12話【片想い・デート編】
朝起きると瑠璃子たちはいなくて多分瑠璃子は吹奏楽なのに合宿、瑠架も同じく合宿でスポ少のバスケで朝から行って、瑠海亜は多分瑠璃子が部活ついでに保育所のお泊まり会連れてってくれたのだろう。偶然すぎるほど兄弟全員が今日の夜いないのだ。
望々が和食を食べたいと希望したので朝ご飯は和食にした。テレビを見ながら2人で普通に食べてそのあと片付けて、
そういえば今日2人で遊びに行くんだっけ
…ちょっとお洒落でもしようかな
そのあと洗濯物を片づけることにした、私が洗濯物に構っている間望々は用意をしに行った。
家のことが終わる頃には朝起きてから二時間ぐらいたっていた。
身支度のために風呂へ入り出てから髪を乾かす、とりあえずTシャツだけ着て風呂場から出て自分の部屋に行った。部屋にあるタンスを開けて服を選ぶ。
「トップスにはノースリーブのやつでボトムスはズボンを…」
服を取り出しているときふと一つの服が目に付いた。取り出してみた服は白いミニスカートだった。
そういやこれを買ってから着たことはあまりない、買ったはいいものの可愛いタイプだからちょっと遠慮がちになってなんだかんだ全く着てないのだ。そもそもスカートをなかなかはかないってのもあるが。
「…これ着てみようかな」
白いミニスカートの上には青色のオフィショルダーを着てスカートにインする。カバンは黒でチャックとかが金色のリュックサックに金色のアクセサリー類、靴は黒の編み上げのサンダルにした。やっぱりどこかに黒がないと落ち着かない。
髪の毛は内巻きに髪を巻いて金色のピンで右だけ四本で止めた。
髪を整えてふと視界に入った鏡に自分の姿を映してみる。
「可愛いって言ってくれるかな」
部屋をでて望々のもとへ向かった。
「お待たせ」
あ、望々かっこいい…
きちんと着替えてるときとだるだるで楽そうにしてる部屋着でいるときとのギャップ好きすぎて辛い。
ちなみに望々の服は、白のカットソーに黒のベストにスキニーズボン、黒のリュックサックとハットを被るといった感じである。
「おいこら、るい遅い…」
外で待っててくれていた望々のところに行く。振り返った望々がフリーズした。
「の、のの?行こ?」
「…え、あ、はい」
顔の前で手を振っていたらやっと起きた。
先導するようにさきに歩き始めた、あとからついてくる望々を尻目にスマホで時間を確認する。
「ねえ、まだ電車まで時間あるけど、どうする?」
「そういやスタ○の新作出たんじゃないの」
「あ、そういや出てた」
「ス○バ行くか」
「行く」
確か駅の近くに○タバあったっけ、そこでいっかな。
「あ、あのお店可愛いー」
映画を見終わったら、お店をひたすらみて回っていて、回った店の数と買った物の数が全く比例していなかった。
「なあるい」
「ん?」
「お前服ってどこで買ってんの?」
「え?」
なにげに望々も服には興味はあるらしく(男物だけど)一応おしゃれさんではあったりする。
「完璧に女物だけど、いいの?」
「いや、俺が着るんじゃないよ」
女物を着ない女の子…。
「よし。」
「ん?」
「ののさんよ」
「はい」
「君ちょっと女子になろっか。」
「うん。…はい?」
「よっしゃレッツゴー」
「…????」
まだ思考が追いついていないみたいなのでとりあえず引っ張っていった。
「さて、のの」
「はい」
「この中から女物で一着コーデをしてきてください」
「はい?」
「あーじゃあ条件付け足します」
「…」
「私が着ると考えていいからのの好みで一着選んで」
「はい…?」
「その代わりもし自分が着るとなったら…も考えてね。」
「…?」
「さあいったいった」
頭にたくさん?を浮かべながらも店の中へ入っていった。
私の考えたことはあれである。
望々を女の子らしくしてみようと思った。
「あ、これ可愛いー」
と、考えながらもついつい目に付いた服を手にとっている。
とりあえず望々を連れてきたのは原宿系の服を専門とした服屋さん、これなら意地でもちょっとは女の子らしくなるだろうと思ったのと単純に自分が見たかっただけだ。
しばらく服を見て回っていると望々が来た。
「選んだ?」
「…るいさん」
「なに?」
「無理っす…。」
「嘘でしょ」
まあ確かに無理なのかもしれない、普段から男っぽい望々からしていきなり原宿系女子は難しかっただろうか。
「仕方ないなぁ」
「無理。」
「じゃあせっかくだし双子コーデしよっか」
