マナ ステータスだよ

「15歳のお母さんなんて、当たり前よ。だからマナちゃんも、早く彼氏を作りなさいよ」

「そんなの、私はまだ……でも結婚とか憧れます」

「結婚するなら、冒険者はやめといた方が良いわよ」

「えっ、どうしてですか?」

「私の旦那、冒険者だったの。それで子供が生まれて、張り切って、1人でフロアボスに挑んで……亡くなったわ」

「……そうだったんですか……」

「そんな悲しそうな顔をしないで……そのフロアボスは、私が単独で仇討ちをしたし……今は子供と楽しく暮らしてるし、変なペットも飼ってるし、充実した生活をしてるから」

「今度、合わせて下さい。お姉さんのお子さんに」

「いいわ。加藤道場に連れて行くね。でも私の事は、お姉さんじゃなくて、名前で呼んで欲しいな……私の名前は、マドラよ」

「わかりました、マドラさん。いつでも道場へ来て下さいね」

「ありがとう。それで今日も魔法の付与だったわね……マナちゃんの事は大好きだけど、私も仕事なんで、お金はちゃんと貰いたいんだけど……」

「もちろん、ちゃんとお支払いします。今日は思い切って、100万円分の付与をお願いします」

「思い切ったわね。わかったわ、全力で付与してあげる。じゃ、制服に着替えて」

「え?」

「私の全力付与は、そうしないと出来ないの……さっ、早く」

「え?ええっ?」


マドラさんに、無理やり試着室に押し込まれて、私は仕方なく、セーラー服に着替えた。


「これでいいですか?」


私は白虎の子供を肩に乗せ、試着室から出ていった。

そこにマドラさんが近づいて、また胸を揉むと……


え?


私の肩に乗ってた、白虎の子供が、マドラさんに猫パンチを放った。


「アイタタタ。この子、こんなに小さいのに、凄い力。何の獣人なの?」

「白虎と人間のハーフです」

「白虎……え?この子、マナちゃんが倒した、魔物の子供って言ってたよね」

「はい」

「ちょっとマナちゃんのステータスカード見せてね」

「どうぞ」

「……未決済……白虎……マナちゃん、あなた、いったい何者?」

「加藤道場の跡取りです」

「強さだけなら、ご両親を遥かに超えるわね」

「はい。最近は一度も負けた事ないです。母にも、父にも」

「これは超本気で魔法を付与しないとだわね。マナちゃんの強さに相応しいぐらいに」


その後も、マドラさんが私にベタベタ触る。

それを白虎の子が邪魔をする。

それを繰り返しながらも、やっと魔法付与が終わった。


「これでマナちゃんの魔法防御力が2000に上がって、かなり強力な魔法以外は受け付けないから、安心して戦ってね」

「わかりました。ありがとうございます」


マドラさんのお店から出て、ギルドへ行くと、また大騒ぎになっていた。


「白虎だぁ?」

「まさか?」

「幻だろ?」

「本当にいたのか?」


私はその喧騒を無視して、窓口に向かい、クエストの報告をした。


「コロリ村の調査、終わりました。白虎、いましたよ」

「えっと?ひょっとして?また、マナさんが、やらかした?」

「何をですか?」

「……ステータスカードを拝見させて下さい」

「はい」


前にも見かけた、受け付けのお姉さんは、私からカードを受け取って、

チラ見すると、すぐに席を立った。


「ギルドマスター室に来て下さい」


私はまた、ギルドマスター室に行った。


中には前と同じおじさんが居て、

受け付けのお姉さんから渡された、私のステータスカードを見て、

固まってしまった。


「……白虎って……いくら払えばいいんだ?こりゃ、本部に聞くしかねえな……マナちゃん、ちょっと待ってくれ」

「はい」


ギルドマスターは、一旦どこかへ行って、しばらくして戻ってきた。


「一億でいいかな?」

「ええっ?そんなに貰えるんですか?」

「いや、これでも少ない金額だ。でもギルドの経営も大変でね。これだけしか出せないんだ。ゴメン。これは貸しにしといてくれ」

「そんな、貸しなんて……あっそうだ……ギルドの冒険者登録は、誰でも出来るんですよね?」

「ああ」

「じゃ、この子も登録をお願いします」

「この子?マナちゃんの肩に乗ってる、猫人?獣人?の子?」

「この子は、白虎と人間のハーフです」

「えええ」

「白虎が死ぬ前に、頼まれて、私はこの子を育てる事に決めたんです。それでどうせなら、冒険者にしようと思って……」

「冒険者?こんなに小さいのに?」

「大丈夫です。私と、この子でパーティを組みます。それなら私の経験値も、この子に入りますよね。それでこの子も、すぐに強くなるはずです」

「白虎の子だし、確かにすぐに強くなるかも……わかった、この子の冒険者登録を認めよう」

「ありがとうございます」

「それで名前は何て言うんだい?」

「あっ、聞いてないです」

「名前なしでは、登録出来ないよ。いくらなんでも……」

「名前……どうしよう……」

「その子は男の子かい?」

「はい」

「じゃ、マナちゃんの連れてる子だから、マナオがいいんじゃないかな?」

「マナオ……いいかも。私の弟みたいですね。マナオにします。ありがとうございます、ギルドマスター」

「どういたしまして。俺もその子の名付け親になれて、嬉しいよ」

「それでは、さっそく登録を……あっ、この子のステータスカードがないです」

「それはギルドで用意しよう。その子のステータス鑑定も終わってるし、ギルド登録済みのカードを作って渡すよ。もうしばらく待ってくれ」

「よろしくお願いします」


名前 マナオ

職業 赤ちゃん

年齢 1

称号

レベル 1

HP 100

MP 100

SP 100

物理攻撃力 1000

物理防御力 500

魔法攻撃力 1000

魔法防御力 500

素早さ 500

筋力 200

知力 100

幸運 2000

器用さ 100

未決済

魔法

アイテム

スキル

パーティ マナ


渡されたステータスカードを見て、私は驚いた。

色んなステータスが高い。

特に魔法攻撃力とかは、白虎より高い。

これはマナオのお母さんは、有力な魔法使いだったかも?

でも一番高いのが幸運って……

両親を亡くしてるのに……

これは、私に拾われた事が、幸運っ事でいいのかな?


私のステータスもチェックしてみた。


名前 マナ 加藤

職業 中学生 冒険者

年齢 14

称号 狂武将

レベル 200

HP 2000

MP 200

SP 2000

物理攻撃力 100000

物理防御力 5000

魔法攻撃力 200

魔法防御力 1000

素早さ 20000

筋力 2000

知力 2000

幸運 5000

器用さ 500

金 1億

未決済

魔法 魅了14 (中年男性のみ)

アイテム セーラー服(魅了)

スキル 皆殺し 100 屠殺 100 手刀900

虐殺 100 瞬殺 1000(進化可能)

秒殺 1000(進化可能)

殺戮 1000(進化可能)

母性本能 1

パーティ マナオ


殺って付いてるスキルが、進化可能になってる。

明日終業式が終わってから、マドラさんのお店に行って、相談してから、進化するか決めよう。

魔法も習いたいな。

でめマドラさん、セーラー服に付けた魔法の付与……

魅了って……いらないよ。


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異世界ドラフト会議 佐藤四郎 @kirino098

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