第14話『老人憩いの場! 学童保育にもご利用ください! つのだ将棋会館』
今回、ご当地ヒーロー”ハチカヅキン”は駅前商店街すぐそば、『つのだ将棋会館』へお邪魔しているのである。
つのださん(角田 道之 76歳)の自宅兼将棋会館には、おじいちゃんが5人、おばあちゃんが2人、お子様が1人いらしており、そのうちおばあちゃんお二人は井戸端会議にいそしんでいる。
利用料は1日300円、小学生以下無料だが、1月定期は2000円となっていて、非常にお得なのだ!
昔から地域憩いの場と親しまれてきたのだが、最近は若者の将棋離れもあって高齢化がバリバリ進み困っているぞ!
お茶を1杯いただき、おじいちゃん(初級)と対局して敗北したヒーロー”ハチカヅキン”は、おじいちゃん(初段)とおじいちゃん(3段)に飛車角落ちでもコテンパンにされる。
その後、お子様と遊○王トレーディングカードゲームで対局、途中で怪人”犬王モノー”が到着したので、残りLP250だったヒーロー”ハチカヅキン”が投了して、4戦全敗の成績で戦いを終えたのである。
いただいた『1月定期』(2000円)に書かれた『老人憩いの場! 学童保育にもご利用ください! つのだ将棋会館』のメッセージをカメラクルーにアップをお願いして見せつけたヒーロー”ハチカヅキン”は、将棋盤の向かいに座った怪人”犬王モノー”に向けて、順番を決めるための歩を5枚取って、力強く振りおろす!
オモテヨンマイ~ ウライチマイ~
4枚表だったのでヒーロー”ハチカヅキン”が先行になったようなコマの転がる音が鳴った。
対局の途中で桂馬の動かし方を丁寧に説明される怪人”犬王モノー”に、ハンデとしておじいちゃん(初段)に3回コマを動かしてもらえるシステムが搭載され、ヒーロー”ハチカヅキン”は大変なピンチに陥ったのである!
「グワアアアアアア! 王手飛車取り!? 王を逃がそうとしたら飛車が取られるとは一体……! よ、良い子の皆、ヒーロー”ハチカヅキン”は大ピンチだ! だが皆の声援があれば、ヒーロー”ハチカヅキン”はまだ立ち上がれるかもしれない! 大きな声援やこのピンチをなんとかするヒントを、ヒーロー”ハチカヅキン”はいつでも待っているぞ!!」
言い終わってしばらくして、お子様が3回助けてくれることになりピンチを脱出したヒーロー”ハチカヅキン”は、そのままなんとか盛り返したが、福本さん(飼い主)との散歩がてらやってきた花男くん(フレンチブルドッグ 8才 ♂)が、お座敷犬だったせいか躊躇なく座敷に乱入---将棋盤に足を乗せてコマを嗅ぎ回っている---したためドローゲームとなった。
戦いは終わったのだ。
「……なんだとっ!? 老人憩いの場! 学童保育にもご利用ください! つのだ将棋会館!では、両親の帰りが遅いお子様も安心して遊んでいただける!? さらにお子様は料金無料だとっ!? 将棋をされないおばあさまのご見学も無料? ええい! こんな良心的ではさっそく大評判で満員になって、角の裏はなんなのか教えてもらえなくなるではないか! こ、これは早く帰ってお安い『1月定期』(2000円)の代金を取ってこねばなるまい。帰宅! 帰宅だ-!」
言い終わるやいなや怪人”犬王モノー”は、花男くん(フレンチブルドッグ 8才 ♂)をそっと抱えて福本さん(飼い主)へ託すと---花男は嗅ぎ終えて満足している---脱兎の勢いで帰宅していったのである。
「つのだ将棋会館では、密かに遊○王トレーディングカードゲームも流行っているぞ! おじいちゃん(3段)はかなりの猛者だ! ヒーロー”ハチカヅキン”は腕を磨いてリベンジしにくるぞ! 皆もつのだ将棋会館で僕と対戦しよう!」
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