テディベアッ!
殺風景だった部室も今じゃ校長に怒られるほど私物化。
「……お前らなぁ。この前校長に怒られたばっかだよ。そのこたつとテレビ止めろ。」
「無理です。それにこれは自腹だから良いじゃないですか。」
「それに部費をテリヤキとかで使いきったですよ!」
「まぁ、確かにでもよ。何か分かんねぇけど実家を思い出すんだよ。ほらぁ、
「センセーも食べます?」
「食べる。」
センセーはそう言いこたつの闇に入っていった。
こたつの闇は深く深ーい闇まるで宇宙のような無限地獄。
するとドアが開く。みんなはまた校長だと思った。
「あ、あの~。」
声が違う。女の声!?
校長ボイスチェンジの手術したの!?
四人はドアへと顔を向けると、、、学園マドンナ
「あの~、依頼が有ってここに来ました。」
そう言い埜々は部室に入ろうとすると、理人がとっさに止める。
「ひ、柊さんここ土足禁止なので上履き脱いでくれるでしょうか。あっ、上履きはあそこの棚に入れてください。」
「、、、えっ!?あっは、はい。」
ナイス理人。
そうここは私物化が進み過ぎてカーペットまで敷いてある。なので土足禁止。
ちなみにうちはおじさんの位置を替え(投げた)、依頼人の座れるスペースをつくった。
おじさん痛そう。ちょっと強く投げすぎたな。
「それでご依頼は?」
「あっ、それが最近私の私物が無くなるのです。」
そりゃ人気者ですからねぇ。
「最初は消しゴムとかだったし数日すれば見っかったので特に何も思わなかったけど最近は体育着やマフラーとかが無くなって今日、帰ろうとしたらカバンが無くなっていてでも何故か代わりにこれが……。でも教科書やノートとかはロッカーに入れてたのでカバンには小説とかお弁当だけだったので良かったのですが…。」
カバンの代わりにの物はテディベアだった。目が取れて昔から使われていそうな……。怨霊とか居そう。
それでうちは興味包囲でテディベアの背中を見てみた。背中は綺麗に破れていて中には綿の替わりに紙が入っていた。メモ帳の切れ端みたいな?
それで、紙には、「死ね」だとか「消えろ」だとか「目障り」等のありきたりの悪口が書いてあった。
「うむ、これは先生として見逃せないね。これの犯人分かったら先生に教えるんだよ。」
「はーい。」
面倒臭そうに返事をするがその時にはセンセーの姿はなかった。
替わりに廊下から叫び声が聞こる。
おじさんよ。まだ25だからって思ったわ。これからはもう25って考えるよ。
「俺先生の様子見に行ってくる。」
「おじさん相手に頑張れー。……それで柊さんはメモ帳とか持ってます?」
「も、持ってますけど。」
「柊はどうしてカバンが取られたことを帰るまで分からなかったの?」
「それは、ずっと本を読んでいたので…。」
「カバンには本があるはずじゃ……。」
「もう一冊有るんですよ。」
「…そう。ねぇ、柊さんの教室行っても良い?」
「はいどうぞ。カバンが見つかるなら。」
柊さんは自分から良いと言った。
「…飛鳥はここに残ってて、テキトーにパズルでもやっといて。」
「…うん。」
***
途中、おじさんともすれ違った。
柊さんの教室は2-Dで席は廊下側で一番前の席はだった。
「机とか見るけど良い?」
「はい、どうぞ」
机には特にない。
次はロッカー。
ロッカーには確かに教科書やノートがある。
筆箱にはシャーペンメモ帳、消しゴム、とかがあった。
カッターは、筆箱から出ていた。
後はゴミ箱…だけどもう捨ててるか。空っぽだ。
「じゃあ、部室戻るか。」
***
「今日だけで解決出来るかなぁ?」
「で、できますよ。それに家にカバンあるので…。それにカバンに特に大事な物はないので。」
***
「ただいまー。っておじ…じゃなくてセンセー居たんですか。」
「おい、今おじさん言いかけただろ。」
「…何か収穫有った?」
「全っ然っ無い。」
「そっか。それでね。こっちはパズル終わったよ。写真撮った。」
飛鳥はそう言いスマホをいじる。
「オォー、流石だね。」
『プルルルルプルルルル』
電話が鳴った。それに反応したのは柊さんだった。どうやら家からかかってきたらしい。
「ごめんなさい。弟だった。お腹空いたらしくて、でもこのまま帰るのも、…でもいい。帰りますっ。」
