第3話 修行の後
◯注意事項
・以前まで書いていたもので得たものをだいぶ失っているので、試行錯誤中。駄文であっても泣いてはいけない。練習あるのみ。
・やっぱり内輪ネタでしかないので、そういうのが嫌いな人は戻るボタンをクリックしよう。そういうのも良いという人は読むと良いのです。
◯登場人物
ファラリス・シヅル・ヴィミラニエ [人間・女]
ゾバルゲノフ・キルシュバオム [ドワーフ・男]
ヨーニャ [バジリスクウィークリング・女]
〈ザルツ地方・廃墟〉[tb:昼]
「これで、終わりですわ!」
「バラバラに、なりなさい!」
豪快な剣閃。繊細な瞬閃。その2つが巨大な体躯の人喰い鬼――オーガ――の身体の上を走る。幾本もの傷跡に新たな傷が増え、首から上が飛ばされたその鬼の身体は、仲間の後を追うようにドサリと崩れ落ちた。
剣を振るっていた女2人が周囲を改めて見回し、残敵が居ないことを見て取ると大きく息を吐く。
「おぉ、終わったかのう?」
「えぇ、終わりましたわよゾバル」
「そうかそうか。では、ファラリスもヨーニャもこっちに来るがえぇ。回復の奇跡を願おう」
ふぉっふぉっ、と穏やかな声で笑うゾバルの手招きに応じ、少なくない手傷を負っていた2人はそちらへと足を向ける。
〈ザルツ地方・平野〉[tb:夕方]
ざっざ、と地面を踏みしめる音を立てながら、3人は街への道を進んでいた。その手にはオーガから得た戦利品。
「……ちょっと気が早いかもしれないけど、ありがとう、ファラリスさん。ゾバルさん」
「あら、なんですの急に?」
「なんじゃ、改まって?」
急なヨーニャの言葉に、2人は怪訝そうな顔を向ける。
「あぁ、修行に付き合ってほしい、って急に言ったのに、2人とも引き受けてくれたから、その御礼よ」
「あぁ、確か『強くなりたいから、修行に付き合って欲しい』とか言っておったっけ?」
依頼を受けてきたのは覚えとったがのぅ、と髭を触りながらゾバルが返し、ファラリスとヨーニャは顔を見合わせて苦笑しあう。
「ゾバル、そこは忘れないで上げてくださいまし」
「一応、今回の依頼は修行目的で受けてきたのだけど……」
「と、剣の腕を磨きたい、というのは私としても好ましいですわ。ですからまた修行したいときは声を掛けてくださいまし」
「そ、そう? ならまた声を掛けさせてもらうわねっ」
楽しそうに、慈しむような笑顔でヨーニャの頭をファラリスは撫でる。少し恥ずかしそうにはにかみながらも、ヨーニャは嬉しそうに答える。
それを眺めながら、ゾバルは孫を見るように目を細め、ふぉっふぉっと穏やかに笑い声をあげていた。
「なんというか、まるで姉妹じゃのぅ」
「あら。まぁ、悪い気はしないですわね」
「……一応聞くけど、どっちがお姉さん?」
「そりゃファラリスじゃろう。年もファラリスのほうが上では無かったかの?」
微妙に遠い目をして尋ねたヨーニャに、どうしたんじゃという顔をしてゾバルが答える。
「……まぁ、そうよねぇ。今の肉体年齢で言えばそうかもだけど……てか、ファラリスさんいくつ?」
「今年で18ですわよ?」
「そっかー。ちなみにウチは今年で20歳よ。肉体年齢でいえば14だけど」
ピシリ、と空気が凍る音がした。
「「……え?」」
「本来は、今年で、20歳よ。バフィク様の邪眼で一度年齢を半減されてるから、今の肉体年齢は14歳だけどね」
肉体に精神が引っ張られてるのかしらね……とつぶやいて、彼女はどんよりとした空気をまとって歩き続ける。
数瞬の間固まっていた2人だったが、慌ててその後ろを追いかけるのだった。
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