自分とは?

自分とは何か?

そんなことをずっと考えていたら

もしかしたら、自分は脳みそなのかもしれないと思った。


身体は身体で、脳みそとは別に存在して

私という脳みそが身体に指示をして、

初めて動くようになるのだ。


そう考えていたら、色んなことが分かってきた。


朝、起きなければならないのに、起きれないときは、

それは私ではなく、私の身体が起きるのを拒否をしているのだから

脳みその私は悪くない。


私の指示に従わず、身体が「まだ起きない!」と反応したとしても

私は寝ていない。


寝ているのは身体であって、私自身は起きているのだ。


仕事や勉強をしたくないと身体が反応してしまったら

それは私ではなくて、私の身体がそうしているのだから

私には何ら非はない。


私はやる気に満ち溢れて、不眠不休で働き続けようとしているのだ。


たまたま私が扱っている身体の出来が悪いから

私という優秀な脳みそが十分に活かされていないだけの話なのだ。


脳みそである私は、私はもっと美形だと意識しているが

身体が私の理想に近づいてこない。

鏡を見るとそれがすぐに分かる。


ダイエット中にスーパーへ買い物に行くと

店先の焼き鳥屋さんの匂いにつられて

ついつい焼き鳥を買ってしまうのは、身体が勝手に動くからだ。


思い通りに事が運ばないのは、

すべて私の身体が原因なのだ。


このままでは、脳みそである私は、

私の身体を思い通りに動かせなくなってしまうかもしれない。


危機感を感じた私は、明日から

このダメな身体を鍛え直して、

私の思い通りに動くようにすると決心した。

手始めに早起きしてジョギングをしようと脳みそである私は

目覚ましをいつもより1時間早くにセットした。


そして次の朝、脳みそである私が目覚めると、


外は、雨だった。


今日は走るのをやめて、ゆっくり寝ることにしようと

脳みそである私は、身体と意見を一致させ

再び眠りについた。

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