第10話 海とキス
「透くんはここにいてね! 学校に行って明たちに今日は休むって言ってくるから!」
「は、はぁ・・・」
「まじか。」
「なんだい。京子の水着姿には興味ないのかい?」
「あぁ、お母さん。だってぇ、一応俺のばあちゃんなわけですし・・・」
「親バカと言われればそれまでだが、私から見ても京子はかわいいと思うんだけど。今までに何回か告白されたこともあるみたいだし」
「確かにかわいいとは思いますよ。でも、俺けっこう頭で物事を考えるタイプなんで」
「いっそのこと元の時代に帰るまでにいただいちゃいなよ」
「な!? なんてことを言うんですか!!」
「自分の孫と交わることなんて、地球上にあんたたちしかいないかもね!」
「ロマンチストをこんな所に持ち出さないでくださいよ!」
確かに京子さんはかわいい、初めて会った時からそう思っていた。性格も明るく元気、よく笑うしとても良い子なのは間違いない、そりゃモテるだろうさ。でもなぁ、、
「細かいところまでは言いませんけど、俺のじいちゃん、つまり京子さんと結婚する人はかなり近い所にいたんです。もし俺のせいで仲が悪くなったら、、」
「大丈夫さ。若造がちょっとやそっとヤンチャしたくらいで、運命はそうそう変わりはしないと思うけどねぇ」
「うーん、、」
「大体、あんたはそんな長くはこっちにいないんだろ? それから孫の代になるまで合わないんだから、あの子の人生にとってあんたは台風みたいなもんさ。一瞬で通り過ぎて、いつもの日常に戻るんだ。そうだろう?」
「まぁ、確かに。」
「こっちに来ていろいろ考えているようだけど、人生は1度きり、こんな奇跡めったに無いんだから楽しんじゃいなよ!」
「いいんですか? 俺に抱かせて、、」
「まだあんたとは付き合い短いけど、礼儀正しいし頭も良い。京子とその子供は良い教育をしているようだねぇ。孕ませられると困るけど、それ以外だったら構わないよ。ほら、親からの許しも出たよ!」
「なんでそんなに楽しんでるんですか!」
「ははは!」
そんな話をしていると京子さんが帰ってきた
「3人ともわかったって。今日も練習していくみたい! これで海に行けるね!」
めっちゃ嬉しそうだな・・・
「そっか。じゃあ、行こうか?海」
「私、着替えてくるね!」
少しすると部屋から出てきた
「じゃーん! どう?」
「に、似合ってる。かわいい・・・」
「でしょー♪ 見惚れてくれてもいいよ!」
ばあちゃんこんなスタイル良かったのかよ!というかもうばあちゃんじゃないな。ばあちゃんと京子さんが違い過ぎて同じ人だと思い込むのが限界になってきた
京子さんに引かれて海に着いたのだが、俺はもうドキドキを隠しきれないでいた。意識しないようにするのが無理というものだ。
「んで、どうする?」
「そうねぇ。別に何も!」
「え?」
「私は透くんに水着姿を褒めてもらって、海を歩ければそれで良かったから!」京子さんの笑顔がまぶしい
「そうなんだ。俺はさっきから目のやり場に困って大変だよ」
「他の女の子見ちゃダメー。見るなら私を見てよ!」
「いいの? ジロジロ見て」
「男の子はそういうもんなんでしょ? お母さんに言われたから。好きな人にたくさん見てもらえば、キレイになれるって言ってた」
・・・・・・
つまり、今のはそういうことだよな?
「まだ会って3日しか経ってないよ? どうして?」
「分かんない! ビビッと来ちゃったんだもん!」
「ここじゃ恥ずかしいよ」
「じゃあ、こっちに来て・・・」
砂浜から離れてテトラポットの中に入り込む
「ここなら、誰も来ないよ・・・」
京子さんの瞳に吸い込まれそうだ。お互いに目を合わせたまま、動かない
「こう見えて私モテるんだから、早くしないと取られちゃうよ・・・」
「!!」もう知らねぇ!どうとでもなれ!
人生でこれほど魅惑的な柔らかさは存在するのだろうか
暖かく、優しい、これが女の子の唇
「ぷは!」呼吸を止めてたから苦しくなってしまった。
「今までずっと守ってきたのに。会って3日しか経ってない男の子にあげちゃうなんて。透くんは幸運の持ち主だね、、」
「そうかも。 ねぇ、、」
「なに?」
「もう1回、」
「うん」
ちゅっ
「もう1回」
ちゅっ
満足するまで何度もした。心がふんわり浮かぶような、中から湧き上がる精神的な快楽に、疲れとか、ストレスとかそのような物が流されていくような、そんな不思議な気分だった。
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