第13話『熱燗に最適! 冷やして極上! 洋酒も各種取りそろえ! 上田酒店』『駅前恵比寿神社』

 本日は酒屋『上田酒店』から甘酒(1升ビン)をご提供いただいた。


 年越しに神社に行けば振る舞っていただける素敵なアイテムだ!


 深夜、極寒の中たどり着いた寺社仏閣の片隅でいただく甘酒は、寒いし疲れたのでもう一歩も動きたくないお子様にパワーを分け与え、眠気が酷くて動きの鈍い友人になめらかさを取り戻す潤滑油として、無くてはならないものである!


 特別に『駅前恵比寿神社』(現在地に移築されてから400年の歴史を誇る)の境内をお借りしたヒーロー”ハチカヅキン”は、境内の一角で甘酒を鍋に移し、携帯コンロで火にかけ(弱火)、『正徳野菜商店』で買ったショウガを一気にすりおろす。


 滋養強壮や健康維持、二日酔い防止にお肌ケアまで幅広い効能を持つ甘酒は、ショウガを入れることで更に美味しくいただくことが出来るのだ。


 鍋が沸騰する前にヒーロー”ハチカヅキン”は、人質の花男くん(フレンチブルドッグ 8才 ♂)の身代金を要求する怪人”犬王モノー”(イヌオウモノー)に呼び出しをかける。


イヌオウモノーサマ エキマエ エビスジンジャマデ オコシクダサイ。


 まるで怪人”犬王モノー”を『駅前恵比寿神社』へ呼び出すような音がスピーカーから鳴り響く。


 しばらくすると、走る花男くん(フレンチブルドッグ 8才 ♂)のリードを持つ怪人”犬王モノー”が『駅前恵比寿神社』へ到着し、ヒーロー”ハチカヅキン”はスポンサーである『熱燗に最適! 冷やして極上! 洋酒も各種取りそろえ! 上田酒店』のステッカーを貼り付けた紙コップ周囲に見せびらかすと、アッツアツを甘酒たっぷり入れて怪人”犬王モノー”へ振る舞うのだ!


アマザケヲドウゾー!


 ヒーロー”ハチカヅキン”に甘酒を振る舞われたような音が境内を通り過ぎる。


「どうも……アッチャアアアアア! ホ、ホットな甘酒がとっても熱ぅい!! フーフー フーッ……ゴクリ プハーッ。 おのれ”ハチカヅキン”。冬空の下で花男くん(フレンチブルドッグ 8才 ♂)と散歩した身体に甘酒が染み渡るわ。滋養強壮と整腸作用もあり、保温効果をさらに高めるショウガ……いや、ジンジャーが山盛り入って寒さも何処かへ吹き飛んでしまう!! 神社だけにジンジャー!? ブッ ブホフフフフフヘッ だ、ダメだ……。神社だからジンジャー!!! グッフッフ ゴッホゴッホッ いかん…鼻と気管に……すりおろしたショウガが…。 ゲホゲホッツ エフッ  退避! たいひー!」


 言い終わるやいなや怪人”犬王モノー”は、花男くん(フレンチブルドッグ 8才 ♂)のリードをスタッフに手渡すと---花男は境内を盛んに嗅ぎ回っている---脱兎の勢いで逃走していった。


 戦いは、終わったのだ。


「熱燗に最適! 冷やして極上! 洋酒も各種取りそろえ! 上田酒店さんの甘酒は、酒粕を使わない甘酒だからアルコール0で低カロリー! ダイエットや夜食のお供、病後の滋養に最適だ! 昔は夏バテ対策に、飲みやすくて栄養がある甘酒を冷やして飲んだらしい! ヒーロー”ハチカヅキン”も今年の夏は冷蔵庫に入れて牛乳で割って飲んでみるぞ! とっても美味しくて健康にいい甘酒は、ヒーロー”ハチカヅキン”のおすすめだ!!」

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