桔梗 魔物召喚だよ

セバスチャンが帰ると、すぐに次の客が来た。

身長が2メートル以上あって、体重も100キロ以上ありそうな、バカでかい大男だ。

ワンショルダーの毛皮の服を着ていた。原始人かよ。


「俺はゴリ。よろしく」


ゴリはそう言うと、1メートル80センチぐらいある大楯と、その盾に隠れていた……

どこかで見た事のある、空気人形を持って来た。


「この人形。中古屋で買って、使ってたんだけど、汚れたので。こっちの盾と、混ぜてみようかな?って思って来た。よろしく」


うわぁ、使用済みかよ……とりあえず鑑定してみるか。


大楯。物理防御力+500 素早さ−200。


南極1号。一度だけ使用者の身代わりに

なる。


やってみるか……


「それでは、料金を10万円いただきますが、よろしいでしょうか?失敗しても、お返ししませんけど」

「よろしく」


10万円受け取ったので、とりあえずやってみた。


「ウーヤーター。スキル武器合成」


空気人形が、盾の表面に、ピッタリと張り付いて、そのまま形を変えた。

うわぁ、これは……

俺は目線を外した……

途中まで見えてたのは……

盾のサイズいっぱいの、バカでかっい女性器……


「おう。凄くエロい。よろしく」


ゴリは毛皮を脱ぎ出した。


「ちょっと待った。こんな所で、何をやろうと、してるんですか……そんな事は、自宅でやって下さい」

「そうだな。楽しみは後に取っておくべきだな。よろしく」


俺は嫌々だけど、合成の成果を確認する為に、その盾を鑑定した。


物理防御力+500 素早さ+100

大型魔物完全魅力100(雄のみ)

対槍使い MP全吸収 100



何気に、とんでもない盾になったかも?


「ウホッ、ありがとうな。すぐに帰る用事が出来たので、よろしく」


ゴリは盾を抱き締めて、速攻で帰った。


「そろそろランチになさいませんか?お天気もいいので、こちらで召し上がってはいかがしょう?」


そう言いながらシロカさんは、2人ぶんの料理を、ワゴンに乗せて運んで来た。

それを広場の隅にあったテーブルに並べてると、

そのテーブルとセットの椅子には、赤目さんが既に座っていた。

シロカさんがセッティングしてくれたランチを、赤目さんと2人で食べた。

フレンチ系の料理で美味しかった。


「午後からは、魔物召喚を試しましょう」

「はい……でも、どうすれば?」

「好きに言えば、良いんですよ。但し、気持ちを込めて下さい」

「わかりました。行きます……出てこい、スキル魔物召喚」


なんか、2メートルぐらいある、くそデッカい亀が出て来た。

そして、その亀の頭が……男性器そのもの……


「うわぁ、素晴らしい。これは亀頭亀ですね。幻獣ですよ。私も初めて見ました」

「幻獣?これが?」

「はい。防御力が凄くて、こうやって叩いても……」


赤目さんは、亀の甲羅を、鞭でビシビシと叩き出した。


「いくら叩いても、壊れないんです。叩きがいがありますよ。この亀。それによく見て下さい。頭が長く伸びて……」

「いいですから、もう。要らないですから、そんな情報……それで、この亀はどうするんですか?」

「桔梗さん。スキルの魔物使役を持ってないですよね。私もないし……残念だけど動物園に売りますか?」

「はい、お願いします」


赤目さんが電話をしてくれて、動物園の人が明日。受け取りに来てくれるそうだ。

とりあえず鑑定してみるか。


名前 亀頭亀

職業

年齢 20

称号 幻獣

レベル 20

HP 500

MP 20

SP 20

物理攻撃力 100

物理防御力 10000

魔法攻撃力 20

魔法防御力 500

素早さ 20

筋力 500

知力 20

幸運 100

器用さ 20

魔法

アイテム

スキル 白弾20 伸長20

パーティ


物理防御力10000。俺の知ってる中では最高だ。

硬いな。この亀。


「桔梗さん、それでは次の召喚をして下さいね」

「はい赤目さん……いでよ、スキル魔物召喚」


「ハハハハハハ。呼んだか?」


出て来たのは、デッカいペンギンみたいな、ゆるキャラみたいな、魔物。


「儂はスワロー男爵じゃ。貴族なのである……控えおろう」


また変なのが来たよ。これも幻獣か?

そう思って赤目さんの方を見ると……

赤目さんは、唖然として、ポカーンと口を開けて、魔物を見つめていた。


「こんな魔物。見たことも聞いた事もありません。何でしょう?桔梗さん」

「そんな事を言われても……僕には、まったくわかりません、赤目さん」


「うむむ。ここには未亡人はおらぬな。では、さらばじゃ」


着ぐるみみたいな、ツバメのスワロー男爵が、バタバタと手を動かしたら、

ゆっくりと空中に上がって行った。

1メートルぐらい上空に上がると、

そこからゆっくり横に飛んで……

まだ居た……

まだ居た……

少し離れた……

さらに離れた……

でも、まだ丸見え……

少し見にくくなった……

あっ、誰かに足がぶつかった……

逃げた……

少し速くなった……

やっと見えなくなった……


「なんだったんですかね?桔梗さん」

「僕に聞かれても……」

「次の召喚しますか?」

「はい。とりあえずスキル魔物召喚」


何か出て来ました。

とにかく臭いです。

焦げ茶色の、とぐろを巻いた塊です。高さが1メートルぐらいあります。


「うんこだけど何か?」

「……」


赤目さんが沈黙してるので、ここは俺がツッコムしかないな。


「デカすぎるだろ」

「サイクロプスのうんこなので何か?」

「臭えんだよ」

「うんこだけど何か?」


「土魔法、落とし穴」


赤目さんが大きな落とし穴を、魔法で作って、

そこに、サイクロプスのうんこは、キッチリと落ちた。


「土魔法、土被せ」


穴が塞がって、やっと臭いが無くなった。


「ありがとうございます、赤目さん」

「うんこは二度と召喚しないで下さいね」


そう言って作り笑いをした赤目さんの手には、大きなガラス製の浣腸器があった。


「どうせ臭いなら、次は桔梗さんに、これを使いますから」

「二度とうんこは召喚しません。ごめんなさい」




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