「…は?」
こいつアホか?という目で見られてる。失礼な。
「はいはい、いくよー」
「…?」
何気にお店が広いのでゆっくり一つずつ見て回ると30分かかった。その中で望々がきれそうな物をいくつか厳選した。
「これとこれとこれとこれ。はい、試着室行くよ」
「…はい?」
無理やり試着室に押し込む、いくつか服を渡して手を振ってカーテンを閉めた。
ちなみに渡した服は望々が好きな青色が基本の宇宙柄の上と靴に黒のクラッシュデニムのスキニーパンツとリュックとキャップを渡した。短パンやミニスカなどは許してくれないので長いものである。
私の方もほぼ同じで色違いでピンクが基本の宇宙柄の上と靴、黒の短パンにリュックにキャップ。ほぼ色違いなだけで唯一違うのがボトムだけだ。
自分も試着室に入って着替えて出る。
「まだぁー?」
「…終わった。」
カーテンを勢いよくあける。
あけた瞬間むちゃくちゃびっくりした顔をされたけどそんなもの知るか。
「…あら」
男になっちゃった。
「普通に男とかわんないと思うんだけど俺だけ?」
「うん、ごめん。私も。」
普通に女の子を意識したつもりだったけどどこかでやはり望々を意識してしまったらしい
「るいと似てる恰好なのになぁ…」
「まあ…可愛いからいいじゃん」
「…ちなみにお値段は?」
「五千円ぐらい」
「…買うか。」
「買おっかー」
もう一度試着室に戻り自分の服に着替え始めた。
着替えて終わったら服を持って出る。ちょうど望々も出てきたところで一緒にレジへ行く。
「4950円になりまーす」
財布からお金をだして服を受け取る。望々も隣のレジで買ったらしくほぼ同じタイミングだった。
「やっぱ女子みたいな服着れないわ」
「とりあえず髪のばしたら?」
「やだ」
即答されてしまった。まあ、短い方が首筋が見えて個人的には好きだけど。
ふと視線を望々から感じたのでそちらを向いてみる。
「なに?」
かなりの至近距離でずっと見つめられるので恥ずかしくなってきた。しばらくすると髪を梳いてきた。
「髪が長いのはお前だけでいいよ」
腰ぐらいまである髪を弄ばれる。
「本当綺麗だよな、いい匂いする」
髪をとって口元あたりに持って行って匂いを嗅ぐような仕草をした。
こんなこと言われてしまうと照れてしまう。
「行こっか」
手を繋がれて引っ張られた。
あーどうしよう
彼氏とデートしてるみたいで幸せすぎる。
「あー帰ってきたー」
帰ってきて手洗いをして速攻ソファーにダイブ。
「おりゃっ」
ダイブして仰向けになったら望々がその上にダイブしてきた。
「重いー」
「おらおらおら」
重かったのでのかせようとしたらくすぐってきた
「わっ、ちょっやめ、ははははははっ」
「うぇーい」
くすぐられたあと望々が隣に寝転ぶ。
「あー疲れたー」
「久しぶりにあんなに歩いたもんねー」
目の前に望々の顔がある。ほんとに綺麗な顔をしてると思う。こういうとき好きになってしまったら、卑猥だけどちょっとあれやこれやをしたいとそそられてしまう。
「ねえ、るい」
「なあに?」
「キスしていい?」
「…は、はあ!?」
考えたこと読み取った…???てかなにその状況。ちょっと待て。落ち着け。冗談って可能性があるだろ私。そんないきなりスペシャルなことが起きるわけない。いや、待てちょっと待て。これかなったら1つ欲望解消されるんだけど?
「じょ、冗談?」
「ん?本気」
「ど、どこにするの?」
「口?」
「女の子同士だよ?」
「なんとなくお前したら喜ぶかなって」
「え…?」
「あとは、俺がお前が照れてるところを見たい。」
意味がわからない。まあでも、これでちょっと欲望かなうなら軽い気持ちでOKするのもありよね。
「じゃあいいって言ったらどうするの?」
「…こうする」
いきなり起きあがったかと思ったら床ドン状態になった。
「え、まってなに」
「んで、こーする」
ズボンのベルトをとって私の腕を縛る。
「こーやって、床ドンして腕縛って責められるのお前好きでしょ」
おいこら、ちょっとまて誤解なんだけど。
「違う」
「ええ?下から見下ろされるの好きでしょ?」
待て待て待て、確かにどちらかというとそうかもしれんけどなんでそうなんの…?
「てかまず」
「…」
「るいってMだろ」
…
…いや、まあ…うん。
いやでもさぁ!?好きな人にさ床ドンで手縛られて上にまたがられて下から見下ろされちゃーひゃあああってなるよね!?
