第13話 反撃の算段

「おいおい、そう怒んなよ。もとはといえば、お前に殴られたのが原因なんだからよぉ」


「カツ! 北高狩りはお前の仕業か!」


「いやぁ、お前ばっかりうまいこといっておもしろくねぇからよお!! ぶっ潰してやる!!」


「ここじゃ場所が悪い。あきらぁ、この京子の制服が返して欲しかったら3日後の正午、西高横の河川敷に1人で来い。いいな!!」


去っていく足音が聞こえた


「京子!大丈夫か!!」明の声がした


「とおるぅ! しっかりしろ!!」


「すまねぇ、俺が弱いばっかりに、京子さんを、、守れなくて、、、」


俺の体が軽々と持ち上げられる。


「さんきゅ、じゅんぺい」


「気にするな、保健室に行こう」


やっと視界が戻ってきた、体中が痛くて感覚があまりない。


「こんなにケガをして!! 何があったの!?」保健室の先生だろうか


「西高のやつらに襲われたんです!」田中が説明してくれている


とりあえず応急処置だけしてもらった。幸い、骨とか、そういうのは大丈夫だった。


「うわぁ、、」顔がめっちゃ腫れてるー


「透くん! 大丈夫!?」


「京子さん、ごめん、守ってあげられなくて、、」


「いいの、あいつら4人で来るなんて卑怯だわ!!」


「透、俺らの方こそ、遅れてすまん。」


「いいんだ、明。むしろよく来てくれたよ。あのままだったらマジやばかった」


「とおるが遅いから様子見に行こうと思ったらさぁ、見るからに危なそうだったから2人を呼んですぐに向かったんだけどよぉ、遅くなってごめん!!」


「田中もさんきゅーな」


「明、どうするんだ? 行くのか?」


「もちろんだ!」


「明、喧嘩はダメだって言ってるでしょ! 制服くらい、」


「そうじゃない!」明が声を張り上げる


「このままじゃあいつは更に悪いことをする。祭りが台無しなったらどうする? 俺らの練習が無駄になる。さらに京子や透に暴力をふるい、傷つけた。あいつは絶対に止めなくてはならない」


「でも1人じゃ危険よ! ケガをしたら祭りに出られなくなるかもしれないのよ!」


「祭りができなくなるよりはましだ。この3人でも最悪演奏はできる。」


「おいおい、まじで行くつもりかよ! 相手は何人いるのかわかんねぇんだぞ!」


「それでも行くしかない!」


「明にこれ以上言っても無駄だろう」いつも無口の純平がしゃべった


「そうだなぁ、明は昔から一度言ったら曲げねぇからなぁ」田中も同意する


「あきら、、」


「京子、心配するな。俺なら大丈夫だ。新しい制服買うんじゃねぇぞ」


「わかった! じゃあそれまで普通にここで練習だからな!」


「ふふ、透もぶれないな、俺に似てるところあるぞ」


「まぁ、俺とお前は固い絆で結ばれてるからな!」


「気持ち悪い事言うなよ、」


そうしてその日は解散した。京子さんは明の学ランを羽織っている


「ほら、言ったでしょ! 初めてを取っていても良い事ないって」


「まさか、こんなことになるなんてね、、」


「危うくファーストキスがカツヒコになるところだったんだから!」


「あいつ、カツヒコっていうのか?」


「そうよ。昔から態度はあまり良くなかったんだけど、あんなひどいことをする人じゃなかったわ。」


「でも明の言う通り、あいつとは決着をつけないとずっと付きまとってくる気がする」


「でも明1人じゃ危険だわ、、」


「なぁに、本当にあいつ1人で行かせるわけないだろ!」


「何か考えてるの?」


「まぁね! 俺もこんなにボコボコにされて、黙ってられるかっつーの!」


見とけよカツヒコ!!

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