柊さんは部室から出てった。
「犯人は誰かいっせーので言ってね。」
うちが言うとみんなは頷いた。
「いっせーの」
「「「「柊さん」」」」
「え?………先生も柊さんなんだ。」
「まぁな、普通ならカバンを見付けてから帰るけど柊さんは帰ったからね。」
「それにカバンの中が都合良すぎ、ノートとかがカバンに無いのはおかしい。」
「そうそう、柊さんのロッカーにこの柄のメモ帳が有った。」
「これって、、、このテディベアと同じ奴だ。」
うちが破った柊さんのメモ帳とテディベアに入っていた紙と柄が同じだった。
「次はテディベアの綿だけど…家で取った可能性も…。」
「物は試しに、、、一応行った方が良いよ。」
私は他三人を置いていき、ごみ捨て場の所へ向かった。
生憎おじさん以外の先生はいないから廊下を走ることに注意する人はいない。
***
うちはごみ捨て場に行くとそこには柊さんがいた。
「……柊さん…今何やってました?」
柊さんはごみ袋をあさっていた。
その手には少しではあったが綿があった。
「何であなたここに?」
「うちもあなたと一緒でもしかしたらここに綿があるかも知れないと、考えたのです。」
「そ、そう。」
「予想通りでしたね。でも、そのカバンは一体?」
柊さんは綿が固まる程強く強く握り締めていた。
ついでにカバンも持っていた。
「な、何故か下駄箱にあったのよ。」
「…そうですか。でも、まぁもうそろそろ日が落ちてしまいます。弟さんがお待ちですよ。」
うちは分かりやすい演技をした。
柊さんは追い詰められている。まるでうちが悪役の方だ。
「まぁ、、、カバン、見つかって良かったですね。」
うちはそう言い帰っていた。
「…許さない…。」
「どうだった?」
「犯人、柊さん決定。カバンは見つかりハッピーエンド。だけど、結構追い詰めたからなぁ。逆恨みがあるかも。」
「おぉ、その時は先生味方しねーぞ。」
おじさんは何故か嬉しそうだった。
味方しろっ。
「早ければ明日位から柊埜々の逆恨み計画実行!」
理人が笑顔で言う酷いな。おい。
~次の日~
「い、、、嫌ーー。」
柊埜々の声が学校中に響き渡る。
その瞬間、暇部関係者人々…四名だけど一応その四人は悟った。
昨日理人の言ったこと現実になった。…と。
***
「今日一日どうだった?」
「そりゃ、蹴られるなり暴言吐かれたりで学園のマドンナの恐怖を改めて思い知ったよ。」
「放課後も面倒臭いんだろうなぁ。テディベアとか出てこないよね。カバンはともかくテディベアは止めて。」
うちが真っ青になり言うと皆は笑う。
いつまで続くんだろこれ。一日だけでこんなに疲れるのに。それにおじさんは、昨日言った通り味方しないし。あ"ーー。はぁ、、、、。疲れた。
うちは帰ろうとして教室に戻ると、、、うわぁ、テディベア。嫌だって言ったじゃん。カバンは、、、無いな。はぁ、探すの面倒臭い。
無いなぁ。流石柊埜々の取り巻き。見つからない。
「あ、あの、や、止めてくだ…さい。」
裏庭の方から声が聞こえた。
この声は柊さん!まさか柊埜々張本人が隠していたなんて!取り巻き疑ってごめん。
て言うか、柊さん裏庭で絡まれてる。どうする、助ける。
この時うちの中の天使も悪魔も「助けるな!」と叫んでいた。
…見てよ。
うわぁ壁ドン。あんなブ男にやられるとか人生終わったも同然だな。
「あっ、何だよそのカバン俺欲しいな。美人のバック欲しいな。」
フッ、残念だったな。そのカバンはこのうちのカバン何でね。おい、柊、そのカバン人の渡すんじゃねぇ。
するといきなりブ男は倒れた。「ぐあっ。」って在り来たりなことを言って。
あっ、殺られた。御愁傷様です。
殺った犯人は、、、わぉ、イケメンていうかこいつ先週転校して来た本田乃愛じゃねぇ。まだ4月なのにねぇ。この子可愛い名前だよね。男子なのに。
「…わ、私の王子様」
学園のマドンナは案外恋する乙女なのである。
「んっ?おい、そこに誰か居んのか?」
やっべバレた。乃愛君ここは見逃してくれ…。こっち来るーー。逃げよ。
はい、無理ゲー。\(^o^)/
直ぐに捕まりました。乃愛君首痛い。襟掴まないで。柊さん何かブツブツいってる!!
