エピローグ



 と、まあ。

 俺達の旅の最初の頃は、そんな事があった。

 結構大変だった。


 語る程の苦労があったのか。

 ……と聞かれる事が、最近は多いけど、あの頃のルオン様は本当に扱いづらくて、それでいて誰よりも繊細で優しくて。モカ様とは色んな意味で正反対だったから。


 だが、それも今では良い思い出だ。


 旅はあれからも続いてる。


 使徒サイドの襲撃を受けて、聖樹ヒースではいろいろな事が見直されたし、巫女の旅に新たに支給される事になった旅費も増えた、こういった記録を残しておける道具ももらえた。


 色々な人が助けてくれて、今の俺達の旅は成り立っている。


 ルオン様に言った事もそうだけど、やはり一人では限界があるからな。


 これからも色々苦労は続いていくだろうけど、何だかんだいって大丈夫なような気がする。


 モカ様の楽観的な性質が移ってしまったのかもしれないかと思うが。彼女等二人と共にいると、そう思えるのだ。





「あ、ナナキ、ルオンちゃんがケンカになってる、ちょっと来てくれないかな」

「ええ? またルオン様ですか?」


 前言撤回、もうちょっと気を引き締めた方が良い所は、そうした方がいいかもしれない。


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