小学生と不審者の影
後ろから足音が迫ってくる。
コツコツという乾いた音が、私の方に向かってきているのは間違いない。
私の歩くスピードより少し早く、私の歩いた跡をなぞるように
徐々に徐々に、私を射程圏内に取り込もうとしている。
その足音が近づくにつれ、はぁはぁと言う息遣いが聞こえてきた。
まるで私がその存在に気づいていないかのように、
そのえげつない息遣いは、私の耳にねっとりとこびりついている。
おそらくその足音の主は、手を伸ばせば、私に触れることができる距離にいる。
振り返って確認したいけど、それをするだけの勇気が湧かない。
足音と息遣いが私のすぐ横まで来た。
もうだめだ!
と、その小学生の女の子は思っているのだろうなと、
犬の散歩をしながら、女児と同じ方向に向かって歩いていた私は想像した。
私はその小学生を襲う気があるわけでなし
私の飼い犬もその女児におしっこをかけたいわけでなし。
でも明らかにその女児は私を警戒していた。
散歩のコース変えようかなと、思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます