紅蓮 (3)

 夜が明けてもシャイネは帰っておらず、ゼロは一人で味気ない朝食を終えた。

 行き違いになると面倒なので、午前中は宿でぼんやりと過ごしたが、昼を過ぎてもまだ戻らない。苛立ちを香り茶で薄めながら、あいつはどこへ行ったのだろうと考えを巡らせる。

 この街で、シャイネがひとりきりで時間を潰せる場所は少ない。王宮や神殿の辺りへは行かないだろう。丸腰だし、ろくに現金も持っていないはずで、小金を持っていたとしても別の宿に泊まるとか、野宿で済ますとも思えない。ミルたちのところへ転がり込んだというのが妥当なところか。

 今日も工房は開いているし、理由もなく長々と居座るとは考えにくい。とうに辞しているだろうに、この時間になっても帰らないのだから、また何か厄介事に巻き込まれているのかもしれなかった。買い物に行くと出かけ、顔を腫らしてしょぼくれて帰ってきたカヴェでの一件を思い出して肝が冷える。

 それとも、帰ってくるだろうというのは勝手な思い込みでしかないのか。ゼロがシャイネに謝罪しようと思ったように、シャイネもゼロに謝ろうと思っているに違いない、そんなふうに思うのは。

 同じ考えでいて欲しいと願う傲慢と、傍らの不在に落ち着かぬ切実さはどう考えても同一のもので、ため息とともに感情を受け入れた。

 いつからだろう。どうしてだろう。そんな問いかけすら意味を成さぬ熱い塊が腹の奥にわだかまり続ける。何をしても気が散って、座って待つこともできなかった。

 我慢の水位が限界を超え、ゼロは工房に顔を出した。ミルが黄色い声をあげながら飛びついてくる。


「まあゼロ! 今日もしゅっとしてて素敵! ねえシャイネは? シャイネとはどうなったの?」


 相変わらず早口でよく喋る。期待に満ちた輝く眼で見上げられるのには苦笑するしかなかった。見かけは文句のつけようのない美少女だが、度の過ぎたお喋りはいけない。


「どうなった、って」


 店内を見回すが、シャイネの姿はない。よく考えれば、彼女がここにいないからこそ、ミルは「どうなったの」と尋ねたのだ。すっかり動転している。


「戻ってないんだ。ここにいるのかと思って」


 炎の少女は、可愛らしく首を傾げた。つられて理性が傾くだけの余裕がなかったのは、幸いと言えるだろう。


「シャイネ、帰ってないの?」


 説明によると、シャイネは昨夜、工房にやってきてミルの家に泊まった。夜遅くまで額を突き合わせて話をした時には、ゼロに謝りたい、と口にしていたそうだ。


「神殿に寄るって言ってたけど。手ぶらだし丸腰だし、用事が済んだら真っ直ぐ宿に帰るのかと思ってた」

「それが心配なんだよ。昼飯だって食ってないだろうし……どこで油売ってるんだ」


 思わずぼやいてしまう。ミルは声をあげて笑った。


「ゼロって、見かけによらず過保護ねえ?」

「そうか?」


 不本意な言葉だったが、冷静になると思い当たるふしが多すぎて黙るしかなかった。

 しっかりしているようで隙だらけだから、捕まえておかないとふわりとどこかに飛んでいってしまうのではないかと怖くなる。その喪失感を想像するだけで胸が痛んだ。

 どうしておれは、こんなに失うことを恐れてるんだ? 疑問に答えをもたらす記憶はない。

 俯くと、にやにやと笑っている紅い視線にぶつかった。慌てて顔を上げる。


「大丈夫よ、シャイネだってもう大人だし。帰りたいところへ帰るんじゃない? それがゼロのところだったらすごーく嬉しいし、とっても面白いと思うけれど」

「面白いか?」

「こういう話、大好きなの。下世話でごめんね」