「王子様、襟掴まれる、暇部の牧野彩羽嫌い」
「んっ?お前隣の席の牧場じゃねぇか。」
「牧、野、彩羽、です。牧場違う。首痛い。」
「あっ、悪い。」
はぁ、自己紹介が最後の言葉になるかと思ったよ。
「そうだ、お前」
「ははははい!」
柊さん緊張し過ぎ深呼吸深呼吸。
「何でお前がそのバックを持ってるんだ。そのバック牧……牧野彩羽の
ねぇ、いま牧場って言い欠けたよね。ねぇ!…待って何で乃愛君うちのバックって分かったの?ストラップとかはつけてないし。
「あの、本田君は何でうちのバックだと思ったの。」
「本田君タメ口?!」
柊さん恐い!!!!
「あぁ、それはだな。そのバックから中が見えたんだその中に彩羽の筆箱が有ったから…ただそれだけだ。」
へぇ、凄いね。柊さん並に恐いわぁ。
まぁいい、少しだけど言い訳を考える時間をあげたんだ。どんな言い訳かな?
「カバンが下駄箱に置きっぱなしにしてあったのよ!」
「だからって何で裏庭に来たの?」
「そ、それは…。そうよ。裏庭に予定が在ったからついそのまま持って来ちゃったのよ。」
「そっ。まぁ、返してやれ」
「う、うん。」
目がハートだぞ柊さん…。
「おいおいおい、俺らを置いてきぼりにするなよ。」
ブ男がい、生き返った、だと!
それで本田君はブ男に向かって行った。ブ男さんの遺影撮らなきゃ。
本田君止まれ。
うちは二人の中に割って入った。
「本田君ストップ。」
「んっ?何だよ。」
「まず、このブ男さんの遺影撮らなきゃいけないのいつ死ぬか分からないからね。」
「はぁぁ💢誰が死ぬかよ。お前の方が死ぬんじゃねえの?俺の一撃で…」
あ~、本田君にそのまま殴らせた方が良かったかも知れない。
うちはそのままブ男の方を向き、ブ男の真っ正面に立った。
そしてうちはブ男の顎を蹴った。
うぅ、自分でやったけど痛そう。
うん、よし逃げよう。柊さんは…もう逃げたっぽい。
うちは無言のまま、乃愛君の腕を引っ張りその場から逃げた。勿論カバンも持ってるよ。
校舎に入り廊下を歩いてる時に、
「ねぇ本田君、本田君の事乃愛って呼んで良い?」
と訊いたら。
「駄目」
と即答された。
「今の自分を乗り越えてこそ本当の自分だよ。だからうちは乃愛って呼ぶね。」
「駄目だ。それに今の自分は自分で越える。」
「乃愛着いたよ。」
「だから乃愛って呼ぶn」
うちは乃愛を暇部の部室に投げ入れた。
「上履きはちゃんと脱がなきゃ駄目だぞー。彩羽脱がせろー。」
「
そしてうちは転んだままの乃愛を引きずる。
「あー俺もこうやって優しく引きずられたかったはー。投げるとか無いはー。」
「おじさんうるさい。」
飛鳥にそう言われ口がバツになる。
飛鳥案外毒舌。
「あ!その子乃愛君じゃない!」
「…乃愛って言うな!」
あまりの大声で一同びっくり。
「あー、、、おじさん驚いて心臓止まったらどうするの!」
えっ?そこ。
「えーでも良いじゃん乃愛。…私もその名前が良かった。」
「それは、女の場合だろ。俺は男だ。」