…いやまあ確かにMなのか。
「で、していいの?」
「え…」
「するよ?」
「…」
「あーもうするから」
望々の顔が迫ってきた。だんだん強くなる甘い匂いに頭がふわふわしてくる。
止めなきゃいけないのに、拒否らないといけないのに、体が動かない。
「目瞑って。」
言われたとおり目を瞑る。視覚がなくなると他の五感がさらに敏感になる。
「んっ」
唇にあたたかいものが触れた。少し目を開けると目の前にに望々の顔があった。
ほんとにキスしちゃったんだ。
どうしよう、
めちゃくちゃ気持ちいい。
「ぷはぁ」
口を離されてようやく自分が酸素を求めているのに気がついた。
ふと、望々をみたらずっと見つめられていた。
「…な、なに?」
あーやっば
軽い気持ちで瑠李にキスしたけど、
これ、やばいかも
「ごめん、るい」
「え?んうっ?」
どうしよう、止まらない。
「はあっ…あふっ…あっ」
顔を真っ赤にして、目にたくさん涙を浮かべる瑠李をみたら自然と理性が切れた。
「の、のぉっ」
「…」
瑠李の腰に手を回して、もっと深く舌を入れる。
あーどうしようかな
気持ちよすぎてとまんない。
「の、のの…あっ、い、息できなっ…あふっ」
「ん、はあっ」
口を離した。苦しそうに息をする瑠李にちょっとずつ理性が戻った、だけど、
「のの…もっと…」
こいつ俺の理性切らせたいのか。
「ばーか」
頬に手を添えてもう一回キスをする。もう片方の手を太ももに這わせる。
「ひゃあっ」
少し体が反応しだした。
「あ、はふっ…はぁ、はぁ…」
離したら、糸を引いた。真っ白な肌が赤くなって、目には涙がいっぱい浮かんでいる。息がむちゃくちゃ荒くてほんの少し息と混じって声がでてる。どうしよう、ほんとに。エロすぎ、止まんない。女同士なんてわかってる、だけどむちゃくちゃ可愛い。
「今日服どうしたの?めずらしい」
「えっ、それは…その…」
「なに?」
顔を背けられる、そして恥ずかしそうにしながらいった
「ののと2人だったから…」
…なんだそれ、
「可愛い」
「え?」
「なんでもない」
意地でも可愛いって言ってやらない。
だけど、ちょっとまて
「スカート短すぎ」
「へぇ?」
「こんなの中見えるじゃん」
首筋に舌を這わせる。
「やあっ」
縛ってるベルトが緩んできたからはずしてやる
「のの…」
服をつかんでくる。それに答えるように両腕を腰に回してキスをする。一度離して首筋に痕をつけていく。
「だめっ、そこ、み、みえるからぁっ」
「いいじゃん、見せびらかしたら」
何個か軽くつけていく。
「うーん」
「どしたの…?」
「濃いのつけたい、当分消えないようなやつ」
「え、ちょっ!こらっ、ののだめっ」
さっきより強めにつける。
「もう遅いよ、ばーか」
ほかのより濃くついた赤い痕は彼女の白い肌によく映えた。
「これで胸元が出てる服着れないでしょ」
「ばか、最低…」
「ついでにこんな短いスカートはけないように足にもつけたげる」
「は、はぁ!?やっ、そこはだめ!」
右足を持ち上げて太ももに舌を這わせて痕をつける。
「ばか!ばか!」
「いいじゃん、これで露出高い服着れないね」
「よくないの!最低!」
涙目で怒ってきた、全く怖くない。むしろ可愛い。
「ちょっとうるさいよ」
キスをして口をふさいだ。もうトロットロになってる口は甘い味がする、そして瑠李からは甘い匂いがする。そのせいで頭がさらにぼーっとしてくる。
「あーもう、あっま」
口を離して彼女の頬に手を添える。
涙と唾液がぐちゃぐちゃで汗をかいてしまって髪の毛が少し顔に張り付いている。それがとにかくエロい。もう少しだけ、理性ぶっ飛ばしとこうかな。
望々にキスされた。
あのときとにかく必死で、キスしてるときの自分の頭のなかの記憶がない。
あのあと、普通にご飯食べてお風呂はいってその合間合間にも普通に会話をしていた。
そしてとうとう寝る時間。
なにかあるのか。
「るい」
「は、はい」
「今日も一緒に寝よ?」
いやそれむちゃくちゃ嬉しいんですけどね、私の心臓がもたないんだわ。
布団になかなか行かなかったので望々が立ち上がってこちらにきた。
「おいしょっ」
「きゃあ!」
急にされたのはお姫様だっこ。あまりの恥ずかしさにバランスが崩れかけた。
「軽っ、お前食べてる?」
「一緒に住んでたらわかるんじゃないんですか…」
「うーん、まあいいわ…ほれっ」
ベッドの上に放り投げられた。
「はい、寝るよ寝るよー」
横に押し込まれ望々が入ってくる。
恥ずかしいので背中を向ける。
「ねえ、るい」
「な、なに」
振り返って返事をする。
するといきなり望々の顔が目の前にきた。
「おやすみのちゅー」
にやけながら言われた。やられた。
「ばか」
「手繋いでいい?」
「好きにしたら」
手を繋いで指を絡めてきた。どうしよう、ほんと、幸せすぎる。好きな人が横で寝てて、手を繋いで、デートまでして、しかもキスまでして、
…どうして、望々はキスをしてきたの?
おかしい、だって望々は私を好きではないはず
…じゃあ悪ふざけ?
いやでもそんなことない、だってそれならほかの子にもしてるはず
…じゃあどうして?
…好きでもないのに、どうしてしてくるの?
確かに幸せだ、だけど、
好かれていないのなら、愛されてないのなら、それは違う。
どうして?わかんない。
「おやすみ、るい」
「…おやすみ」
わかんないよ
ねえ、望々
幸せなのに、苦しい。
ねえ、あなたは、
私を愛してくれてるの?
愛して。
ひとりにしないで。
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