「でも、シャイネがどう思ってるかはわからんぞ。もしかすると故郷に恋人の一人や二人、いるかもしれないし」

「なら男装してないと思うな」


 断言された。自信の根拠を問いたいが、論理的な答えが返ってくるとは思えない。

 このミルとて工房での生活が全てではないだろう。学校に通っているかもしれないし、同年代の友達もいるに違いなく、恵まれた容姿と社交性で独自の繋がりを維持しているのは想像に難くない。彼女なりの経験を武器に、恐らくはゼロを言い負かすだろう。子供と言っても差し支えない年齢だからといって、侮るつもりはなかった。


「ゼロとシャイネ、お似合いだと思うんだけどな。……なんでそんなに照れるわけ?」

「面と向かって言うからだ」


 悪びれない口調や仕草は大人びて、特に色恋の話に関しては、こちらより何枚も上手のようだった。


「んー、でも、どこに行っちゃったんだろうね、シャイネ」


 そう、考えなければならないのはそのことだ。神殿に立ち寄っていたとしても、もう戻っていなければおかしい。――まさか、帰りたくとも帰れない状態であるとか?


「もう少し探してみる。ありがとう」


 わけもなく背筋が緊張するのを感じ、ゼロはまだ話し足りなさそうなミルを遮った。

 行かねばならぬ、という焦燥感だけがくっきりと形を持って、胸をざわつかせる。どこへ? 決まっている、シャイネのところへ、だ。


「あ、ゼロ」


 呼ばれて振り返ると、ミルが胸元で手を組んでいた。宝石の眼と視線が絡む。


「ねえ、あたしも薬草摘みに連れて行って? そういうの、したことがなくて」


 これが彼女の「お願い」なのだろう。きらきらと光をまき散らさんばかりのミルに、大きく一歩退く。鼻の下を伸ばして近づこうものなら、お目付役と恋人が飛んでくるだろう。ゆっくり言葉を選び、慎重に答える。半精霊と精霊を相手にして、無事で済むとはとても思えなかった。


「構わないが、おれに危害を加えそうな連中はちゃんと説得してくれ」


 もちろん、と長い睫毛を揺らして片目を閉じてみせる。


「それ、どこで教わってきたんだ……」


 頭を抱える。半精霊の美しい眼でそうすることがどれほど暴力的な行為であるか、彼女はきっと知らないのだ。




 行政区から女神教神殿、もう一度工房街、最後に宿屋街。一通り見て回ったが、空振りに終わった。くたくただがもうひとつ用がある。色街だ。

 こんな状態で享楽に耽る気には到底なれないが、シャイネを探すにせよハリスを探すにせよ、情報収集のために馴染みの店を作っておこうと思ったのだ。色街が活気づくのは夕食の時間以降だから、早い時間であれば客のついていない花売女が多く、小銭をばらまいて噂話を集めるには都合がいい。必要経費については今は考えないでおく。

 通りへ近づいて、どうも様子がおかしいことに気がついた。色街にはそぐわない、戦いの場にも似た緊張がある。

 揉め事か、暴力沙汰か。それとも単なる痴話喧嘩か。

 通行人たちも遠巻きに噂しあっている。ゼロはさりげなく周囲を見渡してから、気もそぞろといった様子で妓館の前を掃き清めている少年に声をかけた。


「何かあったのか」


 躊躇いを見せる小さな手のひらに銅貨を滑り込ませると、彼はぎこちなく微笑んだ。


「実は最近、女神教の取り締まりが厳しくて……」

「青服の? なんでだ」


 街門で「殺さず、盗らず、犯さず」の宣誓を求めるマジェスタットの色街は公営のものだ。治安維持の為に青服が派遣されているのはおかしな話ではないが、国の衛兵ではなく、青服の取り締まりが厳しいのは奇妙だ。

