第3話 異次元世界。探究の旅
この異常な世界に入ってきた入口を見つけることが肝要と、高野とジョンは、何の光も射しこまない暗闇のはずなのに薄暗く、それでいて坑道の中の様なトンネル内の広い道をひたすらに、ただ黙々と歩いていたが、行く手の道がV字型に分かれていて、どちらに行くか思案しなければならない。2人は立ち止まって迷っていた 高野は
「ジョン君、如何する? 僕は思うんだが右に進むか、左に行くか、また進んでよいのか、ここのところは考え物だ。君の意見を言ってほしい。このことは一つの運試しだと思うよ」
ジョンは答える。
「そのとうりだな。今は一応右側に進んでみよう、次に分かれ道に付けば、その時にまた考えようよ」
と決めて歩き出したが程なくして又V字型の分かれ道に差し掛かった。
高野は
「1度あることは2度あるという諺があるが正にその通りだね。とすればこれから何度も繰り返し、道は分かれているかもしれない帰り道に迷っても困らないように右に右にと向かって進んで行こう。後の運は天任せだ」
と腹を決めて歩き始めたが、それから先はV字型の分かれ道また分かれ道の連続であった。
高野もジョンも心の中で、右側に進行と決めて良かった。この道筋を歩くことが自分達の宿命だと感じながら歩いていた。行けども行けども長い道のりガ続いている。
高野は案内人が何故見せたいところがあります付いてきてください。と呼びに来たのか今更ながら考えてみても不思議で理由が解らない。
それは小学3年の時,同級生の、あまり親しくない阿蘇君が死んだと言って僕は夜中に泣き叫んだ。母や、祖母がそれは夢だと慰めてくれたが、翌朝学校に行ってみると,朝礼に校長先生より阿蘇君が昨夜亡くなったと聞かされて皆が驚いた。
小学5年生で鉱石ラジオを作ってよりラジオ組み立てに夢中になって電波の波動、エネルギーの波動。念力の波動などについて興味を持って催眠術、念力波及術なども研究。人の念力(思う力は強いほど)エネルギーの波動も大きく、遠方にもかかわらず届くと、言う事を、知った。
例を挙げれば、ある女性Bが、ある男性Aに恋して強烈な思いを抱いて、思いつめるなら、その念力は大きなエネルギーの波動を起こし(脳より微細な電波を発信し)相手の脳に達して(受信する)人それぞれに固有の波長(周波数)があり相手の脳に達して、周波数の同調が取れれば思いが伝わる。
この場合相手の男性Aが少しでもこのBという女性を意識していれば、ラジオのダイヤル又はテレビチャンネルを合わせるのと同じ事(周波数の同調)になり、この女性の顔と想いが伝わって行く。
このことは以心伝心として昔から言ってきた。
但し相手の男性が他の事に夢中になっていて、エネルギ、ーの同調を見られない場合は念力(想い)は伝わらない、
人の念は思い込みによって精神的、肉体的にも、神経病や、
霊のとりつき(憑依という)等、様々な現象を引き起こす事がある。
高野は心の中で、その他にも、念力についての実験やら経験をかさねてきたので、幽体離脱で、此の、ところに案内されてきたのだろうか? といろいろ思考しながら歩いていたが。
ふと念力の伝搬について戦時中のある兵士の実話を思い起こしていた。
その兵士は深夜に、
「只今から敵陣中に潜入し、詳細な状況を確認視察して隊長に報告せよ」と
上官より命じられ、(斥候)せっこうに出た。
艱難辛苦して敵の状況を見て回り、隊長に報告をすべく帰途に就いたが、道を間違い敵陣中を抜けきらず、迷い続けて疲労困憊。
あぁどうしょう。此処で敵に捕まれば、不名誉この上なし、隊長にも報告できない、もう、ここで死ぬしか方法がない、父母や、妻は僕の無事の帰還を待っているだろうに残念だが、もうこれで会えないかも知れぬ、元気で過ごしているのであろうか。達者でいてくれよ。それにしても、今頃如何しているんだろう。
と思いをはせて迷い道を歩いていたら
前方に妻が忽然と現れて手招きする、変だなと思いながら、ついてゆくと味方の陣地に無事帰り着いた。
後に到着した軍事郵便の家族からの手紙に、妻が病で死亡したと有り、その時刻が 丁度兵士が妻の誘導により、敵陣地より抜け出して自分の部隊に帰り着いた時刻とピッタリ合っていた。
この事は敵陣中を抜け出せない兵士の妻えの思いと、今死を迎える妻が戦場にいる夫の安否を気使い、もう一度逢いたいという、最後の執念が波及、同調して遠く離れていても、この現象をもたらした。
このことは人間の心より発する細胞の微小な電力(念力)でも遠隔交信が出来る証拠のひとつに挙げられる。
こんなことを考えながら、ふとジョン君を見たら、驚いたことに何と
彼が空中で横になってゆっくりと平泳ぎの体形で泳いでいるではないか。
高野はジョン君が空中浮揚や空中遊泳が出来るとすれば、僕にも出来るかも知れない。
子供の頃、空中に上がる夢をよく見た。夢の中で、カエル泳ぎの格好で空に向かって手足を、思い切り、ばたつかせて一番上まで浮いて上がったのが、火の見櫓の高さ位で、それでも気持ち良く、夢見る日によって、それ以上は、いくら空の上に登ろうとして、上がらず、手足を踏ん張って、もがいても疲れるだけで、あまり上昇出来ない時もあった。
そんなことを思いつつ下肢に力を入れて飛んでみたら
高野自身も空中に浮かんでいるではないか。そして高野は足腰があまり強くないので、これだけ歩けば普通なら疲れ果てて、もう歩けない筈なのに、疲労感も感じない。
何も口にしてないのに、腹も空かない。僕は本当に生きているのだろうか、と半信半疑の心境になっていた。
真っ赤な球体が追いかけてきて。右の川面に飛び込んだ @hakuanosiro
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