魔王ハル
@motinagaaoi
第1話悪魔
この物語は単純なほんとに単純な人間の魔王の物語である
はっきり言ってとても長いそのうち要点をまとめて出すのでそちらを見てもいいかもしれないな
この世界そうこの世界は 裕福が町を埋め尽くし人間以下の存在は町にはいられなかった
町はきらびやかなネオンが光り輝いているまるで地獄だ
光に集まる蛾のような人間がその町には集まっていた
そんな蛾のような奴らにさえ僕たちは人間としては扱われない
間違って町に入ろうものならば駆除されてしまうのだ
町から少し離れた森の中に多くの人間たちは住んでいた
僕の名はラウニ・ハル
母は明るく父はいない
生きていくためには泥をかぶりながら生きていかなくてはいけなかった
だがそんな毎日も悪くはない
自分の必要なものを自分の力で作り周りと助け合いながら生きていく
人間らしい人間じゃないか
蛾のように生きるくらいなら人間らしい人間として生きていたいもの
毎日が楽しみにあふれこのまま暮らしていくのだ
そして自分の夢をかなえるのが僕の目標だ
僕の夢は好きな女性と結婚して子どもを作り幸せな家庭を築くこと
単純だけど難しい
なぜなら子供の作りかたなんて誰も教えてくれないから
けど友達のジェムは物知りだからまだお前には早いけどそのうち教えてくれるって約束してもらえたんだ
僕が7歳になったら教えてくれるんってまだ一か月も先だけどね
まだ誰にもこの時予想なんてできなかっただろう
この少年がのちの魔王となり初めての世界国家統一に成功するとは
少年は夢に満ちていた
少年は森ではよくバカにされていたなぜなら夢に満ちていたからである
人間以下とののしられ人間になれずにいる大人たちが
少年をバカにするのであった
こんな森に生まれた子が幸せな家庭なんて築けない
大人になれば過酷な労働施設に行かなくてはいけないのだから幸せになんて慣れない
そんな風に大人は決めつけた
だが少年は誰に何と言われようが夢をあきらめはしなかった
少年の誕生日 母と母の友達そしてその子供であるジェムが祝ってくれた
ジェムとは昔から兄弟のように育ってきた
母たち曰く「ほんとに兄弟だったりしてね腹違いの あはは」と
笑ながら言ってくるその話を聞いて腹違いの意味は分からないが
ほんとに兄弟だったらいいのになとよく考える
ジェムがお兄ちゃんだったらなと
互いに父親はいない
町のやつらとは絶対的な上下関係があった
生まれが絶対
それがこの国の法である
人間は豊かに暮らさなければならない
そんなものがこの国の法だ
町の外の人間じゃない者たちは昔は捕虜だったらしい
黒髪の捕虜たちは争いは好まない人間だっただが
そのせいで自分たちの子孫まで永遠と苦しむことになってしまったのだ
捕虜たちは高い壁の外で暮らすこととなった
この国では奴隷は採用していない
あるのは黒髪のものを機械のように何も気にせずに使うという意思だけだ
この国ではそれが当たり前になっている
黒髪の者たちは人間とは見られないらしい
豊かに暮らすことは許されない
毎日壁の向こうから偉そうな奴らが来る
毎日数人だけ来る
そして森のものを集め工場に行き仕事をさせるのだ
そこでの仕事は過酷で危険である
だが森の者たちは従わなければならない
そうしなければ家族を守れないからだ
そしてハルとジェムの父親は危険な仕事のせいで死んだ
楽しい誕生日会も終盤に差し掛かった
森は日が落ちまるでねっとりとしたオイルが空を包んでいるかのような夜だった
空を一瞬見てから母が言った
「ケーキにしましょうか」
ケーキにろうそくを立てた貴重なろうそくだったので年に1度しか使えない
去年と同じ少しとけたろうそくだった
ろうそくに火をつけたその瞬間ろうそくが
大きく揺れた
ケーキが地面に落ちた
地震は長かった
地面が揺れているのを感じられるほどに
ぐらんぐらんと地面は揺れ
