桔梗 ドラフト終了だよ

ドラフト会議2日目。

今日のホテルの会場は、各国のVIPが居て、12のテーブルに付いていた。

それで、俺たちは、

ホテルのラウンジや、レストランや、ロビーや、客室など。色んな場所で、待機させられていた。

その中で、俺の待機場所は……卓球場……なんでホテルに卓球場があるんだよ。ここは温泉旅館か。

そう言いながら、暇そうな一般客を相手に卓球をしながら、テレビモニターを見てると、ドラフトが始まった。


「それでは、第一回指名選手、ガワコスライダー。死者王国」


おっガワコスさん。1か国目から指名か……でも死者王国って……嫌だな。


「続きまして、沖田総司。聖王国」


なんか合ってそう。


「続きまして、ガワコスライダー。獣人王国」


ガワコスさん人気あるな。獣人王国って、タマさんの所かな?


「続きまして、ガワコスライダー。竜王国」


またガワコスさんだよ。指名、集中するな。


「続きまして、ガワコスライダー。機械王国」


あっ、ここが。一番ガワコスさんを欲しいだろうね。


「続きまして、堕天使中二病。西王国」


「続きまして、堕天使中二病。南王国」


「続きまして、堕天使中二病。東王国」


堕天使さんも、めちくちゃ人気あるな。


「続きまして、ミルクゴックン。エルフ王国」


これは……ミルクさんの、精霊加護に惹かれたのかな?


「続きまして、光ハゲアタマ。カッパ王国」


そのままだ。


「続きまして、白鳥ゴージャス。ウサギ王国」


「そして最後に、白鳥ゴージャス。夢王国」


あれ?俺の名前……やっぱりないか……外れ一位か……


「それでは、競合した。死者王国。獣人王国。竜王国。機械王国。西王国。南王国。東王国。ウサギ王国。夢王国の代表の皆様。ステージにお上がり下さい」


ステージに上がった代表者の中から、競合の少ない順に、クジが引かれた。


ウサギ王国から順番に引いて。


白鳥さんが、夢王国。堕天使さんが南王国。ガワコスさんが、獣人王国に決まった。


「抽選に外れた方は、ステージに残って下さい。当たった方は、テーブルに戻って下さい。よろしくお願いします」


外れた人が、順番に箱の中の封筒を引いていった。

その封筒の中に、番号の書いてある紙が入っていて、それによって、外れ一位を、順番に指名していくシステムみたいだった。


「それでは一番の、死者王国から。指名をお願いします」


司会者からマイクを向けられた、鎧の人は、頭がなかった。

デュラハン?

その人は、慌ててテーブルに戻って、頭を抱えて、ステージに戻ってきた。


「雅オシトヤカ」


指名の後、カメラが切り替わって、雅さんを写すと。


雅さんはロビーで倒れてた。


やだよな。死者王国って……


「続いて、西王国の方。よろしくお願いします」

「真田幸村」

「続いて、東王国の方。よろしくお願いします」

「伊達政宗」


このあたりの代表は、普通の人間だ。白人のデカイおっさん。


「続いて、機械王国の方。よろしくお願いします」

「伊集院デラックス」


うっ、後2人。


「続いて、竜王国の方。よろしくお願いします」

「キラリン露出癖」


うわっ、俺、最後か……


「そして最後のウサギ王国は、桔梗スイーツウイッチに確定しました。これで第一回ドラフト会議を、全て終了いたします」


?あれ?俺の前に居たテレビカメラマン。俺を写さずに、帰っちゃったよ。


ここで最後まで残った人の、残念な絵を撮らないとダメだろ?

異世界のテレビは、まだまだだな。


テレビクルーが去って、代わりにやって来たのは、ウサ耳の皆さんだった……

やった。みんなセクシー。胸デッカい。

でも、なんでバニーガールの衣装なんだろ?

耳は本物だろうけど。


「桔梗さん。私は宮廷魔法使いの赤目です。これからあなたの指導係になりましたので、よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします。赤目さん」


赤目さんは、バニーガールの衣装の上から、マントを羽織っていた。

そして被ってた、三角帽子には、2つの穴が開いていて。そこから長い耳が、ぴょこんと飛び出していた。


「可愛いですね。よく似合ってますし」

「ありがとうございます。可愛いは、ともかく。似合ってるって言うのは、凄く重要なんですよ。服が似合ってると、魔法の付与がなくても、防御力が上がるんですよ。桔梗さんの魔法少女服も、凄く似合ってて、それで防御力が上がってるはずですよ」

「ああ、それで。僕は攻撃力に対して、防御力が高いんですね」

「物理攻撃力1。物理防御力500。極端ですね」

「恥ずかしいです」

「大丈夫ですよ。桔梗さんは、魔法適正がありますから。私が保証します」

「ありがとうございます」


そんな事を言いながら。俺たちは空港へ行って、飛行機に乗った。


「この世界。なんでもあるんですね。驚きました」

「科学は発展してないんですけどね。魔法で代用してます。飛行機とか、車とか、電気とか」


ウサギ王国に着くと、そこは暖かかった。

空港なのに、のんびりしてて、慌ただしさを感じなかった。


「暖かかくて、いい国ですね」

「この国は、温暖な気候ですから、一年中過ごしやすいですよ」


赤目さんの運転する、赤い車に乗って、やって来たのは、ウサギ王国の王宮だった。

デッカいウサ耳のオマージュが付いた、大きな門を潜ると、その先には、

子供の頃、絵本の中で見たような、ベイビーピンク色の、可愛いお城が目に入った。

お城の中は、いたるところに、ポプリの入ったポットがあって、お城中が、優しい香りがした。

しばらく場内を歩いて、

扉に、ピンクのウサギが、バカ笑いしてる、小さな看板の付いてる部屋に案内された。


「ここが桔梗さんの、お部屋です。私の部屋の隣ですよ」

「えっ?赤目さんの隣のお部屋で、いいんですか?」

「はい。陛下より、そう伺ってます」

「でも……赤目さん、男と女で、隣の部屋っていうのは……」

「大丈夫ですよ。部屋には鍵が掛かりますし。それに私……かなり強いですよ」

「あっ、そうなんですね。ごめんなさい」

「いえいえ、大丈夫ですよ……あっ、メイドさんが来ましたよ。桔梗さんに用があるんじゃないでしょうか?」


部屋の中に入って来たのは、色の白い、細身の美少女だった。


「失礼します。私は、桔梗様の担当メイドになりました。シロカです。よろしくお願いします」


「あっはい。桔梗です。こちらこそよろしくお願いします」


俺がシロカさんに挨拶を返した後、赤目さんが、俺に話かけてきた。


「桔梗さん、今日は色々、用事もあるでしょうし。修行は明日からにしますね。では、また明日……あっ、これを渡し忘れてました。アイテムバック。異空間に物を収納できる優れものですよ。これは小さいサイズですが、王国から支給されますので、どうぞ使って下さい」

「ありがとうございます赤目さん」


俺は、持ち物が、今着てる魔法少女服と、そのセットの杖と、ステータスカードと、今もらった、アイテムバックしかないので、買い物に行く事にした。


とりあえずアイテムバックに杖を入れて、


「クローズ」


って言ってみたら、忽然とバックが消えた。

それで今度は、


「アイテムバック」


って言ってみたら。突然バックが現れた。

これは凄い。役に立ちそうだ。良いの貰ったな。













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