第16話 【テイクアウト】エピソード15

134. 街中 その夜 点描 12月 高3

   久美とののみ、街中のクリスマスツリーや電飾の間を歩き

  回る。

   レストラン前、正装した玲奈と健に会い、一緒に探す。

   (いくつかシーン)


135. ある雑居ビルの前 その後 12月 高3

   人集りが出来ている。

   その中に愁。久美ダッシュで愁に詰め寄る。

久美 「どう言う事?可怪しいと思ってたんだよ!女がいるんだ

   (怒鳴り声)、ののみはただの家政婦代わり・・・」

   (遮って)玲奈、ビルの上を指差す。

玲奈 「あれ、あれ・・・」

   ビル、飛び降りようとしている菜穂がいる。

菜穂 「飛び降りてやる(叫び)」

   みんな見る(さほど高くない)。

菜穂 「無償の愛とか、求めない愛とか、そんなの愛じゃない!

   全力で求めるのが愛でしょ、でしょ!(叫ぶ)。」

   愁、菜穂に向かって。

愁  「止めろ!(叫ぶ)。」

    XXX

   警備員に腕をつかまれ、降りてくる菜穂。

警備員「落ちたら怪我するよ・・・」

   愁、ののみ、久美、玲奈、健が対峙する。

   警備員を振り切って、ののみに食って掛かる菜穂。

菜穂 「愁と別れるっていってたよね・・、なのに結婚してる

   って何なの、ふざけないで・・・」

久美 「結婚(玲奈を見て)・・・」

玲奈 「してるって(久美を見る)・・・」

   首をかしげる(どういうこと)久美と玲奈。

   菜穂とののみの間に入り、ののみをかばう愁。

   その愁を見て、菜穂が切り出す。

菜穂 「カッコ悪いね私!、二人のこと認めたくなくてさ!自殺

   するふりなんかして!最初から、そう、私が・・ののみ

   ちゃんに声をかけた時から・・・」

   愁の腕にしがみつくののみ。

菜穂 「あれは愁に頼まれたからだったんだ!そう、最初から、

   愁は、ののみを好きだったって話」

   愁の両腕を掴むののみ。

菜穂 「それをバラすぞって私が脅してたの、脅迫!、無理に

   デートしてもらって・・」

   愁の両手をにぎっているののみ。

菜穂 「ネットに写真アップしたり、書き込みしてたのも

   、私・・・」

    XXX

   回想 ネット書き込み

   愁とののみのツーショット写真、「同棲してる」

   「サッカーのエースが貢がせてる」・・などなど・・・

    XXX

健  「ほー、スパイ活動が返って、結婚を早める結果になった

   ってエピソードか」

   と、健、玲奈の肩を抱く(何度かうなづく)。

   愁の腕を脇に挟み、歩き出すののみ、引っ張られる愁。

菜穂 「愛のキューピットが、悪魔になって、弓に毒を塗って

   射ろうとしてさ・・・」

   膝から崩れ落ちる菜穂。

久美 「何!何!解かんない!(うろたえている)」


136. 雑居ビルそば ミニ公園 その後

   愁の顔のほほを手で挟むののみ。

ののみ「・・・(目を見開いて)ホントなの!」

愁  「実は・・・すごく昔から・・・好きだったんだ・・・」

    XXX

   河原、昔

   石を拾う小さな女の子と男の子。

    XXX

ののみ「そんな大事なこと、妻に隠してたなんて

   (への字口)・・・」

   笑顔になって、愁のほほを両手で挟んで、キスをするののみ。

ののみ「これで封印したからね!ダーリン、もう秘密は無しだょ」

    XXX

愁  「好きだ!」

   夜空に向かって叫ぶ愁。

   ののみ両手で、両耳を塞ぐ。

   おもむろにポケットから、指輪ケースを取り出す愁。

愁  「(清々した笑顔)ののみ!いつもありがとう、

   結婚してください・・・奥さん」

   と、ケースを開ける。白い石のリング。

ののみ「うん(じらし)・・してやるよ」

    XXX

   見つめ合う二人、指輪をつかむサンタ帽の愁。

愁  「創ったんだ(ののみに見せる)、いいでしょう」

ののみ「遅れてきたサンタさん(ウインク)・・」

   ののみの指、すでにエンゲージリングをしている、

   その上に白い石があしらわれた指輪をはめる愁。

ののみ「キレイ(眼を輝かせる)、やっと好きって言わせたぞ!」

愁  「で、ののみは?・・」

ののみ「あぁ~・・・好き(照れて小声)」

愁  「えぇ(聞こえない)?」

ののみ「好き!(大声)」

愁  「えぇ(なんて)」

ののみ「す~き~(絶叫)」

愁  「やっと言った・・で、いつから」

ののみ「うぅ~・・・生まれる前(かな?)」

愁  「(えぇ)やっぱり(こわ)」

    XXX

   手で望遠鏡を造り覗く愁。

愁  「俺たちお互いに、覗き合ってたって事だね、ハニー」

ののみ「(うなずく)ダーリン・・・」

愁  「俺の望遠鏡の方が性能は良いけどね!だって俺の方が

   先におまえ見つけたし」

ののみ「(首を振って)私が先だよ!」

   愁、指でLを作り、ののみもLを作って合わせて、

   ハートにする。

    XXX

貴  「あの・・・お熱いおふたりさん、焼け石に水かもしれま

   せんが・・みんな帰っちゃいましたけど」

   二人と貴以外、誰もいない。

愁  「何で残ってんの?ってか、いつから居た?」


137. 愁とののみの部屋 日替わり お正月 1月 高3

   着物のののみ、髪飾りに達磨、袴の愁。

   鏡餅、破魔矢、招き猫、繭玉、熊手、羽子板が飾られている

   室内。和風テイストのインテリア。

   ソファーでビデオを見せながら、ハンバーガーを食べる二人。

   ののみのビデオ。

   映像(発表会で、ののみ、久美、貴がお遊戯)

   感想を言いながら笑う二人。

    XXX

   愁のビデオ。

   映像(小さな愁とののみが公園の砂場で遊ぶ)

   愁母も映っている。

ののみ「ほんと、キレイな人、この人が愁君のお母さんなんだ」

愁  「・・・(ののみの顔を見る)」

ののみ「あ、この女の子、かわいい・・・私だ!」

愁  「俺がひとりでいると、よく遊んでくれた子だよ」

ののみ「だから、私・・・この頃、ほんとは私のこと好きだった

   んだね」

   映像(ののみが泣いている、そばに愁が立っている)

ののみ「泣かされたなぁ、この子に(愁を指さす)、あれから

   男の子とうまく話せなくなったんだ・・・でも・・・」

愁  「俺も・・・女子は苦手だったな、直ぐ泣くし・・・」

   愁の肩にもたれかかるののみ。

ののみ「・・・もう泣かないね」

愁  「まさか、目薬・・・」

   ののみの顔を凝視、そのままキスをする。

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