僕は吐いた
一人だけうずくまり吐いていた
地震は収まった
周りには木しかないので
特に大事にはならなかったが町では火の手が上がっていた
水の都といわれているだけあってすぐに火は消されたようだが
すぐに門が開き偉そうな人間たちが森にやってきた
人を集めさせているらしい
地震の被害を森のやつらに片付けさせようとしているようだ
いつもは町に踏み入れるようならば銃で撃ち殺す癖に
こんな時だけ調子がいい
だが町へ行くやつらを引き留めるかのように大きな爆発があった
最初は屋根から火が出ていたんだと思う
ゆらりゆらりとろうそくの火のような火柱が屋根のてっぺんに見えた
次の瞬間爆発した
きれいな火花だった
ほんとにきれいだった
工場の爆発は森にそして町の壁に深刻な被害を出した
森は火が付き爆風で木々はなぎ倒され町の壁は崩れ落ちた
僕は気が付いた
周りを見るといたるところが燃えている
怖い
母さんはどこ
僕は母さんを探した
ジェムが死んでいた岩にたたきつけられたのだろう頭がつぶれ誰だかわからないほどに
体もぐちゃぐちゃでだが肩にジェムのバックがくっついている
どんどん火の手が回ってくる僕はおかしくなりそうだ
周りでは泣き声や叫び声まるで地獄だ
母さんはいた生きていた
だが足に大きなけがをしている
血が止まらない
どうすればいいのかわからない
だが助けを呼びに行った
人が集められている場所に僕は助けを呼びに行った
中心には町のやつらここは森の中でも被害は少ないようだ
『母さんが!!!』
僕は大人に助けを求めた
だが誰もこちらを見向きもしない
『助けて』
泣き出しそうな声で僕はそういった
中心にいる町のやつらに助けを求めた
『母さんが死にそうなんです
血が止まらないです 助けてください 』
泣きながら僕は彼らに助けを求めた
すると顔に大きな傷のある彼は僕に気が付いた
そして彼はいった
僕に
確かに微笑みかけてこういったんだ
『だから?』
僕は間違っていた
彼らは僕らのことを人間だと思っていない
大切なんて助けたいなんて一切思わない
おかしい
こいつらはおかしい
見た目が同じはずなのに髪の色が違うだけなのに
森のやつらに助けを求めた
誰も反応なんてしない
町のやつらについていこうとしている
おかしい
なぜ仲間だと思っていたのに誰も助けようとしないんだ
なぜこんなくそ野郎どもと一緒に町に行こうとしているんだ
人が死にそうなのになぜ、、、
そんなに決まりが大事なのか
僕は走っていた
母のもとへと走っていた
火の中を駆け抜け
母のもとへ
ついたとき母は生きていた
周りを火で囲まれながらも生きていた
僕は母を引きずった近くを流れる川まで河原には木はない
火はここまで来ない
母を抱きしめた僕は泣きながらだきしめた
どんどん冷たくなっていく母
火のせいか顔は熱い
周りは熱いのになぜ
母はどんどんと冷たくなっていくのか
僕には理解なんてできなかった
だが理解できた
僕は泣き叫び冷たい母を抱きしめながら泣き叫んでいた
体が熱かった
怒りだ
悲しみだ
憎しみだ
人を人だと思わない町のやつら
そんな町のやつらについていく夢の希望もない森のやつら
くそみたいなやつらを生んでいるこの国
この世のものすべてを憎み怒り悲しんだ
なぜ母は死ななくてはならなかったのか
なぜ誰も助けてくれなかったのか
なぜこんな世界なのか
なぜ
なぜ
すべてを憎しみすべてにすべてに絶望した時
水面にうつる自分の姿を見た
髪は真っ白になり世界は真っ赤に燃えている
地獄に降り立つ悪魔のような自分の姿
ハルは自分の姿を見て気が付いた
自分の役割に
そしてこの腐った世界をどうするべきなのかに、、、、、
第2話に続く
魔王ハル @motinagaaoi
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