 マジェスタットは女神教をそれほど重んじてはいない。青服たちが衛兵の管轄である色街に踏み込んでくるとは、穏やかではなかった。


「通りは朝から夜まで青服の方がずっと交替で見張ってますし、さっきも、あの店に……」


 斜向かいの店を指差しながら話す少年の言葉が終わらないうちに、二人の青服が泥酔した金髪の若い男を引きずってきた。


「ほら、あれ」


 男は怪しい呂律で何やらがなりたてているが、青服たちは取り合おうとしない。奇妙な一団は色街を抜けて喧噪に消えた。

 青服たちの姿が見えなくなってしばらくしてから、ようやくざわめきが戻る。誰もが同じような疑問を口にしていた。何だって色街に青服が? あいつは何をやらかしたんだ?


「酔っ払ってるだけなんだよ、あの人」


 少年が箒を握りなおして呟いた。奇妙な光景を目にして連帯感を覚えたか、多少口調が砕けている。


「それだけで? 変な薬に手を出したとか、女の子を痛めつけたとかじゃなくて?」

「お酒の飲み方は最低だけど、やばい組織と繋がってるわけでもないし、姉さんたちに手を上げたりもしません。ウチにもちょくちょく来てくれるから、知ってる」


 ふうん、とゼロは腕を組んだ。まだ夕方なのにあれだけ酔っ払っているのはいただけないが、色街では珍しくもない光景だ。それをわざわざ青服が出張ってくるのは確かにおかしい。酔っただけでしょっ引かれてはたまらないし、国の衛兵を差し置いて青服が出しゃばったところで、神殿と王宮の間に摩擦を生むだけではないか。

 もの言いたげな少年の視線を感じて思索を打ち切った。店の真正面で考え事をするべきではなかった、と苦笑する。


「飯だけな」

「ありがとうございます! お客様をご案内いたします! いらっしゃいませ!」


 少年の声に応じて、肩と腕を大きく露出させた花売女たちが嬌声と歓声をあげてゼロを出迎えた。今日はわけもなく女に歓迎される日だ、と遠くで思う。本当に欲している女は、どこで何をしているのかすらわからないのに。

 いい香りのする柔らかな肢体がゼロの身体に触れるたび、棒切れのような細いシャイネの手足が思い出されて困惑する。

 花売女たちは、耳の早さでは街一番だ。次々に話題に上る真偽の定かではない噂を聞くとはなしに聞いていたが、シャイネの行方に関しては何の情報も得られなかった。

 情報を買うにはまだ早い。せめてあと一日待ってからにしよう。まだ探していないところもあることだし。そう結論づけて、味のしない食事をかきこんだ。



 もう一日待つ、明日探してから、と色街で情報を買うのをぐずぐずと日延べしているうちに、あっという間に四日が過ぎた。

 その間、ミルとイーラにせがまれて薬草の採集に出かけたが、ミルが珍しい茸を見つけてくれたお陰で大金が入ったのは幸運だった。手持ちの剣を下取りに出せば、金貨八枚に足りるだろう。これで心配事のひとつは解決だが、肝心のシャイネがいないのでは剣が仕上がらない。

 茸を売りに行った時の薬草屋の態度も、おどおどして気に入らなかった。店の奥から甘い匂いがしていたから、スチャヤの調製でもしていたのだろう。スチャヤの根は調製の仕方によっては麻薬となるが、使用量さえ間違わなければ鎮痛剤として優れた効果を発揮する。ゼロだって常備薬として持っているし、カヴェの洞窟で魔物に肩を抉られたシャイネに飲ませてやったこともある。

 そのことが思い出され、改めて不在を意識した。カヴェで出会って、二月半。すっかり彼女の存在に馴染み、常に隣にいることが当たり前になっていた。いつの間に、こんなふうになってしまったのだろう。幾度目か知れぬ問いを繰り返しても、答えはやはりない。

