Molto Buonou-脳-!!

葵罫斗

-プロローグ- 煩悩?ボーノ?


 短針と長針が北の方角に定まり、時計を見る人々に 「早く寝ろ」と

時刻が告げる。ボクは、時計に向かって舌打ちをしながら右手の中指を立てて見せた。

中指は、ⅹⅡを示す長針の様に 『ピンッ』 と、北の方角に向かっていた。


 【AM12:19 】

 ボクは寝室のベッドに潜り、首元までふかふかの羽毛掛け布団(ネット通販で購入した税込3万3400円の高級掛布団)をかけて瞼を閉じた。


 【AM12:34】

 ボクの脳みそは未だ眠りたくないらしく、色々なトピックを記憶の抽斗から引っ張り出して

来ては、その出来事について考えを巡らせている。ボクの脳の格言は、『思考こそが至高の喜び』 なのである。


 【AM12:48】

 ボクの脳は、やがてR18のジャンルへと思考の歩みを進めて始めた。

ボクの脳は、『煩悩』 に塗れてもいるのだ。インテリジェンスを装いつつ、実は札つきの

むっつりスケベ野郎なのだ。やれやれ…。


 ちなみに、ボクの脳は、下のフロアに住むペニーおじさんと仲が良い。ペニーおじさんは、

埼『玉』や池『袋』の近辺で生まれ、育った。その為、この界隈での遊びにも詳しい。

ペニーおじさんが特に好きな遊び場は、埼『玉』県 大『宮』市にある 子『Q』アイランドという

テーマパークだ。若いころから、ペニーおじさんはこのテーマパークへ盛んに訪れては

興奮して熱くなっていたが、最近は元気が無くなってきて、テーマパークへ行くのが億劫になってしまったそうだ。


 子『Q』アイランドも、最近は経営不振に陥り、斜陽化へ向かいつつある。

そんな下品な話を盗み聞きし、あるいは勘繰り、あるいは妄想するボクの脳は、あるいは異常なのかもしれない。


 明日あたり、脳を説得してメンタルクリニックを受診した方が良いかもしれない。ボクの脳は当然、「NO!!」 と叫び、抗うだろうが。






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