ついに見た目まで正義に目覚めてしまった!?代わりに俺の存在が、ついに忘れ去られた!?
「おまえ、しばくぞ!」。俺が、かわいい天使4人とハレーム状態で「あの方」が怒っている!? ついに現れた最強の天使、ミカ子。ミカ子のウザさは、ウリ子を越え、他の天使も巻き込んでいく!? 俺の名前もサンタに変えられた。そんなミカ子を天使の使いさまは乗りこなしていく!? 恐るべし、正義のチカラ!?
終わる。
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