雨の日に

雨の日は、傘やカッパなどの雨具を使うと思うが

アメリカ人は使わない人が多い。


なぜかなと考えてみたけど分からない。


そこで実際にアメリカ人に聞いてみた。


すると、私が質問をしたそのアメリカ人は

「雨は天から降ってきているから天の恵みなんだ。

どうしてそれを避けなければならないんだい?」

と目を輝かせながら答えた。


でも、彼の目は曇っていたから

なんだか本気でそう思っているとは思えない。


多分彼は何かの理由で私に嘘をついている。


そこで私は、別のアメリカ人にも同じことを聞いてみた。


すると、やはり私の思っていた通り

別の答えが出てきた。


それは、

傘を使うと持ち運ぶのが面倒だ、とか

傘を使うと、後で晴れたときに持って帰るのを忘れるから

というものだった。


ようは面倒臭いということだろう。


私は、濡れた後に服を着替えたりする方が

よっぽどか面倒臭いと思うのだが。


傘をささない本当の理由は分かっただけど

天の恵みというのはかっこいい。


そこで私は、私の生徒たちにそのことを言ってやろうと

小学生の授業のときに聞いてみた。


「先生は、雨の日でも傘をささないんだよ。なんでだと思う?」


すると生徒の一人が

「それは先生がバカだからです」

と答えた。


続いて別の生徒が

「先生は貧乏で傘が買えないからです」

と答えた。


そしてもう一人が

「先生、授業と何の関係があるんですか。」

と言った。


そう、彼らはみんな正解だ。


敗北感を味わいつつ

「それはね、雨が天の恵みだからなんだよ」

「だからそれを避けないために、先生はわざと傘をささないんだよ」

と求められていない答えを、私は伝えた。


あ〜、私は悲しいピエロ。


今度から何かを話すときは、

よく考えてから口に出そうと心に誓った。


そして、雨の日は、やっぱり傘をさそうと思った。

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