桔梗 スキルで揃えたよ
「それでは競合された、白鳥ゴージャスさんと、桔梗スイーツウイッチさん。ステージにお上がり下さい」
あっ、俺か……俺がステージに上がるとそこには、箱を持った女の人が待ち構えていた。
「それでは桔梗さん、箱の中から封筒を引いて下さい」
司会者にそう言われて、俺は箱の中から封筒を引いた。
そして白鳥さんが、もう一枚の封筒を引いた。
うわっこの人。女なのに、俺よりずっとカッコいいよ。デカイし……って、俺が小さいのか……
「それでは封筒を開けて下さい。当たりって書いてある方は、挙手をお願いします」
こいっ、俺のワルサーP38。俺は一気に封筒を開けて、中の紙を見た。
そこには。スカ。って書いてあった。
スカとか書くなよ、もう。
そして当然、白鳥さんが、紙を掲げて、手を上げた。
「確定しました。ワルサーP38は、白鳥ゴージャス」
白鳥さんは、手を上げながらステージの左右に目線を向けて、たかれるフラッシュに答えて、輝くような笑顔を見せた。
キャラ入ってるなあ、この人。
「それでは抽選に外れた桔梗さん、外れ一位の指名をお願いします」
あっそうか、すっかり忘れてた。
「すいません、少し時間を下さい」
「わかりました。でも、出来るだけ早めにお願いします……この間にCM」
俺は慌てて自分の席に戻り、隣のタマさんに声をかけた。
「困りました、どうしよう?」
「珍しいのとかは、いかがですか?」
「どんなのが珍しいんですか?」
「世界に一つしかないのは。アイテムの、電動十手、天狗セット、巨大ロボ。スキルの、魔物合成、トレード、触手、獣人化ですね」
「どうしようかな……よし、応用が効きそうだから、トレードにします」
俺はトレードのページを抜いて、ステージに持って行った。
「桔梗スイーツウイッチ、1位、スキル、トレード」
よし。とりあえず次だな。
そう思って俺がステージから降りると、代わりに光がステージに上がってきた。
「おおっ、早くも2位指名を決めた方が、ステージに上がってまいりました……第二回希望指名、魔法、光。光ハゲアタマ」
光はまたここで、抗議してたが、やっぱりダメで……
俺は自分の席に戻った。早く2位指名を決めないと。
「桔梗さん、とりあえず決まったのは、資料から外しておきました」
「ありがとうございます、タマさん」
この猫の人、気がきくなあ。
「次どうしようかな?タマさん、何かアドバイスもらえないですか?」
「スキルもそうですが、魔法もアイテムも、ドラフトで選べるのは、全てレベル1なんですよ。だから、使い勝手が悪い、かもです」
「なるほど、そうすると僕のスキル、トレードだと……たとえば、レベル1では、スキルのみしか、トレード出来ないとか?」
「ありえますね」
「そうなると、2位から4位まで、スキルばっかり指名したほうが、良さそうですね」
「そうですね」
「スキルか……」
俺は慌ててスキルのページをめくった。
「じゃ、このレアスキルかな」
俺が悩んでるうちに、ガワコスさんがステージに上がっていた。
「第二回希望指名、アイテム、巨大ロボ、ガワコスライダー」
ガワコスさん、巨大ロボに行ったか。使えるのかな?
「第二回希望指名、職業、魔法使い、堕天使中二病」
堕天使さんらしい。
「第二回希望指名、スキル、敵感知、キラリン露出癖」
キラリンさん盗賊狙いかな?下着泥棒?違うか。
ここらで俺もステージに向かうと、俺の前に、三人の男装女性が、固まってステージに上がって行った。
剣士コスプレの皆さんだ。固まってるので、元々仲間で、相談して決めてるのかな?
