なんだかんだゲームの約束はしてくれる系彼女
「え、バイトのお金でゲーム買うの? スマホのでよくない? ほら」
うみかがスマホの画面を開いて見せてくる。
うみかのスマホの中はSNS系アプリや写真加工アプリなんかに混じって、丸っこいデフォルメキャラを繋げて消すパズルゲームが入っていた。
「そういうのは興味ない? えぇ~こんな可愛いのに! ほら、こうやって○ムを消すんだよ、ほらほら!」
うみかは画面がちゃんと見せられるように隣に座ってくれた。画面を見せようとするあまり前傾姿勢になり過ぎて、うみかのYシャツの隙間から肌色が覗いて視線が全く定まらない。
「ちゃんと見てよ~! ほら、私けっこう上手いんだよこのゲーム。あ、終わった…スコアは………あ、えっちゃんよりランキング上になった。君もやってみなって~。ゲーム上手いんだから、すぐにランキング上の方に行けるよ、たぶんだけど」
うみかのたぶんは十中八九心にも無いことだ。だがきっと何から何までうみかの計算ずくな気もする。
「あ~自分で言っといてなんだけど、確かに男子がやるゲームじゃないかもね」
そう言うとうみかはスマホを閉じてポケットに戻した。そのため姿勢も元通りになってしまった。
「男子の言うゲームってどういうのなの? パズル系はダメなわけ? ちょっとスマホ見せて」
今度は手元に置いてあったスマホをひったくると華麗な指捌きでロックを解除してしまった。
「え? なんでパスコード知ってるのかってそれは………秘密」
心の中が不安になってきた。もしや監視されている?
「あ、コレってやられると脱ぐヤツじゃん! かん…艦なんとかってヤツ。君って案外ムッツリだよね〜」
うみかからスマホを取り戻そうとしてみるがなかなかスマホを捕まえられない。
「スケベな君には返してあげな〜い。…………つーか彼女の私がいるんだから私にこういうことしろよバカ」
最後の方、なんだか露骨に声が小さくて聞き取れなかった。
なんと言ったのか尋ねるがはぐらかされて、今度は画像フォルダを見られそうになっていた。
「見事なまでにゲームとアニメの画像ばっかり…………私の写真とかほとんど無いし」
うみかの周りだけ冬みたいに、体感温度が低くなってる気がする………。
「よし。じゃあ今度デート、しよっか。そんで、その時に私と遊べるゲームでも何でも買うがいいさ! その代わり、デート中は私の言う事、何でも聞いてねっ?」
選択肢は……『はい』or『yes』しかありませんでした………。
「私、パズルとかなら得意だからそういう感じなら一緒にゲームできるかもね。そんなことよりデートどこ行こっか! 私的には遊園地とか行きたいな、新しく出来たんだよ〜。それで、夜は夜景の見えそうなレストランでも食事して、そのあとはね―――」
結局デートだけでバイト代が無くなりそうだけど、やがてゲームが始ま…る?
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