「それでも俺は良いと思うぜ。それにせっかくつけてくれた名前なんだからそれなりに好きになった方がいいぞ。自分の名前に感謝感謝。」
「うぐぐ、でもこの名前は嫌いだ!!」
「何で嫌いなの?」
「そんなん女の子っぽいからに決まってるからだろ!」
「だったら、祐吉先生はどうなの?女子なのに翔だよ!」
うちが言うと皆が頷く。
さっきからしれっといる、柊さんも…。
恐いから無視してる。全員。
無視したって良いじゃない。
「そ、そうだけど…。」
乃愛は諦めてその場に座り込んだ。
「なぁ乃愛。」
「おじさん、呼び捨て駄目だよ。」
「はい、、、。本田さんは何で不良なの?」
「理由なんて無い。ただ喧嘩が強かったからだ。そしたら勝手に不良になってた。」
「成る程。じゃあ本人は至って真面目君のつもりなんだね…。その格好で…」
乃愛は自分の格好をみる。
乃愛の格好はちゃんと着てる方だ。でもパーカーの色が赤でオレンジ文字が書かれていた。ローマ字読めん。
「その色は明らかに校則違反だ。まぁこの学校案外緩いから注意だけで済むだろ。はむ…」
「…あっ、おじさんそれ私のみかん。」
「暇部の皆は酷いね。全員おじさんって言う。彩羽ならともかく平井に言われるとわ。あぁ、おじさん悲しい。」
「…あー、依頼来ないかな?」
「無視止めて。」
「あっ、そうだ今日用事があるんだー。帰ろー。」
「そうだねー。依頼も来ないしね。」
「それに最終下校時刻になったしね
うちが言うと皆立ち、暇部から出た。
「おじさんを一人にしないでー。それにまだ最終下校時刻になってなーい。」
そして誰もいなくな(以下略
「乃愛は部活入ってる?」
「はぁ、、、無所属だよ。」
「そう、だったら暇部に入ってよ。」
「もう、それでいいや。」
「ありがとっ!」
うちは入部届けを渡した。
「牧野さん。」
「ん?」
「今日はごめんなさい」
「大丈夫大丈夫。こう言うのには慣れてるからね。」
「それじゃあ。また明日。取り巻きにはもう大丈夫って言っといて。」
「はい。分かりました。」
テディベアっ!・完
暇部活動報告書
テディベア事件
犯人は依頼人。
後からわかったこと、カバンや体育着が無くなると皆が探してくれて
「もう夜になるから探さなくて良いよ。一人で探すから。」
と言い『私って良い子ちゃんでしょ。』という計画だった。
家ではあのテディベアは作らず(弟と同じ部屋だから)、学校のトイレで作っていた。
テディベア逆恨み事件
テディベア事件の犯人が逆恨みで牧野彩羽にテディベア事件の内容と全く同じことをし、テディベアをあげ、カバンを隠した。だが、カバンを隠そうとして不良に絡まれた。そこに本田乃愛が来て助ける。そこで初恋をしたらしい。
そして、あの叫び声はロッカーを自分で荒らし、犯人を牧野彩羽に擦り付けるための叫び声だった。
まあ、部員ゲットできた訳だし、結果オーライ。
次回・キューピットッ!
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