第11話 猫の話。

 このエピソードをもって、私の体験談も終わりにしたいです。読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。最後は、猫にまつわる、ちょっと不思議な話を。

 私が子供の頃、夏休みはいつも、伯母の家に長期間、泊まりに行っていました。母親の実家です。

 伯母の家には猫がいて、もうかなりの年齢のメス猫でした。まったく私に懐こうとしません。

 子供の私は、なんとか猫と仲良くしたいのですが、猫はまったく相手にしてくれません。

 あるときなどは、猫と目を合わせて、じっと見つめていると、猫パンチをされ、私はまぶたを負傷しました。見つめあえば、仲良くなれると思ったのですが。

 長い夏休みのあいだ、猫はまったく、私に見向きもしませんでした。私は、このまま猫とさよならするのが、淋しかった。

 もう、明日が家に帰るという日の昼です。私は、その猫に向かって、「明日帰ってしまうんだよ」「もっと仲良くしたかったよ」そう語りかけました。

 その日の夜です。夏なので、私は部屋のドアを開けたまま、ひとりで寝ていました。すると、その猫が部屋にやって来ました。

 その猫は、いままで私に関心を示した事などなく、私の部屋に入ってくるなど、初めての事でした。

 その猫は、寝ている私の横で、こちらを向いて横になりました。最後の日になって、私と添い寝してくれたのです。

 私は、その日の昼間に、猫に語りかけたので、それで猫がお別れのために、私の部屋に来てくれたと、いまでも信じています。

 猫には、人の言葉がわかるのでしょうか? 不思議です。これで、私の体験談は、ひとまず終わりとします。また何かあれば、報告します。

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