「第二回希望指名、職業、武士、沖田総司」
「第二回希望指名、職業、勇者、真田幸村」
「第二回希望指名、職業、剣士、伊達政宗」
職業で固めてきたか。
その後、俺もステージに上がって、司会者に、用紙を渡した。
「第二回希望指名、スキル、レア、桔梗スイーツウイッチ」
俺の後ろには三人が固まって並んでいた。男アイドルコスプレの、女の人たちだ。
「第二回希望指名、魔法、聖、白鳥ゴージャス」
「第二回希望指名、魔法、強制転移、伊集院デラックス」
「第二回希望指名、スキル、福袋、雅オシトヤカ」
そして最後に上がってきたのが、ミルクさんで、
「そして最後の第二回希望指名、スキル、状態異常耐性、ミルクゴックン」
おっこれは……2回目は競合なしか、ラッキー。よし、次もスキルで……
「第二回の選択は、競合がなかったので、これで決定です……それではしばらくCMです」
その間にも、キラリンさん、光、ガワコスさん、堕天使さんは、ステージの下に並び出した。みんな早いな。
CM明けに、司会者が一気に読み上げた。
「第三回希望指名、スキル、罠感知、キラリン露出癖」
「第三回希望指名、ポーション、福袋、光ハゲアタマ」
「第三回希望指名、アイテム、仮面、ガワコスライダー」
「第三回希望指名、アイテム、魔杖、堕天使中二病」
獣人化して、その上から仮面?それに巨大ロボって……ガワコスさん……
堕天使さんは、狙い通りだな。
光のポーションは、即戦力狙いかな?
ステージには、次々に人が上がって行った。
「第三回希望指名、魔法、治癒、沖田総司」
歴史上の沖田総司は、確か結核で亡くなったはず。そのためかな?治癒って。
「第三回希望指名、スキル、HP自動回復アップ、真田幸村」
「第三回希望指名、スキル、レベル経験値アップ、伊達政宗」
続いて、男アイドルコスプレの皆さんがステージに上がって、
「第三回希望指名、アイテム、福袋、白鳥ゴージャス」
「第三回希望指名、魔法、レア、雅オシトヤカ」
「第三回希望指名、魔法、福袋、伊集院デラックス」
あと二人。俺も早く行かないと。
「第三回希望指名、スキル、魔物合成、桔梗スイーツウイッチ」
「そして最後の第三回希望指名、魔法、回復、ミルクゴックン」
3回目も被りなしか。後、残ってるスキルは……って、俺が考えてる間に、光、ガワコスさん、堕天使さんが、ステージの下に並んでいた。
「第四回希望指名、スキル、HP経験値アップ、光ハゲアタマ」
「第四回希望指名、スキル、飛行、ガワコスライダー」
ガワコスさん、異世界系というより、日朝系?
「第四回希望指名、アイテム、魔ローブ、堕天使中二病」
堕天使さんは、最後までブレないな。
「第四回希望指名、スキルHP吸収、沖田総司」
「第四回希望指名、スキル、石化無効、真田幸村」
「第四回希望指名、アイテム、レア、伊達政宗」
司会者がそこまで読み上げると、ステージ下に居た、男性アイドルコスプレの三人が、固まって何か、話合っていた。
それで、その横を通って、キラリンさんが、先にステージに上がった。
「第四回希望指名、アイテム、魔ローファー、キラリン露出癖」
速さ重視かな?撤退的に盗賊だな。
そろそろ俺も行くか。
相談してる三人を抜いて、俺もステージに上がった。
「第四回希望指名、スキル、魔法召喚、桔梗スイーツウイッチ」
俺に続いて、ミルクさんもステージに上がった。
「第四回希望指名、スキル、精霊加護、ミルクゴックン」
最後に三人組もステージに上がった。
「第四回希望指名、スキル、MP吸収、白鳥ゴージャス」
「第四回希望指名、魔弓、伊集院デラックス」
「第四回希望指名、アイテム、レア、雅オシトヤカ」
あっ、アイテムのレアが、被った。
「雅さんは、ステージに残って下さい。そして同じく、アイテムのレアを指名した。伊達さん。ステージにお上がり下さい」
ステージ上で二人による抽選が行われでて、選ばれたのは、雅さんだった。
そしてCM明けに伊達さんが最後に選んだのは、
「スキル、魅了無効。伊達政宗。これでドラフトが決定しました。でもテレビの前の皆様、まだ見どころはいっぱいありますよ。福袋の中身と、レアの発表がありますよ。期待してお待ち下さい」
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