その昔、彼女は不老不死を望み、代償と引き換えにそれを得た。
代償とは、太陽の光を浴びられないという呪いを受けたこと。
それから数百年、彼女とその眷族はノスフェラトゥと呼ばれ、
現在では東京の夜の闇に紛れて、ひそかに拠点を築いている。
主人公、舞夜は防衛大卒業後の進路が決まらずにいたところ、
ノスフェラトゥと戦う特殊組織に属することとなる(公務員)。
舞夜自身も戦いはするが、彼女が担う役割は語り手/目撃者で、
本当の主人公は「王子様」、ヒロインは「お姫様」だろう。
「王子様」は筋骨隆々の超好戦的なエース級戦闘員。
下品で無礼で粗暴、言葉も汚く、すぐ暴力を振るう。
しかし、「王子様」であることには間違いないのだ。
「お姫様」が彼こそを「王子様」だと認めているから。
人ならぬ身であるノスフェラトゥたちとの戦闘シーンは、
銃器が火を噴く命からがらの展開の連続で、手に汗握る。
けっこうな残酷描写もあるので、苦手な読者はご注意。
はらわたが飛び散る激しいバトルが好きな人にはイチオシ。
キャラよし、展開よし、バトル描写よしですごく面白い。
80-90年代の黎明期のライトノベルファンは好きだと思う。
ただし、著者殿、ひとつだけ難をつけたい。
つ、続きをください。第1巻じゃん、これ!