おかしな反応
状況が飲み込めないまま、木ノ下との電話は終わった。電話の最後に後で連絡すると言ってたけど、お互いの連絡先知らないよな……
というかなんで、こうなったんだろうか。
とりあえず、遥香に携帯を返しにいくか……
おれはモヤモヤとした頭のまま、階段を上り、遥香の部屋のドアをノックする。
すると、すぐにドアが開いた。
「終わったみたいね」
「あ、ああ、ありがとうな……」
言って、携帯を遥香に返す。
「どうしたの?なんか放心状態だけど。もしかして、芽衣に罵詈雑言食らったとか?」
遥香が意地の悪い笑みを浮かべる。
「いや、なんかよくわからなくてさ……」
「わからない?」
「ああ……」
「あんた、芽衣になんか変なこと言ったの?」
「言ってねーよ。ただ、普通に悪かったって謝っただけで……」
「ふーん。それで芽衣はなんて?」
「私も少し傷ついたから、罪滅ぼしに明日付き合ってくれって……」
「ふーん……って、え?なんで!?」
「なんでって、そんなのおれもよくわかんないんだって」
「なんで、その話の流れで明日付き合ってになるわけ?!あんた、他になんか言ったんじゃないの?!」
遥香は勢い良く、おれの胸ぐらを掴んでくる。って、なんか、ものすごい力強いんだけど……苦しい……
「言ってないって、本当に……」
「本当でしょうね!?」
ギリギリと力を強める遥香。
やばい、意識が遠くなってきた……
い、息ができない……
「本当だって……だから、手を離して……」
「あーなんでこうなんのよ!!」
遥香のその叫びと同時に、ようやく胸ぐらから手が離れた。
「はぁ……はぁ……」
膝に手を付きながら、肩で呼吸をする。
あ、危なかった……
なんか花畑みたいな川がうっすらと見えたわ……
「あんた!明日、芽衣に変なことするんじゃないわよ!わかった!?」
そう言って、遥香はおれの返事も聞かず、おれの身体を思いっきり押して、瞬時にドアを勢いよく閉めた。
な、なんだったんだ、一体……
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