リアル「トイレの花子さん」

授業の合間に、小学生たちにトイレの花子さんの話をしたら

「そんなのいるわけないじゃ〜ん」とバカにされたのだが

そういっていた女児が塾のトイレに行くのに

友達を誘っていたのを見ると

やはりトイレに行くのが怖いのかなと思った。


私に「オバケなんておらんよ!」といっていた男児も

いつもは一人でトイレに行くくせに

そんなに仲良くもない生徒を誘って連れションをしていた。


小学生は単純だ。


私はそっと連れションの彼らの後を追い

トイレの入り口のドアが閉まったのを確認してから

そのドアをドンドンドンドン!と激しく叩いた。


中から男児の叫び声が聞こえた。


鼻で笑って事務所に戻ると

その連れションをしていた生徒たちが

私のところにやってきた。


そして「先生、この塾、何かおる!」とかなりビビって私に報告をしてきたのだが

その彼のズボンはおしっこで濡れていた。


もう、生徒を驚かすのはやめようと思った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る