 瞼の裏に浮かぶのは、陽の光を浴びて輝く金髪であり、甘っちょろく、ときに利発に瞬く金茶の双眸であり、安堵をくれる香油の香りや滑らかな白い肌だ。心を鷲掴みにする美しい声までもが鮮明に蘇ってきて、ひりひりと痛む。

 慄くほどの切なさはおくびにも出さず、端数の小銭でいくつかの薬草や酒、羊脂、蜂蜜など、薬の調製に必要な材料を買い揃えて宿に戻った。

 おかみに声をかけられ、連泊を延長する。シャイネが戻らないまま、マジェスタット到着から十日が過ぎていたのだった。無人の部屋の宿泊費を立て替えるのも馬鹿らしく、かといって戻ってきても部屋がありません、では間が悪い。折衷案として荷物をまとめ、二人部屋に移った。

 宿の主人に開けてもらったシャイネの部屋は綺麗なもので、ほとんど荷解きもされていないままの雑嚢と外套、そして刺突剣がひとまとめにして置いてあった。大雑把に折り畳まれて寝台に置かれていた寝間着だけがいやに艶めかしく、部屋を移ってからすぐにそれを洗濯した。


「くんくんすればよかったのに」


 いつの間にか背後にいたヴァルツがとんでもないことを言う。そんなことをして無事でいられるものか。誰が飛んでくるやらわからない。


「おまえ、なんてこと言うんだ。そんなことしたらただの変態」

「誰も見てない」

「見る気満々のくせに! ディーだっているだろ」


 こんなに呑気に話をしていて良いのだろうか。シャイネに危険はないのだろうか。

 瀕死の自分を助けておきながら、行方の知れないシャイネを探そうともしないヴァルツのちぐはぐさが無性に腹立たしかった。行動の基準が理解できない。

 シャイネも、精霊の王たる母に問題解決を依頼することはないと言っていた。「母さんに頼めば早いかもしれないけど、何か違うって思うから」だそうで、たとえばレイノルドの出自や本性、石の卵の正体、過去にク・メルドルで何があったのかを尋ねることはしていないらしい。知らないことより、知るという重荷を背負う方がこたえる。低い声で呟いた彼女の視線は曖昧に揺れて、ゼロの知らない秘密をたくさん抱えているのだろうと容易に理解できた。

 それをつまびらかにせよなどと言うつもりはない。言うつもりはないのだが。


「苛々するな、みっともない」


 冷ややかなヴァルツの言葉に、誰のせいだと怒鳴りかけ、これが苛々か、と深呼吸する。部屋に戻ると言うと、彼女はするりと姿を消した。

 夕食までにはまだ時間があるので、買い求めた材料で薬を作り足した。器具は壊れやすく持ち運べないので、厨房から器や匙を借りてありあわせの器材で調製するのが常だ。厳密な計量が必要となる調合はできないが、旅の常備薬であればそれほど分量を気にすることもない。

 いつもであれば、薬の調製をしていると雑念が晴れて気が落ち着くのだが、今日ばかりは違った。傷に効く軟膏を練りながら、机に置いた蜂蜜の小瓶が気になって仕方ない。喉の薬を作ってやろうと買ってしまったのだ。シャイネの行方は知れないままなのに、である。

(馬鹿か、おれは?)

 彼女の不在がこれほど落ち着かないものだとは思わなかった。壁に立てかけた刺突剣を見遣るが、当然ながらディーの声は聞こえない。精霊の声が届いたならすぐにでも動くのに、と詮無いことを思う。

 また下手を打って、神殿の連中に追いかけ回されているとか、衛兵に小突かれているとか。性質の悪いごろつきに身ぐるみ剥がされているとか、いや、物好きな王侯貴族に攫われて、閨の相手を――。

『見かけによらず過保護ねえ?』

 けらけらと笑うミルが思い出されて、悪い想像を振り払った。

 そう、いざとなればシャイネは精霊を召べる。素手での格闘術もいくらか心得があるようだし、身を守るくらいならばできるはずだ。丸腰でいざこざに飛び込んでゆくほど愚かではなかろうし、必要以上に心配するのは過保護と言われても仕方なかった。

 ミルをはじめ、イーラやダグラス、そしてマックスはシャイネが戻らないことをそれほど気にしてはいないようだった。大人なんだし、何か理由があるんだろう、などと言うが、ここで生まれ育った彼らとは違って、彼女はお人好しの田舎者なのだ。

 いてもたってもいられず、宿を出た。陽は傾き、長い影が伸びている。夜の早いマジェスタットでは宿屋街の呼び込みがさかんに行われていた。威勢のいい客引き、早々と酒宴が催されているらしい賑わい、談笑や楽器の音色、陽気な手拍子。普段ならば気にも留めない街のざわめきが焦燥を煽る。

 落ち着けと自分に言い聞かせながらあてもなく宿屋街を歩いたが、シャイネと出くわす偶然は起こらなかった。祈るような気持ちで色街に足を向ける。


「あっ、おにいさーん!」

「よう」


 先日、小金をやった妓館の少年が、営業用の笑顔でゼロに手を振った。まだ子どもだが、輝くような笑顔と愛想の良さを買われて客引きをしているのだろう。年少者を邪険にあしらうことに罪悪感を覚える者は多いのか、店は繁盛しているようだ。

 子どもに好かれる方ではないのだが、懐かれて悪い気はしない。今は特に話し相手に飢えているから、余計にだった。


「おにいさん、豪気だねえ。旅人さんでしょ。一人旅?」

「いや、連れがいる。いないけど」

「何それ」


 少年は眉を跳ね上げて、それより、と袖を引く。笑顔は営業半分、本音半分、というところか。


「昨日さ、変なお客がついちゃって、売れっ子の姉さんが臍を曲げてるんだよ。おにいさん、ちょっと機嫌とってあげてくれないかなあ」

「おれがもてなされるんじゃないのかよ。変な客って、どんなのだ」

「食事だけだったんだけど、すごーく感じが悪くって……ね、お願いだから。姉さんの機嫌が悪いと、僕がぶたれるんだよ」


 上手いこと良心をくすぐりやがる、と内心でため息をつく。


「取り締まりはなかったのか、青服の」

「だって、お店に入ってすぐ、俺は副神殿長と知り合いだーなんて言うんだもん。下手に青服も衛兵も呼べないよ。絡んでくるだけの面倒な客で、暴力とか、他のお客さんと揉めたりではなかったんだけど」

「副神殿長」


 シャイネが探している男ではないか。まさかこんなところで耳にするとは思わなかった。

 しかし、マジェスタットほどの大都市の副神殿長ともなれば人品卑しからぬ人物だろうに、つまらないごろつきなどとつるむだろうか。カヴェのユーレカは叩いて埃が出るような人物には見えなかった。ごろつきが、通報されたくないがために副神殿長の名前を出しただけではないのか。

 何にせよ、色街のごろつきと副神殿長の関係を知ったところで、シャイネの居所が明らかになるわけではない。花売女たちのご機嫌窺いに費やす時間はないのだ。

 またの機会に、と言いかけたところで、少年が箒を抱きしめてこちらを見上げているのと目が合ってしまった。


「おにいさん、こんないたいけな僕がぼこぼこにされても構わないって言うの」

「そこまでは言ってない。でも、おれも用事があって急いでるんだよ」

「急いでるのにどうして色街にいるのさ」


 情報を買うか買うまいか考えているのだ、と説明するのも面倒で、かといって少年を振りほどいてしまうと後々困るかもしれない。少しだけ金を落とし、さっさと退散するのが良いだろう。


「わかった、少しだけな。……まけときます、とか言えないのか」

「僕にそんな権限あると思う? 姐さんに交渉してよ」


 仕方ない、と肩を竦めて、ゼロは薄暗い店内に身体を滑り込ませた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る